【夢うつつ絵本】 たまごの見た夢13p
「楽しい夢ばかりだったらいいのに」
最後の王様がそう言いました。
「君はどんな夢を見たんだい? 楽しい夢じゃなかったの?」
「僕は夢の中を歪んだ風が通るんだ」
「歪んだ風って? それが通ったらどうなるの?」
「一瞬で変わっちゃう。大好きな人が遠くへ行っちゃったり、取り返しのつかない失敗をしちゃたり……」
「そりゃ悪夢だね……」
そうなんだ、と最後の王様がため息をついた瞬間、王様達の間を一筋の風が吹き抜けました。
それは神の言葉を乗せた風。
神は風や波、雷の様な形の無い物に乗ってやってくるのでした。
つづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?