オラニエンブルガー運河をA~Fデッキまで1日で駆け抜けて得た知見(2):経路タイルと資源のこと
こんにちは、ぼーずです。前回の記事(以下リンクを参照)ではオラニエンブルガー運河のカード周りのことについて、得た知見を書いてみました。
今回は経路タイルと資源のことについて、同様に書いてみたいと思います。攻略記事的なものではないですので悪しからずご了承ください(というつもりで書き始めましたがだんだん立ち位置に自信が持てなくなりつつあります)。
経路タイルのこと
経路タイル(以下「経路」)とは、個人ボードに置いた建造物カード(以下「カード」)の四辺を囲う「小道」「道路」「鉄道」「運河」の総称です。このゲームではカードを取って個人ボードに置いただけではそこに書かれた効果は得られず、その四辺を適切な経路で囲うことが重要になります。
経路タイルと終了時得点
経路タイルはゲーム終了時に1枚1点になります(最もコストが安い「小道」を除く)。またカード置き場とは異なり、経路タイルを置けなかったスペースについては1つにつきマイナス1点となります。つまり、経路タイルを置くこと自体は単純に得点行動であると言えます。
個人ボード上に経路を置くスペースは全部で31あります。うち4つは初期経路(小道×2、鉄道、運河)で占められているので、1人あたりのゲーム開始時の空きスペースは27(つまり盤面はマイナス25点からスタート)になります。
いっぽう、1ラウンドあたりに置ける経路は、ワーカースペース由来では最大6枚です(カードそのものの獲得と異なり、経路はカード効果で配置しうるのですが、ここでは割愛します)。
今回も最速でゲームが終わる(=10ラウンドで終わる)前提であれば6ラウンドで合計60枚。2人の個人ボードの空きスペースは54なので、10ラウンドで終わっても埋めきることは十分できる計算になります。
ただし、序盤はどうしても「カードを取る→それに合わせて経路を作る」という動きをしがちで、かつ資源も乏しいため経路は後回しになります。実際に10ラウンドで終わると経路を置ききるのは難しいです(体感ですがだいたい空きスペースが4~6くらい残ってしまいます)。
なお、得点行動としての経路配置ですが、実際には必要な資源も終了時得点になるため、単純に2点行動とは言えず、実際には以下のようになります(簡素化のために木材と粘土は1/3点で計算しています)。
小道:2/3点行動(空き埋め1点+配置0点) - (粘土1個1/3点)
道路:1点行動 (空き埋め1点+配置1点) - (レンガ1個1点)
線路:2/3点行動(空き埋め1点+配置1点) - (鉄1個1点+木1個1/3点)
水路:マイナス1/3点行動(空き埋め1点+配置1点+粘土2個2/3点) - (3ターラー3点)
水路をただ作るだけだと得点が下がります(2粘土が返ってくるので資源獲得の手番を圧縮できたと考えればもう少し価値はありそうですが)。単純に得点効率だけなら一番優秀なのは道路となります。
線路と水路は高価で配置制限も苦しい分、カードの隣接条件に登場する機会が多く設計されている印象です。
反対に手軽に配置できる小道は、カードを囲うのに使った数に応じて効果が弱まったり、そもそも起動しなくなるものもあります。
資源のこと
この手の(というかウヴェの重い)ゲームによくありがちなのが、非対称なものとして用意された資源がそれぞれどこで必要になるかよくわからない問題です。本作でもしっかり用意されているので、各資源の用途をふんわり知っておくだけでも「4木と4粘土はどっちを優先すべきか」などが見えやすくなると思います。
また、現在の盤面から囲いやすいカードがある場合に、囲ったはいいけれど優先度の低い資源でいっぱいになってしまったり、別の用途がある資源を変換元として勝利点トークンにしてしまって本来の用途に充てられなくなることもよく起こり得ます。資源どうしの相性を知っておくと多少なりともそのような事態を防げそうです。
木材
(用途)
【単体】橋の建設(1木→1橋)
【複合】線路の配置(1木+1鉄→1線路)
カードのコスト
上級資源への変換(1木+1鉱石+1粘土+2ターラー→1鉄+1レンガ)
木材はゲームを通して(おそらく)一番出入りの多い資源です。序盤は緑のカードのコストとして要求されることが多く、毎ラウンド1回の無料上級資源変換のためにも所持数が0になるのは避けたいです。
木材の初期所持数は0なので、(最初に木材なしで取れて、軸になりうるカードがない限り)1ラウンド目の初手は4木材を踏みたくなります。
