その77

・リコリス・リコイル(以下リコリコ)を完走した。リアタイで深夜アニメを完走したのはかなり久々であり、前は「神様になった日」だろうか。今期も、「Extreme Hearts」「プリマドール」「Engage Kiss」などは観たいと思っていたが、リアタイで完走できたのは結局リコリコだけだった。

・リコリコのあらすじを大雑把に書く。
日本の他国に比べた驚異的な治安の良さは、リコリスという孤児の少女たちが犯罪者となりそうな人を闇で葬っているためである。リコリスであった井ノ上たきなは任務中のある行動が原因で喫茶リコリコで働く、実質的な左遷をされてしまう。しかし、リコリコで出会った常人離れした身体能力を持つ錦木千束と出会い……。

・個人的な評価としては、序盤の造りが綺麗すぎた故に、そのハードルを超える終わり方とならなかったという感じである。私はハッピーエンド、バッドエンドに拘らず、締め方が美しいか、が評価の6割くらいを占めていると言っても過言ではないので、終わり方が個人的には微妙であった本作はあまり高く評価できなかった。以下ではネタバレ含む感想を書く。

・(以下ネタバレ含む)






・1〜4話は文句の付け所がない。ここまで綺麗な入り方はそうそうみれないだろう。まあ何が起きても最後まで見てやるか、くらいの面白さがここまではあった。

・5〜8話は…百合パート?真島を適度に登場させつつちさたきの親愛度上げ。黒幕は吉松っぽいな〜というところも7話で明かされる。

・9話。千束がさらわれた、と思ったら心臓アニメ開幕。主要人物の生命活動に不可欠なところに大いなる秘密がある…という流れに「神様になった日」を彷彿とし少し嫌な予感がするが、失敗したあちらと違い、寿命を縮めてしまったこちらではバディものとしてどう変化を見せるかを楽しむことができると感じた。あと、終わり方が良い。雪の中で別れる様子は良い構図である。

・10〜11話。大きな進展はないが、情報開示として必要な回。DAやリコリスに対する真島の問題提起とそれに対する千束の回答などが提示される。しかしながら、11話の終わりで窓から飛び込むたきなには流石に困惑してしまった。高所の窓を割ったら気圧は?とかいろいろ考えてしまった。そんなこと言ったら千束と真島の能力もだろ!という意見もあるかもしれないが、個人の持つ特殊能力は「そういうもの」だが、その上での世界は現実をベースにしているのだからそこは現実を無視しないでほしい。

・12話。千束&たきなvs真島、第一部完。vs吉松、ロボ太退場、スーパーハカーすごい。スーパーハカーのくだりがかなりガバいな〜と感じた。まあこれは許容範囲内だが、千束が吉松を殺さないという選択をしたことに重要性を感じた。

・13話。千束vs真島、第二部。真島「俺は弱いやつの味方なんだ」←は?。真島の主張はところどころで明かされていたが全貌が見えず、良い悪役としての理論を提示してくれるのかと思いきや、ただの逆張りコウモリである。真島には良い悪役、ラスボスとしての格を期待していただけに、かなりここはがっかりした。千束と真島の主張がぶつかっているということで結局2人は戦うことになるが、千束は自分の主張を貫き通したかというとそうでもない。結局ラストに延空木から真島を落として、助けていない。「悪人であっても不殺」という千束の思想を貫き通せていないのだ。千束が真島だけは殺さなくてはいけないと考えるほど真島への負の感情が強いとも思えない。
ミカが吉松を殺したところ周辺もあまり納得がいっていない。千束は自分の命をなげうってでも吉松を殺さないという選択をしたにも関わらず、ミカが殺したことで千束は命が助かったとはいえ、自身の信念、選択をミカに蔑ろにされているのだ。それによる軋轢は全く表現されていない。自身の観察が甘いのかもしれないが、千束がなぜ自分が生きているのか、ということについて深く考えている描写もない。2期などで描写されるのかもしれないが。
2期で残る伏線を回収できそうだが、真島のキャラクターはもう修復不可能である。「一番面白い」アニメになることは不可能だろう。

・好きな音楽の話

花の塔 :さユり
リコリス・リコイルのEDテーマ曲である。
イントロの入りが良く、映像の締めと重ねやすい。そのため、アニメの邪魔をしない良いEDである。
「歌って聴かせてこの話の続き」のところでの高音が心地よく、最後にイントロと同じフレーズできっちり締めることでメリハリがつく。かなり好きな音楽である。

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