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実は酒好き

 ビールは好きだ。生ジョッキを、または缶ビールをグイィと飲むと、何とも気持ちいい気分になる。魂が喜んで叫んでいるのがわかる。
 日本酒も好きだ。大吟醸酒のフルーティで水の様な舌に溶け込む何とも言えぬ味わい。魂が喜んで震えている。
 それらアルコールを毎日のように飲んでいた生活から一変して全く飲まなくなってしまった。きっかけはバセドウ病で、バセドウ病だから、飲んではいけないという事ではないのだけれど、マズく感じるようになったのである。それからうつ病になって、薬とアルコールの相性がよろしくなく飲まないように医師からいわれた。既に飲んでいなかったので、素直に頷いた。
 だがバセドウ病が寛解すると、不思議なことにアルコールが恋しくなった。妻が仕事先から買って来てくれた大吟醸酒をチビチビ毎日なくなるまで数日間飲んだ。酔うほどの量は飲まないし、その分水を飲んだので、なおさら酔わない。酔うのが目的ではなく味を噛みしめるのが目的なので、これでいい。薬の支障もこの程度なら何もなかった。
 旅先で暑さのあまり、生ジョッキでビールを飲んだ。一杯だけ。その後酔わないように水を何杯も飲んだ。酔ったら薬との相乗効果?で酔っぱらってしまう恐れがあった。
 どうやらこういう生活がずっと続くらしい。薬が手放せない。試しに薬を減らしてもらったら3日でダウンした。当分は、当分てどのくらいやねん、墓場までかい、そういうことになりそうな空気である。
 それでいいのである。酔うほど飲んでも仕方がない。それで満足することにしている。

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