限りなく透明に近いブルー 新装版/村上龍
この物語が事実に基づいたものなのか、フィクションなのかは正直分からないし、個人的にはどうでもいい。自分には絶対訪れないだろう世界が作品の中には広がっていた。格好良いとも思わないし、経験したいとも思わない。
読む人によっては嫌悪感を覚えるだろう。
自分はまさにそれだ。
けれど、同時に物語の登場人物達の未来に希望があってほしいとも思う。
もし、過剰に物語が展開されていたら、そうは思わなかっただろう。主人公・リュウの何処か空虚で、乾いた視点から描かれているからこそ、この物語にそう思えるのだと思う。
この作品を読もうとベッド横に積んである中から取ったのは2023年12月5日の朝。
理由は本当に覚えていなくて、ページ数が少ないからかもしれないし、テレビか動画で龍さんを見ていたからかもしれない。
その日にチバユウスケの訃報を聞いた。
読んでいる間、ミッシェルのリリィが頭に流れていた。
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