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システムダウンを共感でなんとかする

ある朝、出勤したらシステムがダウンしていました。ぽつぽつ来始める他のメンバーも異常に気づきます。システム部門からは、まだ詳細の連絡はありません。

最終的に復旧したのはそれから2時間後。システム部門からは事務的な連絡しか来ない。普通ならクレームの嵐です。


その時思い出したのが「初期のTwitterで障害が起きた時に出現したクジラ」でした。クジラが出ても何の解決にもなりませんが、出るとなぜか安心する。私は、今クジラを出さねばならない場面だと感じました。


システム自体がダウンしているので、それを伝達する手段がありません。直接言いに回った方が早い、とフロアを巡って、出社する人にクチコミで伝えてもらうことにします。

また1時間ほどすると、徐々に復活する人が現れます。その復旧状況をまたフロアに伝えて回ると、今度はその復旧プロセス自体が一種のゲーム的エンターテインメント要素を帯びて来ます。2時間かけて全部が元に戻ると、ある種のお祝いムード。


システムダウンというネガティブな事象が、クレームの嵐というネガティブな感情につながらなかったという経験でした。これは、結果としてフロアに「共感」を伝えて回ることができたからではないかと思います。

忙しいのに朝来てシステムが死んでるなんて信じられないですよね、でも今全員が同じ状況で、なすすべが無いのです…と言えば、大部分の人が「そうかみんな一緒なんだ」と思ってくれます。だから徐々に復旧すると、みんなでそれを"お祝い"してくれました。


Twitterの創業者の一人にBiz Stoneという人がいて、彼の著書に”Things a Little Bird Told Me: Confessions of the Creative Mind”という本があります。この本に最も多く出てくる言葉は、おそらく”empathy”=共感、という言葉だと思います。

https://www.amazon.com/gp/aw/d/1455528714/ref=dbs_a_w_dp_1455528714

いまではTwitterはずいぶん違う会社になってしまいましたが、昔は共感をベースにした会社だったのです。SNSも、元々はこういう要素を内在していたものだった気がします。


うちのシステム部門の人たちも、この共感という最も大事な要素を知っていたら、もっと楽しい仕事になるのにね。

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