其の参・『ヨドバシは突然に』

1.最近辞めたこと

福島県郡山市を中心に撮影とコーチング・SNS代行でご飯を食べているカメラマンです。
noteを初めてゲームの課金生活を引退した朔丸です。
ゲームで課金をしても満たされていないことに気づき、その時間を学びの時間に変換することにしました。限られた時間を自分への投資の時間に使う方が、本来の自分の喜びであることを今更に思い出した次第です。お金と時間は、自分に投資しましょう！

今回も引き続き連続ブログ実録
「会いに来るカメラマン：朔丸」（コーヒーはブラック無糖一辺倒）ができるまでを赤裸々に。

2.朔丸ができるまで・其の参・『ヨドバシは突然に』

長年の500円玉コレクションを進化させた大金を小脇に、男は郡山駅前に悠然と構えるヨドバシさんの虎ノ門をくぐった。
整然と、ずらりと、山ほどに並び迫ってくる無数のカメラ達。

さぁ、君はどれを手に取るんだい？
一眼？コンデジ？ライカ？逝っちゃう？
キヤノン？ニコン？ソニー？パナソニック？オリンパス？
フジフィルム？ペンタックス？情報に飲み込まれ未だ無知。

初めて女性に声をかける思春期の少年のように、心から震え、そそり立っていた。
お小遣い制（減俸あり）の零細名ばかり管理職がなんの知識も無く踏み入って、食い殺される世界というくらいの下調べはあった。

コンデジじゃダメなの？
どうせ分かんねべ？映れば良いんだべ？
写真やってます的なそれっぽいのだったらなんでも良いんだべ？
こだわりなんてないんでしょ？見た目でしょ？

nonnnonnnonn(=ↀωↀ=)✧

実はね、僕は決めていたんですYO!
なんと無くですよ。直感で。

キヤノンですよ。

ベタか〜〜い！

僕はね、記憶してるんですよ。あの方が使っているカメラを。
知ってるんですよ。写真を全く知らない（エロ以外）僕が唯一知っている写真家さん。

篠山紀信 さんが使っていたんですよ。
情熱大陸 で！Canonを。（ググって調べました）
それだけです。だってそれしか知らないんですもの。

どうせ買うんなら安くて長く使えるものが欲しいし、いろいろ楽しみたいんですよ。レンズ交換式なら、色々レンズ変えて遊べるんでしょ？
じゃあ〜レンズ交換式でしょ！よし、それを探そう！
実はねカメラじゃなくてレンズを先に決めてたんですよ。

白いやつ！！篠山紀信さんが使ってたから。かっこよかったから。というわけで、店員さんと答え合わせをするわけです。

「篠山紀信さんが使ってるカメラってどれですか？」
「あと、白くて人を撮るのにちょうど良いレンズってどれですか？可愛い息子と妻を撮りたいんですよ〜」

小金持っちゃって調子こいたサラリーマン。
ど素人満点の何も知らないだろうに満ちた、ただのお父さん（事実）が一丁前に気取るわけです。きっとね、内心どうせ買わないんでしょ的な感じで教えてくれるわけですよ。

ヨドバシの店員さんはね、丁寧だからどんなポンコツにも
親切に教えてくれるわけですよ。
「きっと、これとこれあたりですね！」って見せてくれたのが。。。。

そうです、情熱大陸で篠山紀信さんが愛用していると言っていた
Canon1DとEF70-200F2.8です。

　「おぉ〜〜でか！！重っ！！」
「そうですね、キヤノンのフラッグシップですからね〜」
　「ふらっぐしっぷ？」
「一番ガチなやつです」
　「ヘェ〜ですよね〜〜で、で、おいくらですか？」
「これとこれと、フラッシュメモリーとか〜フィルターとか〜予備のバッテリーとか〜あれとこれも必要だとすると、
大体100万円〜くらいかな〜ですね〜」
（注）それでも今よりだいぶ安価です。感覚で1.5倍くらい値上がりになっています。

　「ちょっ、待っ、・・・え？カメラとレンズ一本で？」
「そうですね、キヤノンの大三元とフルサイズのフラッグシップですからね〜写真は趣味でやっているんですか？」
　「だいさんげん？？ふるさいず？？・・・・・
・・・えっと、はいこれから・・・やってみようかなぁーってなぁーってね・・・」（フリーズ）
「ここまで要りますか？」（引導を渡す）
　「いらないですよね〜たぶん〜」（滝汗）

チ〜〜〜ンฅ(≚ᄌ≚)

一瞬で予算オーバですよ。山本KIDの膝で一撃KOですよ。
数字ポンコツ男子でもわかる無理ゲー感。PCも買わなきゃいけないのにね。

それっぽっちの小金で、一丁前の道具揃えられる気になっちゃったかい？
田舎モンの勇み足に、鮮烈なジェロムレバンナの左カウンターが鮮やかに入るわけです。ほっぺの赤い田舎者が、お年玉を持って
挙動不審で銀座を、、、鼻水垂らしながら、何もできずに途方に暮れる如く。竹槍を持って、黒船に立ち向かう足軽の如く。

あ〜〜やばい！引け〜〜引け引け〜〜い！！
いっかい戦略練り直すべっ！作戦変更！

秘策！！
いかにも、俺ちゃんと買いますから的に！ヨドバシ中のカメラとPCのカタログを、片っ端から集めてから勇気ある撤退！必勝ハチマキ巻いて、赤本と参考書を積み重ねる受験生の如く。（受験勉強経験なし）

男の両手に感じる無知の重み、ヨドバシさんの袋に、みっしりムキになって詰め込んだ各社ありとあらゆるパンフレットの無知の厚み！パンパンの両手の袋を隠れ蓑に。スレっ〜と、まるで、さも俺買っちゃいました〜みたいな、涼しくない、したり顔で。ヨドバシを後にする冷や汗の男の背中は少し猫背だった。

ヨドバシカメラは僕の陳腐な本気モードを
軽々と振り払った。

memento mori（負けないぞへのパスワード）

カメラはまだ誰のものでもありません。
パソコンはまだ、インターネット？て要る？な感じに右往左往。

写道家への道はまだ遠い

写真：朔丸

Please wait for the next series….