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ベーシックインカム

「育ち盛りの頃に戦争中で碌なものを食べてないので、私たちは長生き出来んよ」といっていた母は今年87歳。なんのなんの立派な健康体である。医学の進歩によるものなのか、本人の摂生によるものなのかはしらないが、今や平均寿命100歳時代に突入しつつある。
 100歳記念に各自治体で配られていた金杯もいつのまにやらなくなったと聞く。100歳を超える人が増えすぎて当たり前になったためである。
 この先人口分布が一番多い団塊の世代が控えている。いっきに100歳の人たちが増えるであろう。
 ここまで書くとほとんどの人が心配するのが年金問題である。子供の出生率は減り、老人ばかりが生き残る。とんだ逆ピラミッド型の社会が出来上がる。国はまともに考えているのか心配になってくる。
 このままの制度でいくと、若者は何のために働いているのかわからなくなる。しかも機械化、AI時代に入ってきている。最低限の人数さえいれば会社は成り立っていくのである。金持ちはますます金持ちになっていく。若者は仕事を得られない。しかも元気な高齢者はまだまだ働きたい。失業率も増える。終身雇用はとっくに崩壊し、欧米にならい職務に応じた賃金体系のジョブ型雇用が進んでいる。どうなっちゃうんだろう。
 そこでベーシックインカム制度である。国の年金も手当も生活保護も全てなくして一本化する。みんなが均一に10万円なら10万円を毎月配布する。働かなくても数人で集まれば十分生活できるし、単独でも節約すれば生活できるようにする。働きたい人は働く。少しでも贅沢をしたい人は働けばいいし、節約で何とかしたい人は働かなくても生活できるようにする。
 資金はもちろん税金を使う。金持ちや企業は増税になるだろう。いままでたくさん年金をもらっていた人は損をするだろう。でもそのくらいしないとこれから先どうにもならなくなってしまうのではないかと思う。
 各人の利害がからむために実際に制度化するのは難しいかもしれないけれど、ベーシックインカムを唱えている著名な人は結構いる。僕よりずっと頭のいい人がいってるのだから、決して間違いじゃないと思っている。
 課題は勿論多い。インフレデフレでおカネは安定しないものだ。その都度支給額の見直しはしないといけない。
 その他、検証してみないとわからない難題も多いに違いないが、これが年金問題、少子化問題、失業問題等々いろんな問題を解決できる切り札であるように思える。勿論反論も多いとはおもうが。


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