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30歳を過ぎての留学は遅い?

こんばんは。
中村ことはです。

私がフランス留学をしたのは30歳を過ぎてから。
生活費や渡航費だけでなく、フランスで通ったパン学校、語学学校の学費など、自分で働いてお金を貯めるために時間がかかってしまいました。

留学にはさまざまなハードルが立ちふさがります。
私が留学を決意したときも、資金とは別に高い壁を感じました。
今回は、留学前のお話です。

ハードルは身近にいた。

準備を進めてながら、私は周囲に留学することを徐々に伝え始めました。
やっと留学できる、夢がかなうと希望に満ちてはいましたが、私の中では決意表明に近かったと思います。

しかし、一部友人たちの反応は意外すぎました。

「え、今さら留学?」
「30歳過ぎてからなんて遅いんじゃない?」
「仕事は? え、やめた!? うそでしょ? 本気?」
「向こうで恥ずかしい思いをするのは、ことはじゃない?」

実際にかけられた言葉です。
反対する声がこんなに多いとは思っていなかった。
心配してくれているのはわかっているし、突然のことで驚かせたのもわかるけれど、まさか「やめたほうがいい」と言われるなんて…
(もろ手を挙げて喜んでくれると思っていなかったけどさ…)

応援してくれた友人や同僚も確かにいました。
反対するのは本当に極一部で、「すごいね」「頑張って」と言ってくれる友人のほうが多かったです。
しかし、その声が簡単にかき消されるほど、反対の声は私の心に重くのし掛かりました。
反対されたらどうしようと、留学を伝えるのが怖くなってしまったほどです。

しかし、両親には伝えねばなりません。
留学中の緊急連絡先と日本での連絡役をお願いしたかったのです。
フランスへ留学すること、仕事はやめたこと、向こうで仕事が見つかればそのまま暮らす予定でいることを、勇気を出して伝えました。

「30歳で留学は遅いんじゃないか」
「夢は夢のままにしておけ」
「考え直しなさい」

この日の日記は当然、荒れ模様。
感情が爆発してましたね。笑

それでも留学は夢でしたから、私も諦めるつもりはありません。
資金はすべて、一人暮らしをしながらやりくりして自分で貯めたお金。
文句は言わせないと私は必死に説得を試み、一応承諾を得ました。

しかし、この一言だけはこたえた…

「育て方を間違えた…」

日記には「私、欠陥品だったのか…」って、震える文字で綴っていました。
たぶん一生忘れないし、一生許さないと思います。

応援と反対と期待の声に見送られ、2019年5月、私は日本を飛び出しました。

留学中、30歳以上という年齢をハンデに感じたことはありません。

というより、年齢を聞かれたことがほとんどないんです。
(美術館の入場料決定のために確認された1回と、語学学校の授業で1回だけかも)

私の場合、パンの専門留学だったこともあるかもしれませんが、ある程度知識と経験を積んでから留学してよかったと思っています。

英語やフランス語の授業でも、実技なら先生の手元を見れば単語を繋ぎ合わせて理解できましたし、生活環境ががらっと変わって体調を崩しても、一人暮らしの経験から慌てず騒がず淡々と対処できました。

パン学校でも語学学校でも、必ず私より年上の方はいたので恥ずかしいと思ったことはありません。
(おじいちゃんおばあちゃんが夫婦で語学学校に通っているのも見た)

日本を飛び出して、やっと年齢にとらわれ過ぎていたと気が付きました。
フランスには素敵な年齢の重ね方をしているマダムがたくさんいますし、年齢を重ねたからこそ得られた経験もたくさんあります。
世界は広いなぁ、とありきたりな言葉でしか表現できない価値観の違いも実感しました。
(驚きもしたけどね)

唯一の後悔といえば、ワーキングホリデーができなかったことくらいです。

ワーキングホリデーとは海外旅行とは違い長期滞在の許されるビザです。18歳から30歳の日本国民なら日本とワーキングホリデー協定を結んだ外国に1~2年の滞在許可が下り、その間に就学、旅行、就労と生活することが許されているとても貴重な制度といえます。

一般社団法人 日本ワーキング・ホリデー協会

ワーホリができれば、もう少し資金が少なくても留学できたのにとは思っています。
(留学資金を貯めるために時間がかかったのに、時間がかかりすぎたがゆえに資金が多く必要になるという本末転倒な事態…がってむ!)

留学したいと思ったときが留学をするとき。

何かを始めようとしている人こそが、不安や心配を抱えているものです。
30歳過ぎてからの留学なんて遅いかもなんて、そんなの私が一番思っていました。

フランスへ行ってもちゃんとやれるかな。
お金が足りなかったらどうしよう。
言葉も不安だし…
本当に大丈夫かな。

どれだけの不安を抱えて、一歩を踏み出したと思っているんですか。
そして、どれだけの勇気を振り絞って決意を伝えたと思っているんでしょう。
決意を伝えられた人の役目は、心配という名の足枷を作ることでも、さらなる不安を上乗せすることでもありません。

もちろん純粋に私を心配してくれているから忠告してくれているのもわかります。
それでも、頑張れ、応援していると、まずはその決意を肯定してほしい。
心配はそのあとです。

人は、とっさの時ほど人間性が出ます。
誰かが何かを始めようとしているとき、夢をかなえようとしているとき、心配する気持ちはまず置いて、私は迷わず背中を押してあげられる人になりたいです。
留学を終え、自身の経験から強く思います。

ではまた。

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