中盤以降は橋を建設してカードを2回起動することや、建造物が鉄道を引くことを要求する場合など、木材の活躍の場はあり続けます。大量の木材をくれる効果の建造物を使ってでもいない限り、木材が余って仕方なくなる事態にはなりにくいと思います。
逆にカードで、木材を変換元として要求してくるものは、よほど潤沢に木材を集める手段がない限りはなかなかうまく回りません。
粘土
(用途)
【単体】小道の配置(1粘土→1小道)
【複合】カードのコスト
上級資源への変換(1木+1鉱石+1粘土+2ターラー→1鉄+1レンガ)
粘土も序盤の緑のカードのコストとして要求されることが多く、毎ラウンド1回の無料上級資源変換のためにも所持数が0になるのは避けたいです。
また、粘土は基本資源の中で唯一、それ単体で経路の配置に使える資源です。基本資源はワーカーで直接獲得できるのに対し、上級資源はカードの効果や変換を介さないと得られません。元手がない状態から道路(1レンガ)や鉄道(1鉄+1木)を配置するのは大変です。粘土は入手もしやすいため、カードの周囲を手軽に囲うのに役に立ちます。
また、運河を配置した時の副産物として粘土を得られるのも特徴です。このゲームでは運河を要求する建造物がそれなりに多くあるため、6ターラーで運河を2本引き、もらった4粘土があふれてしまうことも割とよく見ます。
運河をがんばる方針にした場合、粘土の行く先(小道にするか、建造物効果の変換元にするかetc)ができていることが好ましいです。変換元に出来ない場合でも、せめて小道を嫌う建造物をあまり取らないようにできるのが好ましいです。この辺はめくり次第ですが。
鉱石
(用途)
【単体】なし
【複合】上級資源への変換(1木+1鉱石+1粘土+2ターラー→1鉄+1レンガ)
鉱石は全資源中唯一、カードの獲得に要求されない資源です。経路の配置にも使いません。そのため鉱石は、序盤においては毎ラウンド1回の無料上級資源変換のためにのみ存在していると言える資源です。
(余談ですが、グラスロードの珪砂も似た性質を持っている資源だといえるかもしれません。珪砂は水、炭、飯とは異なり、カードプレイ時に支払う資源として要求されません。また建物タイルのコストにもなりません。一部の変換建物を持つ場合を除き、純然たるガラスの材料として、あるいは1個0.5点の資源として存在していました。)
序盤のアクションでどの基本資源を取るかを考えると、鉱石の優先順位は木材や粘土よりも低くなりがちです。が、鉱石所持数を0にしてしまい、必要な鉄とレンガへの変換が止まってしまうことがしばしば起こります。ないがしろにしすぎないよう気を付けましょう。
単体での用途がない鉱石は、カードの効果の中にある「特定の資源を支払って別の資源や得点に変換する」の変換元として、他の資源より要求される頻度が多い印象です(※数えてないのであくまでも主観です)。
この変換元に鉱石を指定するカードがあるデッキにおいては、鉱石が得られる効果のカードもそれなりにあります(※数えてないです)。
このとき気を付けるべきは両者のバランスです。供給だけが多くても鉱石は手元でだぶつき(ここで単体用途がないのが効いてきます)、消費だけが多いと変換系カードの効果を十分に得られない(あるいは鉱石のために余計な手番を要する)ことになりがちです。
裏を返すと、相手が鉱石系のカードの共有と消費をバランスよくとっている状態にさせてはいけないということにもなります。
レンガ
(用途)
【単体】道路の配置(1レンガ→1道路)
【複合】カードのコスト
レンガは上級資源で、単体で道路を引くのに使えます。また、鉄ともども強めの効果を持つカードで要求されることが多い印象です。
道路はどこにでも配置でき、道路の配置自体を行う機会も多いため(カード+1小道or道路、3(小道or道路)、1橋+1道+1小道)、レンガを使用する機会は多いと言えます。
また、カードの中には変換元にレンガを要求するもの(だいたい効果は強い)があります。このカードを使いたい場合、配置条件として道路を要求するカードとは(そのカードがよほどのレンガをくれない限りは)相性があまりよくないです。レンガの用意を基本資源からの変換で行う場合、その副産物である鉄を使って線路を引けるとよいかもしれません。
鉄
(用途)
【単体】なし
【複合】線路の配置(1鉄+1木→1線路)
カードのコスト
鉄も上級資源ですが、レンガとは異なり単体で経路を配置するのには使えません。さらに、線路の配置についても
・すべて最初の線路からひとかたまりでなければならない
・線路の配置は1ラウンドに最大1人、2本までしか行えない
