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年間ベストアルバム 2020年

今年は、3月から一気にワープしてきたような不思議な年だったので、いろいろな音楽に出会えなかったのが正直なところです。加えて、フジロックでThe Strokes を見に行く気満々だったし、コーチェラ配信でFrank Ocean を見るのをめちゃくちゃ楽しみにしていたのにイベントが根こそぎ無くなり、生きる活力をライブから得られない1年でした。

例年、個人的な年間ベストアルバムを書いているので、今年も自分の中のベストアルバムをまとめておきます。洋楽も邦楽もごちゃまぜですが、何年か先の振り返りのためにも書いておきます。

10.The Strokes 『The New Abnormal』

The Strokes は世界で一番好きなバンドで、自分の音楽アイデンティティを形作ったといってもいいくらい自分に影響を与えたバンドです。学生時代にはThe Strokes のコピーバンドをやっていました。

そんなThe Strokes ですが、今作は不思議なアルバムでした。初期の感じもありつつ、2010年代以降のThe Strokes が良い感じに溶け合っていて、楽しめました。しかし、Is This It から First Impression~までが好きだなと改めて思いました。今年のフジロックで来日予定だったので、行く気満々でしたが、コロナ禍の影響で来年に持ち越しになりました。

2021は絶対ストロークスを見にフジロックへ行くぞ!!


9.Chassol 『Ludi』

Chassol はずっと追いかけてる人なので、今作も楽しみにしてました!

フランスの方で、映像を撮って、その中のフィールドサウンドや声を元に音楽を作っていくという珍しい作り方をする人です。今作は東京ドームシティのジェットコースターが、映像としても成り立っていて嬉しかった。さらに日本語をサンプリングした曲もあって、数字を言ってるだけなんだけどぶち上がりました。相変わらず曲もキレキレで、良かったです。映像と一緒の方が絶対楽しめるので動画と見てみてください。


8.Julianna Barwick『Healing Is A Miracle』

なんとなくアンビエント系が聞きたいなーとディグってるときに出会ったアルバム。ほんとに意識が昇天しちゃうんじゃないかと思うくらい荘厳でいて温かみもあって、絶景の海で朝日を迎えているようなアルバムです。
川の土手で黄昏ながらこのアルバム聞いてたんですが、涙が出そうになるくらい感動しました。ほんとに癒されるし、自分の意識と肉体が分離していくような不思議な気持ちになれるアルバムでした。この声は一体どこから出てるんだろう。


7.XTAL 『Aburelu』

出音が気持ちよくて、アルバムビジュアルの澄み切った水が頭の中に溢れてくるような楽曲群。こういう曲をしっかり聞いてこなかったので、どう表現すればよいのかわからないんですが、自分の思考がすっきりしてくるようでいて、活力ももらえるような、エンパワーされる曲ばかりでした。
仕事をしているときにしっくりくるアルバムで、作業するときなんかによく聞いています。アルバム全体がすごく綺麗にまとまっていて、アルバム通して聴くのが一番良い楽しみ方だと思う。


6.Mei Ehara『Ampersands』

前作の『sway』もめちゃくちゃ良かったけど、今作もすごくよかったです。すでにクラシカルで、80年代くらいのJ-POPを聞いてるようだけど、現代的な音でもあるし、歌声が懐かしいような真新しいような不思議な透き通った魅力が溢れていて素晴らしい。
前作はわりとキセルぽさが溢れてましたが、今作はギターの重ね方だったり、エフェクトのかけ方だったりアレンジが気持ち良くてバンドサウンドとしてもめっちゃ楽しめました。アルバムビジュアルもめちゃくちゃかわいい。


5.Lianne La Havas 『Lianne La Havas』

個人的には前作の現代的なサウンドとリアンさんの歌声が融合している方が好きだけど、今作は生のバンドサウンドにこだわっている感じで、バンドでの一発録りのような音のまとまりとリアンさんの歌声が素晴らしい。特にSoul Flower の最後のハンドクラップで終わっていくところとか気持ち良い。Radiohead 「Weird Fishes」のカバーは痺れました。リアンさんは断然ライブの方がカッコいいので、いつか生で見てみたい。


