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鬼滅の刃の柱がアマチュアオーケストラの指揮者になったらランキング

今年日本の映画興行ランキング1位を19年ぶりに更新し、公開から73日間の累計観客動員数は2404万9907人というから、日本人の5人に一人は映画を見た計算になるのが、鬼滅の刃です。

鬼滅の刃には鬼を倒す「鬼殺隊」という組織があり、中でも「柱」と呼ばれる9人の最高位の剣士がいます。

彼らがもしアマチュアオーケストラの指揮者をやると、どんな音楽が鳴り響くのか、適性を含めて人気度をアマチュア指揮者である私が独断と偏見に基づきランキング形式で紹介します(ネタバレを含みます)。

9位:「霞柱」時透無一郎

周りのことに興味を持てない、時透無一郎はそもそもオーケストラを指揮することがないかもしれません。

いつもぼーっとしているように見える点や、先週の練習で注意したことをすっかり忘れてしまう点など、そもそも指揮者に向いていないとも言えます。

しかし彼は剣を握ってたった2ヶ月で柱にまで登り詰め、刀鍛冶の里で縁壱零式を使った訓練をするなど、自己研鑽に励む天才タイプです。

ワーグナーを振らせてみたら面白いかもしれませんが、多分オーケストラが彼の深淵な音楽性についていけないと思われます。

7位:「蛇柱」伊黒小芭内
7位:「岩柱」悲鳴嶼行冥

悲しい過去を持ち、どちらもネガティブという点では、伊黒小芭内と悲鳴嶼行冥は同率で7位ということになります。

ネチネチとできないところを指摘して奏者を追い詰める伊黒小芭内は、練習が始まって最初の1音目の音程が合うまで、いえ1音目を出す前の呼吸が揃うまで、ネチネチと練習をさせ続けます。

2時間の練習で10小節いかないことなんてザラ。

ということでは、アマオケでの人気は皆無どころかマイナスの評価しかないでしょうね。

ネチネチと変拍子が続く、ストラヴィンスキーの演奏を聴いてみたいものです。

ネガティブということでは伊黒小芭内に一歩も引けを取らない、鬼殺隊最強の剣士、悲鳴嶼行冥も、ことオーケストラを指揮するということになると7位に沈みます。

「ああ、このヴァイオリン奏者はハ長調の音階も満足にできないのか」と泣き続けられると、練習が進まないところも伊黒小芭内同様です。

しかし、耳がよく、その反響音で空間を識別する能力のある悲鳴嶼行冥ですから、舞台袖で演奏する「バンダ」という出番のあるベルリオーズの「幻想交響曲」はバンダのオーボエにまで適切に指示を出し、名演が期待できるかもしれません。

6位:「恋柱」甘露寺蜜璃

アクロバティックな太刀筋を持つ甘露寺蜜璃がアマオケの指揮者としてやっていけるかどうかは、ひとえに彼女の語彙力にかかっていると言えます。

竈門炭治郎と双璧をなす、擬音を多用する説明下手は、技術の劣るアマチュアオーケストラ奏者に伝わるのか、伝わらないのか。

伝わればデモーニッシュな奇跡の名演が可能かもしれませんが、伝わらなかった場合、オーケストラは空中分解し、演奏は粉々に飛び散ってしまうかもしれません。

ここは一発勝負。普通に演奏してもそれらしく聴こえることは皆無のモーツアルトに挑戦してもらいましょう。

5位:「水柱」冨岡義勇

無口。

無口な指揮者がこの地球上のどこかにいるのかもしれませんが、少なくとも私は見たことがありません。

しかし、アマチュアオーケストラの奏者からすれば、これほどありがたいことはありません。指揮者の長話を聞かなくて済むのですから。

必要なことは全て棒で表す。極端に言葉を削ぎ落とした冨岡義勇はシベリウスの交響曲を演奏するのに適しているでしょう。

4位:「風柱」不死川実弥

不気味なほどの強面で、口が悪い不死川実弥は、もしアマチュアオーケストラを指揮したら人気の指揮者になるかもしれません。

彼の鬼に対する憎しみは、裏返して家族への愛情が深いことを表しています。

「下手くそ!」と怒鳴りつけても、その言葉の底に愛情が流れていれば、奏者はそうと気がつくものなのです。

彼の歪んだ愛情はチャイコフスキーのとことんまでロマンティックな音楽がぴったりお似合いです。

3位:「炎柱」煉獄杏寿郎

曲がった事が嫌いで、どんな場合も一切ブレることがない、彼の竹を割ったような性格は、ともすれば足の引っ張り合いも辞さないドロドロしたアマチュアオーケストラの中でも、一際輝くことでしょう。

面倒見が良く、個人の適性を瞬時に判別できるのも、いろんなバックグラウンドを持ったアマチュアオーケストラを指揮していく中では必要な能力です。

彼の燃える闘志はベートーヴェンを演奏させたら、玄人はだしの名演を引き出すかもしれません。

2位:「音柱」宇髄天元

音楽のランキングですから、宇髄天元が上位に来るのは当然だと思われるかもしれませんが、実は彼の持つ、ある能力はアマチュアオーケストラを指揮するときに大きな障害になります。

それは、絶対音感です。ラの音が正確に442hzで聴こえる能力はアマチュア奏者の不安定な音程を長時間聴くことに耐えられるのか、大きな疑問があります。

しかし、100人からなるオーケストラを従えることは、彼の戦闘指揮能力からすれば容易いことで、大編成のマーラーやブルックナーなどを派手派手に演奏することでしょう。

1位:「蟲柱」胡蝶しのぶ

アマチュアオーケストラの指揮者として、これほど適性のある人も珍しいです。

適度な毒舌もそうですが、伊之助に対しては「できて当たり前ですけど」と何度もプレッシャーをかけ、女好きの善逸に対しては「一番応援していますよ」などと、相手を見て、声をかけ、そのやる気を出させ、力を伸ばす能力は、どんな指揮者も見習いたいものです。

彼女は繊細な剣捌きをしますので、ラベルやドビュッシーなどのフランス印象派の音楽を得意とするのではないでしょうか。

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さて、いかがでしたでしょうか、個性的な9人の柱の演奏するクラシック音楽を聴いてみたくなりましたか?

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