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お金を稼ぐ=悪いこと、と考える組織の中で、収益は大事だと言う

周りは天使のような人ばかりで、こんな純真な人たちと一緒に働けることが、仕事のモチベーションの一つです。私はそんな清い心の人にはなれないけど。

真面目で純朴で、育ちの良い人に囲まれていると、小さい自分が恥ずかしいのですが、輪の中に入れなくても、そうした人たちのいるグループに属しているだけで、正直嬉しいのです。

元々、高校の先輩に岩波文庫の創始者がいて岩波の本を大量に読み、また教養課程が2年もある学校で学んだ経歴から、今の居場所にいるのはある意味自然のことでした。


でも悩みもあります。真面目で純朴な人が集まる同質性の高いグループは、時に残酷です。自分たちとは異質な人を理解する「想像力」が失われるから。

また、公共とか環境といった"大きな物語"を追求していることを理由に、お金を稼ぐのは悪いことだ、と考えるのも問題。株主に迷惑をかけるだけでなく、その非効率のツケを利用者に負担させて、それに気づかない怖さがある。

そんな組織の中で私は、大きな物語から外れ、トレーディングで稼ぐことばかりやってきた異分子なので、彼らの「真面目で純朴な残酷さ」が、無自覚のうちに顧客に負担を強いているのを見逃せない。


では自分に何ができるのか。それはお金を稼ぐこと。実は、大きめの組織の中ではほとんどの人は"歯車"、自覚的に「稼ぐこと」にフォーカスして自分を突き動かすのは意外に難しい。

まして「お金を稼ぐことが悪いこと」と考えている環境で、稼ぐことが正義だと主張し実践するのは大変だ。では、なぜそうするのでしょうか。


サービスに価値があるからお金を払ってくれる。効率的・合理的だからそのモデルは価値を生む。この感度が周りより少し高いのは、鍼灸師でありながら和菓子屋や美容室を経営していた祖父の性質を受け継いでいるからでしょう。そうした自分の性質を生かしてバリューを生み出すことしか、私の存在意義はないと思うからです。

天使にはなれないから、お金を生む役割を果たすことで、天使たちを守る役目を勝手に引き受ける。それが私の"堕天使"としての役割です。大きな物語を守るために、その役割を引き受けます。



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