4.Takuya Kuroda 『Fly Moon Die Soon』

黒田さんのアルバムビジュアルは毎回おもろい。前作もそうだったけど、失礼ながらちょっと笑っちゃいます。

曲の疾走感が気持ちいい上に、リズムがいくつも並走して複層しつつ、そこに煌びやかなトランペット・サックスなどのメロディが乗ってくるタイミングにほんとぶちあがります。今作は特に感じましたが、ドラムの音がタイトで手数が多く気持ちいいところにトランペットがゴリゴリにのってくるのが最高でした。「ABC」が大好きです。


3.Dirty Projectors 『5Eps』

メンバーそれぞれが曲を作って楽曲それぞれ気色の違うアルバムとなっている。アルバムというよりは、楽曲群といった方がいいのかな。
個人的には、「Lose Your Love」と「Eyes On The Road」が凄く好き。結構わかりやすいポップだけど、コーラスの入れ方とかが気持ちよくて、良い感じにひねりの効いたDirty Projectors らしいポップアルバムと感じた。
というかほんとにボーカルごとにアルバムとしてのまとまりは無いけども、バラエティに富んで楽しい。


2.Moses Sumney 『græ』

Gifted といってもいいような歌声で、ほんとに歌声のレンジの広さやビブラートが凄まじい、もちろん楽曲も素晴らしかった。

アルバム通して、静謐だけれど、その奥では物凄い高音の炎が燃えているような、そういうグググッとゆっくり持ち上がっていく楽曲が多くて聞きがいがありました。すごくいいスピーカーで聞いてみたい人です。
ジョジョのキャラなんじゃないかと思うぐらい独特の世界感を持っている人で、ミュージシャンというよりは、表現者といった方がしっくりくる。MVも惹き込まれるし、Color のライブなんかカッコ良すぎて鳥肌立ちました。ここで上着脱ぐんやかっこええー!!てなりました。ほんとにこのライブ素晴らしいので見てみてください。


1.Jacob Collier 『Djesse Vol.3』

いやー、これ凄すぎます。Jacob ほんと凄い。
ソウル系のアルバムになるとはインタビューで言ってたけど、ソウルポップでありつつ、音の新しさと聞きやすさが両立していてマジで凄い。Kinbra とTank and The Bangas とコラボした「In My Bones」 がめっちゃくちゃ好きです。Spotify によれば、僕が今年一番聞いた曲だったようです。

Jacob の一つの特徴と言えば、音の多重性だと思います。本人もインタビューで、自分は音数を増やしてしまうマキシマリストだと言ってたけれども、今作はコーラスも含めて、かなり音数が少ないんですよね。「Time Alone With You」とか特にそうですが、シンプルなビートとコーラスでまとめています。Daniel Caesar の歌をベースとしながらコーラスがふわっと乗っかる感じですが、音数少ないのにグルーブを凄く感じるし、Jacob らしさも感じるので、新たな境地にいったなと感じました。アルバム通して、コラボした人のらしさを醸しつつも、Jacob サウンドに昇華していくのが凄い。

グラミー賞のアルバムオブザイヤー候補にも選ばれてて流石っす。
Djesse Vol.4も楽しみ。同時代に生きているのがほんとに嬉しいアーティストです。


まとめ

今年は多くの人にとって環境が激変したと思いますが、どんな状況であろうが、凄いものを作る人は凄いものを作るということを改めて思い知りました。

フォートナイト内でトラビススコットが巨人となってライブしたり、国内だとwonk が3DCG ライブをやったり、MIYAVI がVケット5 でバーチャルライブをやったりと今までにない面白いライブが見られた1年でもありました。オンラインライブもかなりこなれてきて、映像作品のような仕上がりで感動した中村佳穂さんのオンラインライブも凄く良かったです。

2021年の行方はまだまだわかりませんが、少しずつでもリアルライブに行ければなーと思います。

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