「ノンフィクションが甘くて」

フィクションにあこがれすぎて
いつしかあれが
本物のような気がしていた
気がしていたのかも
気がつかないくらいに
ずっと適温適遮にしずんでた
そうしていれば
そのままでいられると思って
そうしていれば
そうなれると思っていたし
そうしていれば
また、もとに戻ると思っていた

いつまでも
コーヒーはおいしかったし
あんまりかな…っていうコーヒーは
そのままあんまりだった

知らなかったけれど
もとになんて戻るわけがなくて
そもそも
戻らないのだから
戻るわけがない
あったままで、あったまま
せいぜいそこから進むくらい

いつだって
3階くらいの、そのくらいの
ちいさなベランダから
なぜか外をながめているような
そういうときで
とまってしまっていたのは
勝手な話で
それは、フィクションなのにね…?
知らなかったではすまされなくて
知らなかったから
ただそれだけのことに
吐くほどなきそうで
吐きもなきもしなかった

タバコを吸うのは
生きている気がするから
息している気がするから
なんてことも思っていないよ

全身全霊
かけたことなんてないけれど
僕には47%でしか
なせないのです

フィクションにあこがれすぎたから


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