9月14日(木)~9月20日(水)

9月14日
通勤中の電車内で仕事をサボろうと思い立ち(前夜残業の疲労もあり)、アップリンクのファスビンダー特集で上映されている『マリア・ブラウンの結婚』見に行く。爆撃で始まり爆発で終わる映画だった。例えば戦争は自然に起こることではないが、個人の意志でどうにかなるものでもない、と普通は考える。冒頭の爆撃と最後の爆発は全く違うように思える(ましてや最後に関しては登場人物の意志も不明瞭だ)。だが、果たしてそうなのか(と本作は問いかける)。運命と個人の意志、偶然と人為とはなんなのかと考えさせられるのだ。冒頭の場面に象徴される結婚=契約をめぐる滑稽さと真摯さの入り混じった様相にも打たれる。「不幸な人には幸せな人が無分別に見える」。劇場は老若男女でほぼ満席だった。映画を見終わった後、行きつけの店で飲む。数日遅れながら、チリワインでチリクーデターで亡くなった人を悼む。『水俣病闘争史』を読み、水俣病闘争終結からこちらも50年であることを知る。

9月15日
午前中から午後にかけて打ち合わせ。職場の賃金体系をめぐる困難な議論をする。相変わらず頭は働かず、同僚たちに任せる。昼過ぎにジャズ流れるラーメン屋でニンニクたくさん入れた拉麺食べる。なるべく毎日納豆やニンニクを食べるようにしてから体調がよくなってる気はする。事務所に戻り、普段から坐禅を組んでいて仏教に詳しい同僚と禅について話す。曹洞宗の成り立ちから、すごい禅僧についていろいろと教えてもらう。坐禅は禁欲ではない、むしろ逆だという話がおもしろかった。道元と井上貫道を薦められる。自分はどちらかというと暴力や社会変革に結びつく宗教としての仏教にしか関心を持ってなかったので新鮮だった。

9月16日
月1の移動支援の仕事。「飢餓ゲー社会」の教祖と久しぶりに話す。普段彼のツイートはミュートしている。とりあえず飢餓撲滅に向けてお互い頑張ろうと誓う。

9月17日
懇意にしている商店街の会長に誘われて祭りの手伝いに参加する。背中に平和会というロゴが入った青色の法被を着て街を練り歩く。ダサい。大島渚『御法度』の新選組の衣装みたいなのがいい(実際の新選組の衣装とは違い、黒を基調としたシックなものなのだ)。僕の役目は神輿の警備と交通整理。意外に大変で疲れる。通過地点の神社には地域選出の右派系区議の姿もあった。とはいえ、祭りの手伝いはしていなかった。一般的に祭りは右派のものだと言われる(?)。そこに左派が食い込むことの意義を考える。神輿を担げる左派であるべきなのか否か、という葛藤……(?)。左派系の区議がひとり祭りを手伝っていた。

9月18日
縦になれない日。なにひとつめでたくないが、祭りでもらった赤飯を食べる。

9月19日
仕事後、友好関係にある組合の争議に頭数のひとりとして参加する。場所は『耳をすませば』の舞台の地。争議後、参加していたアナキストがタバコを巻いてくれる。

9月20日
1年ぶりくらいに会う友人含めて数人で飲む。場所は高円寺にあるアナキストの溜まり場だという店。買い損ねていた『福音と世界』2023年9月号特集「反日」をもらう。

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