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最近見て面白かったアニメ

「失われた未来への憧憬」

そんなイメージがよく頭をよぎる今日この頃。

Tokyo 2020してるはずが何も予測できない混沌に突入し、梅雨が明けぬまま8月を迎えようとしています。巻き込まれた人はたまったもんじゃないでしょうが、ちょっと遠目に見るととてもエモーショナルだなあ、と思います。

エモいかどうかはさておき、遠出をしたり街で時間を過ごしたりするのが憚られる空気がまた強まってしまいましたね。

今日は読んだ人の巣ごもりに役立つかもしれないアニメ集です。

「最近」の意味ですが、僕が見たのが最近なだけであって全然昔の作品も含まれます。


プロメア

一言で感想を表現するなら「気持ちいい」だ。

色使いが凄まじく絵がとにかくぐるぐる動く。炎の表現などはとても斬新。ポリゴン調が派手に動き回っているのかっこよすぎる。アニメーションの動きの気持ちの良さでたくさん快楽物質を出したい人向け。

グレンラガンは中盤まで結構退屈だなあと思うんですが、こちらは「衝撃の事実」が10~20分おきに追加され続ける異様なテンポなので退屈しませんでした。

「差別の描き方が中庸でよい」って感想を見かけたんですが、これにはやんわりとNOの札を挙げます。劇中の人間とバーニッシュの対立は丁寧に描かれているものの、その解決は脚本の勢いで押し切ったものであり、現実の種々の差別問題にあてはめられるものではない。

小難しいこと書いちゃいましたがパワフルで面白いです。

Amazon Primeに追加されるのでどうか気軽に見て。


グレートプリテンダー

テンポがすごくいい。音楽もかっこいい。色使いが結構派手。この派手さを上回ってくるプロメアなんなんだ。

キャラクターがかっこいいなと思ったら貞本義行だった。髪を伸ばしたアビーかわいい。

ローランの「普段飄々としているが切れ者」感がツボ。誰にも打ち明けられない孤独を心の奥底で感じていてほしい。彼の深堀りをするパートっぽいCase4が早く見たい。

ちなみに「法律で裁かれない悪人を私刑に処す」態度には明確に反対です。フィクションの中だけで楽しもうね。


ミッドナイトゴスペル

また色使いが派手だ。派手な色に飢えているのか。

親戚のぷーたろうおじさんが突然「俺はYoutuberとして生きていくんや!!」と叫んで40万円のMacと一眼カメラを揃え始めたらやべーなって思いますよね。そういう話です。

実在する精神科医や元死刑囚のポッドキャストを素材にするという見たことのない作りになっている。専門家が喋っているので内容が濃い。とても吸収しきれない。

ポップな見た目とは対照的に、扱われるトピックは薬物、魔術、死、解脱、瞑想、など哲学的。(正直僕は聞いてるうちの2割も理解できていないと思う。)

世俗への執着を捨てるための瞑想が「ビジネススキル」としてピックアップされて本屋に平積みされている光景が気持ち悪いと思っていたところだったので、話のラストは胸のつっかえが取れたようなスゥっとしたカタルシスがあった。マインドフルネスをしないと乗り切れない現代の歪さよ。

肉体を捨てたい人向け。


Serial experiments lain

1998年の作品。紹介する中で最も陰鬱かつ一番引き込まれた。

読んだ本に引用されていたり、ニコニコ一挙放送が盛り上がっていたりしたのですが、普通に見たことなかったので見ました。「一般教養扱いなのに知らないことが恥ずかしい」ってモチベーションで動くこともときには必要。背伸びが開く新しい見地ってありますよね。

20年以上前の作品で(それを考えても)絵としては塗りが平面的で動きがかなり固いのですが、それを補って余りあるコンセプトの尖り具合です。

スキゾ的というかリゾーム的というか、目の前の現実を揺さぶり引きはがす強さがあります。物事の境界を溶かしにかかってくるアニメを意味のまとまった文章で表現しようとするのは難しい。

これと近しい想像力が発揮されているものを挙げると攻殻機動隊、マトリックス、ファイトクラブあたりだろうか。

インターネット、自他境界、虚構と現実、サイバーパンク、クラブカルチャー、ドラッグカルチャー、ナノテクノロジー、サイバネティクス、脱コード化。このあたりのキーワードに惹かれるものがある人は見てほしい。(1ミリもピンと来ない人が見ると難解で暗いだけで微塵も楽しくかもしれない)

肉体を捨てたい人向け。

アングラな情報が集まる場のアイコンとしても機能しているらしい。



まとめているうちに派手な色使いに惹かれる傾向があることにきづきました。

紹介した4つ中3つでドラッグが登場するのはきっと偶然。

肉体を捨てたい人向けが半数なのも偶然です。

見た人の感想が聞いてみたいので気軽に話しかけてください。

それでは。


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