その73

・殻ノ少女シリーズが終わったため積んでいた金色ラブリッチェに手を出したが、キツい。シナリオライターが金持ちにも天才にも解像度が低いとか学園の設定が全体的にツッコミどころが多いとかを除いてもキツい。この現象は一部のシナリオを除いて多くに言えることなのだが、私はこのような作品の一部が「ラブコメ」と称されることが多いため「『ラブコメ』が苦手」と言うことが多い。

・では、私の定義する『ラブコメ』とは何か。これは、男女(女女でも同じである)の恋情を主体に展開するもの全般で、特にギャグ要素が増えるほど完走が難しくなる。恋情ではないものが主体に近づくほど容易に読めるようになるし、そのような作品を面白いと感じやすい。

・私はまともな恋愛などしたことはないが、恋情というものは最も強い感情ではないと考えている。私は恋情の先にある(と私が考えている)、依存、偏執、破壊衝動、嫉妬等、一般に言われる『歪んだ』感情の動きが好みであるようだ。
つまり、友情→恋情→上記の感情とするならば最初の友情→恋情で終わってしまう作品は、私にとってサラダとスープで終わってしまうコース料理のようなもので、非常に物足りなく感じる(ここでの友情は恋情の前段階としての感情を表現したものであり、男女の友情は成立しない等の主張をしたいわけではない)。さらに言えば、そこだけで終わってしまうのみならず非本質的なギャグ等が長いと、話の進みが遅いことに苛立ちさえ感じてしまう。物語に対して、かなりせっかちな性分なのだ。

・面白さを感じることができない要因として、キャラクターに共感できないということが挙げられるだろう。繊細な感情の機微に面白味が感じられず、激情やそれに伴う行動に面白味を感じる、つまり味音痴ということだ。味の薄いものを食べて良し悪しを感じることができないため、極端に味の濃いものを好む、バカ舌ということである。物語となっている時点でかなり濃いめに作られていると思うのだが、それすら知覚できないのか、それともそれが濃すぎるのか(共感性羞恥)。しかし、世の中(特にアニメ業界やデジタル紙芝居業界)はこんなマイノリティのことなど誰も気にかけてはいない。好きな作品を探すのも一苦労である。

・好きな音楽の話
Philosophyz (Rewrite)
Rewriteは前半の共通ルートが冗長なところもあるが、私のお気に入りの作品の1つである。OPは作品を表すという格言もあるように、この曲にはRewriteというストーリーが詰まっている。
曲の話をすると、「生きていく意味を ここで探すなら 誰も悪を望みはしない」「今この腕に流れる赤い血があるなら」という歌詞がすごい良い。意味があって。
Rewriteはファンディスクで(R18はないが)あまあまアフターを楽しむことができる。やはりRewriteのキャラでは小鳥に幸せになってほしい。名雪のような立ち位置ではあるが。

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