174日目(2023/08/21・月)

高校野球で学ぶ経営者責任

本日は、鹿児島県代表の神村学園が仙台育英高校相手に決勝進出をかけて戦いました。
1回の攻防は両校ともにストライクゾーンが横長であり、しかし、さっきはストライクと宣告した位置より内側に投げてもボールと宣告している事が数回あり、ピッチャーもバッターも呆れ笑いする滑り出しでしたが、2回以降は多少はゾーンのブレがマシになった印象でした。不穏ですね。
では、試合経過を1番わかりやすく紹介している(と筆者は感じている)バーチャル高校野球さんのテキスト速報にて確認してみましょう。

準決勝第1試合 - バーチャル高校野球HP

3回裏の大量失点を除けば2-2で同点延長突入だったのに、残念ですね。3回以外では、両チーム3塁までランナーを進めるも堅守で阻み合う引き締まった好ゲームでした。
では、どうしてこのイニングだけ突出して4点という大量失点してしまったのでしょうか。

まず仙台育英にとって勝ち越しの1点目がコチラ!

これは…誤審ですね…
仙台育英の3塁走者がホームベースへ手を伸ばす前に、神村学園のボール入りのキャッチャーミットが走者のヘルメットにタッチして揺らしております。
誤審直後の様子もキャプチャーしたものが出回っておりました。

辛いですね。本当であれば守備のギリギリファインプレーでアウトカウント1つ取れてこのプレーでは無失点の1-1同点継続という状況であったはずなのに、神村学園としては、

  • アウトカウント1つ没収

  • 1失点で勝ち越される

  • FC(守備の乱れ)でエラー扱い

「+」要素が取り上げられたどころか、「-」要素を大量に押し付けられた形となります。この瞬間までは意識を集中して試合に入り込んだピリピリとした空気感が伝わっていたのですが、誤審後一気に切れましたね。
キャッチャーの送球は乱れるわ、変化球は上に浮くわ、ストレートは隅をつけないわでボロボロでした。
結果、一挙4失点です。悲しいですね。

得点したのも仙台育英の実力という意見は正しいですが、正確ではないです。正確に言うならば、「精彩を欠き、取り乱した相手に得点したのは仙台育英の実力です。これが正しく、そして正確な評価だと思います。

神村学園が乱れなければ仙台育英とギリギリのところで競り合うだけの力があることは、その後の4回以降のスコア、それからテキスト速報が証明してくれています。
双方得点チャンスを作り合うも、もぎ取れたのは互いに1点のみで、その他は堅守で阻み合っているんですね。
盗塁に関しては、仙台育英の成功率が高かったですが、その際のキャッチャーの送球は間に合わなかっただけで、方向はズレていませんでした。二塁ベースのはるか上方へ悪送球したのは誤審後直後のみです。

自分の実力が及ばなかったり、ミスをしたときには「次こそは」と気持ちを入れ替えられるでしょうが、自分ではどうにもできない領域で、しかも絶対的な判断者のミスで理不尽な結果を突き付けられた場合気持ちの入れ替えは難しいのではないでしょうか。

甲子園の審判はほぼボランティアのスタッフのようです。だから、善意の協力者を非難するなという意見もあります。それはそうかもしれません。
しかしながら、大会の運営者は批判されて然るべきでしょう。

ここで、参考として株式会社の仕組みの話を軽く紹介致します。株式会社では、役員も人間である以上、不正を行う場合がございます。そこで、上の者がどこまで責任を負うべきかという問題が生じます。
会社法上、取締役等には「善管注意義務」すなわち、善良な管理者として要求される注意義務が課されており、この義務に違反したか否かが帰責性の判断基準となります。
そして、経営者が善管注意義務に違反しなかったと言うためには、内部統制システム構築義務を遵守することが必要とされています。

すなわち、簡単な言い方をすると、違反しないように監視するような体制を予め用意することが、経営者に要求されているということです。

今回の誤審の問題に置き換えてみましょう。球場は甲子園ですから、阪神タイガースのリプレイ検証システムを標準搭載しております。つまり、多大な設備投資をするまでもなく、疑義のあるプレーについて検証できる環境の整備は容易であるといえます。
しかし、この簡単な誤審防止策をあえて採用しないのは高野連の判断です。したがって、高野連には検証体制を構築しなかった非があるといえます。

そして、構築しなかった結果今回のような試合を台無しにする誤審を見逃すことに繋がったのですから、審判は肉眼による目視で限界はあるということは当然ですから非難はしませんが、高野連についてはクレームを突き付けられても致し方ない立場にあるというのが道理でしょう。

消化しきれない部分もあるかもしれませんが、神村学園野球部の皆さん、見応えのあるプレーの数々を有難うございました。

以下、ただの宣伝です。 「さつまぐん文化経済研究室」という学習室事業を行います。 受験勉強その他教養、受講生の疑問に幅広くお応えします。 中学受験から大学受験、公務員試験まで自身の経験を活かします💪🐂 保護者さんに宣伝する機会がない為、 世間話で出して戴けましたら幸いです。