(1手の経路配置での消費量はレンガよりも少なくなりやすい)
という配置制限があるため、レンガに比べて貯まりがちに思います。そのぶんカードのコストとして鉄を使用する機会は多いかもしれません。
レンガ同様、カードの中には変換元に鉄を要求するもの(だいたい効果は強い)があります。このカードを使いたい場合、配置条件として線路を要求するカードとは(そのカードがよほどの鉄をくれない限りは)相性があまりよくないです。
また、線路(と運河)の配置は1ラウンドに最大1人、2本までしか行えないことを念頭に置くと、ゲーム終了時までに1人のプレイヤーが配置できる(線路+運河)の数はがんばって合計10本前後になります。なので、線路を多く配置する予定でカードを取った場合、運河も多く配置する必要があるカードとの両立は困難と考えたほうがよいでしょう。
ターラー
(用途)
【単体】N個持っている基本資源を、1個(N+1)ターラーで買う
運河の配置(3ターラー→1運河+2粘土)
【複合】カードのコスト
上級資源への変換(1木+1鉱石+1粘土+2ターラー→1鉄+1レンガ)
ターラー(お金)は厳密には資源ではないですが、他の資源と組み合わせて使用することが多いので、資源と合わせて書きます。
ターラーの大きな特徴は1個1点でありながら所持上限がないことと、アクションの支払いに使えることです。あふれる心配をする必要がないのはとても気が楽です。
勝利点トークンも1個1点で所持上限がありませんが、トークンを何かのコストとして支払うことは原則としてできません(一部のカードの効果を除く)。
トークンは流動性が低いため、ターラーと同じ1点の価値を持ちながらも、報酬の設定等での価値は1ターラー>1勝利点トークンとなっていることが多いようです。
ターラーといえば運河のコストのイメージが強いですが、それと同様に大事なのが、基本資源購入や、上級資源変換のフリーアクションです。特に木材0個から1ターラーで橋を架けるための木材購入や、粘土0個から1ターラーで小道を配置するための粘土購入は非常によく使います。
このゲームはだいたい25~30手番で終わるため、資源が1だけ足りないときに資源の獲得に1手を割くのは得策でないことが多いです。反対に、1手を資源獲得に割くべき場合は主に
・資源といっしょに貯まったターラーが得られる場合
・足りない資源を2個以上購入する場合(0→2でも3ターラー必要です)
・既に2個以上持っている資源を追加で1個購入する場合
あたりです。ただし、相手のキーカードをカットするために必要な資源を買う目的であれば、多少高くついてもフリーアクションで手番を圧縮したほうがいい場合もあります。
運河の配置コストとしてのターラーも見ていきましょう。運河(と線路)もまた、配置は1ラウンドに最大1人、2本までしか行えないことを念頭に置くと、ゲーム終了時までに1人のプレイヤーが配置できる(線路+運河)の数はがんばって合計10本前後になります。
鉄道に絡むカードを多少使うと仮定し、運河を8本配置しようとすると24ターラー必要になります。これらをすべてワーカースペースに定期的に置かれるもので賄う場合を考えてみましょう。毎ラウンド補充されるターラーは必ず4~6の間で、資源スペースが使われがちな序盤は4~5ターラー、カードや経路や橋の設置が使われがちな中盤以降は5~6ターラーです。10ラウンドでざっくり平均すると50ターラー(実際には55ターラー前後だと思います)で、これを均等に半分ずつ得られたとして25~27ターラー。ようやく運河8~9本ぶんのコストになります。
なおこの数字は建造物の獲得コストや、前述のフリーアクションのぶんは全く考慮に入れていません。運河をここまで伸ばす場合には、ターラーを得られる建造物がないと厳しいです。
また、ターラーを得るための建物そのものが運河と接することを要求する場合、その本数が多くなるほど起動タイミングが遅くなります(運河1|2|3本と接することが必要なら、最速で1|2|3ラウンド目に起動できる感覚)。起動コストが重すぎるカードをあまり序盤のあてにしないということも大事です。
なんだか「最終的に大事なのはお金だよ」という話になってしまったような気もします。。実際ターラーは大事なのですが。
ということでまたしても思いのほか長くなりすぎてしまいました。今回も長くなったのでここで中断します。次はオラニエンブルガー運河をオラニエンブルガー運河たらしめている要素である「橋」のことを書こうかなと思います。
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