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限りなく透明に近いブルー 新装版/村上龍

米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながら
ドラッグとセックスと嬌声に満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく。

著者の原点であり、発表以来ベストセラーとして読み継がれてきた、永遠の文学の金字塔が新装版に!

〈群像新人賞・芥川賞受賞のデビュー作〉

限りなく透明に近いブルー 新装版より

この物語が事実に基づいたものなのか、フィクションなのかは正直分からないし、個人的にはどうでもいい。自分には絶対訪れないだろう世界が作品の中には広がっていた。格好良いとも思わないし、経験したいとも思わない。

読む人によっては嫌悪感を覚えるだろう。
自分はまさにそれだ。

けれど、同時に物語の登場人物達の未来に希望があってほしいとも思う。

もし、過剰に物語が展開されていたら、そうは思わなかっただろう。主人公・リュウの何処か空虚で、乾いた視点から描かれているからこそ、この物語にそう思えるのだと思う。

この作品を読もうとベッド横に積んである中から取ったのは2023年12月5日の朝。

理由は本当に覚えていなくて、ページ数が少ないからかもしれないし、テレビか動画で龍さんを見ていたからかもしれない。

その日にチバユウスケの訃報を聞いた。
読んでいる間、ミッシェルのリリィが頭に流れていた。

晴れたらソファで何を見ようか リリィ
雨ならシャボンにくるまれたいね リリィ

リリィ/ THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

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