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「差異化ゲーム指摘おじさん」が伝えたいこと
「差異化ゲーム指摘おじさん」ことカナダの哲学者、ジョセフヒースさん(1967~)の「啓蒙思想2.0」が3月に早川書房から文庫化されます。
昨年秋に代表作の「反逆の神話」が文庫化されたばかりなので、国内でヒースブームが再来しているのかもしれません。
今回は、発売日を前に旧版( 2014年、 NTT出版)を読み返してみた読書メモを共有します。
◇この本は何なの?
・「啓蒙思想2.0」のあらましを述べたもの。
・啓蒙思想で重要な「理性」の現状ついて、哲学、心理学、社会学、言語学などの成果をもとに明らかにした。
・現在の「非合理的」な環境の成り立ちと、その打開策を解き明かした。
◇なぜ「理性」が大事なの?
・ 真実よりも「真実っぽさ」、理性よりも「感情」が優先される「世界」において、「啓蒙思想」の再起動が必要だと考えるから。
・そこで重要となる人間の「理性」は、環境の操作に常に依存し、操作なしに何もできないと考えるから。
・「理性」についての認識を旧来の「個人主義 」的なものから「多様な個人にまたがる非集権的で分散的なもの」に切り替えることで「啓蒙思想」が発展すると考えるから。
◇どうすればいいの?
・精神的環境を汚染している「犯人」を「メディア」や「広告」「強欲な企業」のせいにするのをやめる。
・認知バイアスに付け入るような「技術革新」がもてはやされる状況を、時間をかけて変えていく視点を持つ。
・そのための第一歩として、この本で「理性」について理解を深める。
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