シリーズでお送りしている「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を今のダイヤで行ってみたらどうなるかの検証記事ですが、今回は第11弾です。
第11弾は2012年4月の放映ですから、今からちょうど10年ほど前のことになります。マドンナはいとうまい子さん。高松から伊勢を目指しました。淡路島でのコアラ、バス旅ファンには伝説となっている尼崎の喫茶ちえ、名松線の代替バス利用など、見どころの多い回でした。いとうまい子さんの明るいキャラクターが好印象でしたね。
第11弾の実際ルート
阪神都市圏で細かな乗り継ぎを繰り返し、三重県内では一日一本のバスを乗り継ぎ、それでも4日間で無事にゴールしました。エンディング、伊勢神宮への参拝に向かう3人の笑顔はよかったです。
2022年の検証ルート
では、2022年のダイヤで行くとどうなるでしょう。大きなポイントとしては、放映当時、大雨災害による長期間運休で代行バス輸送だったJR名松線が復旧しており、代行バスの運行がなくなったことでしょうか。
鳴門から淡路島へ渡るには高速バスしかなく、実際ルートでも最短の高速バス利用を行っていました。実際ルートではそれほど待たずに乗れたバスがあるようでしたが、現在のダイヤでは14時過ぎまでバスがなく、4時間近く待つことになります。また、実際ルートで乗ったらんらん号では乗り継ぎが悪いので、海沿いを歩いて福良まで歩いてしまうのがよいでしょう。実際ルートでは淡路島最北端の淡路インターから乗るバスを待ちましたが、現在のバスでは、津名港から出るバスが一番北から乗れるバスになります。また、実際ルートでは名谷まで進んだものの宿泊施設探しに難儀し、明石までタクシー移動しましたが、今回の検証では、最初から明石宿泊としました。
実際ルートでは尼崎から、野田阪神経由で大阪駅へと向かいましたが、現在そのバスは夜にしか走っておらず、園田から梅田へと向かいます。途中、徒歩を挟んで門真経由で住道へと向かいます。実際ルートでは府県境を越えて田原台九丁目西から生駒駅を経由して向かいましたが、生駒駅から学研北生駒駅へと向かうバスが深夜までないので、ここは6kmほど歩いて、直接学研北生駒駅へと向かいます。これによって、実際ルートと同じく奈良まで到達することができます。
実際ルートでは奈良から天理に向かい、そこから上野市へ向かう特急バスに乗車しました。しかし、今はその特急バスはなく、針インター、国道山添と乗り継いで上野市駅へと向かうバスルートがありますが、それよりも乗り継ぎが楽なのは、バス旅Z第6弾で辿った月ヶ瀬村を通るルートです。このバスに乗るとわずかに乗換1回で、歩きも挟まずに上野市駅へ到達できます。
一方、実際ルートはその後、伊勢奥津へ向かう1日1本のバスに乗り、そこからJR名松線の代行バスに乗って美杉村のリゾートホテルに投宿しましたが、現在は名松線の復旧によって代行バスは廃止。美杉方面への乗り継ぎは極めて悪く選択肢に入りません。そこでバス旅Z第18弾で利用した汁付へ出てそこから峠を越えて平木から進むとこの日のうちに津まで到達できます。
松阪で南紀特急バスに乗り継ぐのに長時間の待ちを挟みますが、それでも15時前には伊勢神宮の内宮前に到着できます。栃原から注連指口まで30分で歩くのは厳しいかも知れませんが、仮に乗り遅れたとしても1時間後の14時22分発のバスがあり、16時前には到着できます。
別ルート:南海フェリーを使ってみる
実際ルートでは、淡路島にわたる一般の路線バスがなく、その場の判断で「最短の高速バス利用」という例外適用を行いましたが、そうであるならば、いっそのこと、船に乗ってしまうのはどうだろうと考えました。ちょうと徳島から和歌山の間には南海フェリーが走っています。例えばこれに乗って和歌山に上陸し、そこからバスで伊勢を目指したらどうなるか、この際ですから、検証してみましょう。
このように、もし仮に2日目が水曜日であった場合、曜日限定のバスに乗ることができ、なんと3日で伊勢まで到達することができます。ルート的には第21弾堺→潮岬→鳥羽に似たルート取りです。
なお、2日目が水曜日でない場合は、金屋のコミュニティバスに乗れないので、以下のようなルート取りになります。
印南近辺でどうしてもバスが繋がらずに15㎞を歩くなど、一気に苦しいルート取りになってしまいました。
船は使用禁止というのは元々のルールでも書いてあり、実際ルートでこのルートを編み出すのは至難の業だったでしょうが、ここでは思いついた代替ルートを検証してみました。水曜限定とはいえ、3日で到達できるというのは面白いです。こういう発見もバス旅検証ならではであります。
まとめ
2022年のダイヤでも概ね、実際ルートと同じように進むことができることがわかりました。また、南海フェリーを使うという奇想天外なルートも存在します。四国から本州に渡るのですから、いろいろな選択肢を検討してみるのも面白いですね。
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