【観戦録】 注目の那須川天心プロ第4戦!
今回は先日のAmazonプライム興行のセミファイナルで行われた、ジョナサン・ロドリゲス(アメリカ) vs 那須川天心(日本)の観戦録を書いていきます。
対戦相手に格上WBA4位のジョナサン・ロドリゲスを迎えたこの一戦。
キックボクシングで無双し、鳴り物入りでボクシングに転向した那須川選手。
ボクシング界の次代を担う彼には、ライトな層からも注目が集まります。
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期待を大きく上回る出来でのKO勝利!
恒例のリングコール時のポーズ、今回はブルース・リーのようです。後から調べてみると、7/20はブルース・リーの命日だったそうです。
1R、那須川選手は素早いステップからジャブを放っていきます。ロドリゲス選手は那須川選手のスピードに翻弄されている印象。
那須川選手は試合序盤からこのジャブで距離感を掴むと、上下の左ストレートまで繋げます。この上下の散らしが素晴らしい。
接近した時のロドリゲス選手の左右のフックは力強いですが、那須川選手はこれを距離で外すかしっかりとブロッキングしています。
2R、序盤から那須川選手がキレキレのワンツーを放っていき、これは1Rから何度か当たっています。
中盤からはロドリゲス選手がプレッシャーをかけてきますが、那須川選手はうまくいなしてカウンターで左のショートを合わせます。
残り10秒付近、ロドリゲス選手の体が少し伸びたところに那須川選手の左ストレートがクリーンヒットし、ロドリゲス選手の膝が落ちかけますが、なんとか耐えます。
そこから那須川選手はラッシュを仕掛けますが、ロドリゲス選手、なんとかゴングに救われます。
3R、那須川選手は焦らず、このラウンドもジャブとボディストレートを軸に攻めていきます。
一方のロドリゲス選手のパンチはほぼほぼ見切られ、思い切って振って行ったパンチにもカウンターを合わされてしまうという、厳しい状況です。
そして迎えたハーフタイム付近、那須川選手の素早い踏み込みからのワンツーがクリーンヒット!ロドリゲス選手はたまらずよろけます。
相手の構えの内側、インサイドからねじ込む強烈なワンツー。井上尚弥選手のWBSS1回戦、ファン・カルロス・パヤノ戦の時のKOシーンを彷彿とさせるワンツーでした。
そこから左ボディ、アッパー、右フック、左ストレートのコンビネーションでダウンを奪います。
本人にはまだ戦う意志はありそうでしたが、セコンドがタオルを投入し、那須川選手の3R TKO勝ち!
元世界チャンピオンを1R KOした経験もある強敵相手に何もさせず終始圧倒の内容でKO勝利。
ついにきた神童の覚醒の時を思わせる試合ぶりでした。
神童の世界への道
一戦ごとの成長度合いが素晴らしく、アンチも黙らせるような衝撃KO勝利を挙げた那須川選手。
キャリア4戦ながら、ボクシングファンの間からは早くも世界挑戦を期待する声が多く聞かれます。
世界挑戦のルールについては詳しく存じ上げていないのですが、日本で世界戦を行うには何かしらのタイトル獲得が世界挑戦の条件だと聞いたことがあります。
海外でやればいいじゃないか、という意見もあるかもしれませんが、バンタム級4団体の王者全員が日本人のこの時代。そういう訳には行きません。
バンタム級では日本タイトルは同門帝拳ジムの増田陸選手が持っているため、ここの対戦はないでしょう。
本命はWBOアジア・パシフィックのタイトルでしょうか。本王座は日本の西田凌佑選手が世界戦前に返上し、空位となっています。ここでは那須川選手は1位にランクインしており、2位のブーンルン・ポーヤム(タイ)選手との王座決定戦が噂されています。
この王座決定戦に関しては特に不安材料はありませんが、一つ挙げるとするならば那須川選手は未だに一度もバンタム級リミットの53.52kgの契約での試合を経験したことがないということです。
今回は120ポンド、54.4kg契約での一戦。それでもかなり減量はきつそうに見えました。
そこからさらに1kg弱落としての試合で、今までのようなパフォーマンスが維持できるのかは一つ不安ではあります。
しかし、現在の黄金の日本ボクシングの時代においても一際異彩を放つ那須川天心選手。
彼が転向したことによりもたらされたボクシング界への影響は計り知れないでしょう。
これからの世界挑戦にも期待したいです。
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