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「普通のオペレーション業務を担当するメンバーのモチベーションが大事」という話

社員が使うスマホがいつまでも古いままで、全然新しいのに更新されないの何でだろう、と思っていました。パフォーマンスの高いメンバーも、旧式の使えない端末で何とかやっています。

きっと"少額のコストを気にしすぎて、却って大きなコストを発生させているパターン"なのだろう、と思っていました。でも本当は違った。


みんなのスマホの管理の担当者は、以前は全然違う職種を担当していました。しかしある時、ボスとの関係が上手く行かず、偶然人手が足りていなかった今の部署にやって来ます。

その部署でも、私の前任のボスとウマが合わず苦労していた模様。慣れない仕事ということもあり、良い評価ももらえていなかったようです。


そのメンバーと(ほとんど初めて)話をした時の印象は、失礼ながら「普通の人過ぎる!」でした。普通の中の普通。私のようなスレっからしの人間からすると、心暖まる普通さへの羨望を感じます。私もあなたのように生まれたかった。本当に。

でも今の処遇でやはりキャリアパスに不安を抱えており、この先どの道に進むべきか、迷いが見て取れました。ちょうど部署が合併したこともあり、いい機会だから一緒にパスを考えましょう、という話をしました。これまで出たこともなかった打合せなどにも参加してもらいます。


そのメンバーの働きぶりは実直そのものです。私なら確実に途中で投げ出す単純な確認作業も厭いません。スマホのアップデートは、最近はセキュリティ対応のため手続きがやたらに面倒くさいのです。でも、コロナで急に需要が増えた端末の入れ替え作業を、かれはコツコツこなします。その普通さを"愛でて"いたら、急にパフォーマンスが上がって来ました。

つまり、これまで止まっていた作業は、かれの「モチベーション」がボトルネックだった。そのボトルネックが外れたことで、端末の入れ替えが急に進みます。皆んなからも感謝されて嬉しい。


北野唯我さんの言っていることは本当だな、と感じます。でも、幸福感は全体のパフォーマンスが上がったという経営的視点だけでなく、普通のメンバーが普通に評価される場面に立ち会えて良かった、という簡単な理由からでした。




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