見出し画像

雑草むしり

 実家の庭の雑草が生い茂っていたようだ。88歳の婆さん一人ではどうすることもできない。妹の定年した旦那がやってきて、防草シートまで買って来て、ある程度、草をむしっていたのだが、らちはあかず。彼も新たに職を見つけたようで、結局中途半端でそのままにしていたらしい。
 近所の人がそれを見かねてか、勤務先の就労支援施設から4人ほど駆り出してきて、作業をしてくれた。おかげで、1日ですっかり雑草はなくなってしまったとのことである。その後、妹と2人で防草シートを貼り、作業は終わったと、婆さんから報告が入った。
 就労支援B型なのであろう。作業賃は4000円位で済んだとのことである。実際に作業した方たちは多分就労訓練の名目でお小遣い程度しか貰ってないはずだ。普段は一般の家などはしないで、会社関係とかで作業をしているらしいのだが、今回幸いにしてそういう施設の関係者がいてくれたおかげで、やってくれることになったとのことである。
「そういうことなので、あんまり作業賃が安いし、特別にやってくれたので、菓子折りを持って行きたいから、あんたひよこ饅頭をこっちに買って送っておくれ」
 僕はこの件に関しては全くノータッチだったので、ペナルティと思い、快く引き受けた。ちなみにひよこ饅頭は福岡飯塚発祥のお菓子である。東京銘菓ではない。今や東京のお土産と化しているようではあるけれど。
 早速インターネットでひよこ饅頭のオンラインショップで注文し広島の婆さんの所へ届くように手配した。
 それにしても最低賃金以下で働かされている彼らは不憫である。ウチの子供も就労支援施設で働いているが、A型なので、最低賃金はもらっている。B型の中にはA型と能力にあまり差のない子もいる。線引きが難しいところではある。まあ確かに知的障碍者は軽度であっても一般企業では通用しない可能性は高いかもしれないが、人不足といわれている昨今、もうちょっとこういう人材を活かした行政をしてもらいたいものではある。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?