襖張り替え

　子供が小学生の高学年くらいになった頃、妻がいった。
「子供が大きくなって、もう襖を破くこともないでしょうから、襖紙を替えるのを業者に注文しようと思うんだけど」
　確かに我が家の襖はほうぼう破れて修繕している跡がかなりある。また破くだろうからと、上から紙を貼ったりして胡麻化していたのである。
　だがしかし待ってほしい。俺を誰だと思っているのだ。仮にもホームセンター勤めで襖紙も売っているのだ。張れないはずがないではないか。
　と、そういうわけで襖紙の張り替えを行う羽目になった。両面に襖紙が張ってある部屋と部屋の仕切りに使っているのが4枚、つまりは両方張るので8枚。押し入れ分が3枚。戸襖が4枚。合計15枚。そのうち戸襖は固いので、熱で糊を起こすタイプのアイロン貼り襖紙を使用することにし、残りの11枚は紙の裏に水を塗って糊を起こすタイプの水貼り襖紙を使用することにした。
　道具は自分が勤めているホームセンターで買ったが、襖紙はインターネットで購入した。だってそっちのほうが安かったんだもの。
　さてアイロン襖紙は、まず最初に取っ手を外し、位置を合わせて、アイロンで四方を止めて全体を張っていく。最後にはみ出た分を襖縁に合わせてカッターで切っていく。外した取っ手をまた釘で打って取り付ける。それだけだ。
　水貼りのほうはテーブルに寝せた襖の取っ手と襖縁をまず外す。襖縁は４つあるが、全て長さが違うので、取り付ける際に間違わないようにマークをつけるかしておいたほうがよい。そして新しい襖紙の裏面に水を沁みこませたスポンジで十分に濡らし、糊を起こす。そして2人でせーので、襖の上に張り付ける。それから位置をあわせながら、ブラシで中に入った空気を外に逃がしていく。綺麗に張れたら、余分な紙は切るのだが、襖縁を上から打ち付けるので、中に入る程度、残す。それを両面施す。ちなみに紙は水で濡れているので、普通にカッターで切ると、紙がついて行ってしまい失敗しかねないので、用心すること。それから襖縁と取っ手を元に戻して終わりである。
　15枚、一気に張り替えると流石に疲れた。だが完成した襖をみると、なんと綺麗ではないか。達成感を感じる。うんうんとうなづく俺であった。
　だがもう1か所、残っていた。戸襖のリビング側、壁紙が張ってある方をなんとかしないといけない。これは後日、塗装することで解決をみた。
　
　どうですか、皆さまも1度挑戦してみられては。何、十分できるって。それは大変失礼しました。あとこれからの季節、網戸の張り替えなんかもあります。これはなかなか慣れないと難しいかもしれませんが、頼むよりはだいぶ安くつきます。何事もチャレンジしてみてはいかがでしょうか。