2021年ボカロ10選

こんにちは、たき火です。改名しました。

今年も年10選を作りました。毎年ながら選ぶ作業はとても大変でしたが、過ぎた一年に思いを馳せながらお気に入りの曲たちを聴くのはとても楽しかったです。私は他のボカロリスナーさんと同じように、全てのボカロ曲の中から好きな曲を集めた「オールタイム100選」も作っているのですが、そちらの100選の選出作業とはまた違った趣がありますね。年末のワクワク感も相まって、毎年とても楽しみなイベント(?)です。


さて、今回のnoteでは、選出させていただいた曲について、簡潔ながらコメントを添えて紹介させていただこうと思います。いずれも素晴らしい楽曲ばかりなので、気になった曲があったらぜひ聴いてみてください(順番は投稿された順です)。

1. Vocaloid Become Human / やながみゆき

2021年はやながみゆきさんの年だったと思ってます。内省的な歌詞を光溢れるサウンドに乗せた「生き続けるシンフォニー」と、おどろおどろしい雰囲気のトラップと暴力的なリリックが印象的な「初音ミクの復讐」。ふたつの対照的な楽曲群を制作し続けてきた作者が、その両方を融合させ、新たなステージへと踏み出していった一曲と言えるでしょう。「サイバーかわいくないガール」や「カイジュウの島2」もとても良かった……。


2. アンテナ / ピノキオピー 

ず〜〜〜〜〜〜〜っとピノキオピーで一番好きな曲だったので、ベストアルバム収録+MV投稿がめちゃくちゃ嬉しかった……歌詞がピノキオピーそのものみたいな感じで好きです。再録版ということで初出のアルバム版(2015年発表)と比べて特に大きなアレンジはないのですが、6年の時を経て変わったもの(と変わらないもの)に思いを馳せながら聴くとしみじみしますね……。

3. 真夜中は崩れ落ちる / ふるがね

ミクの高音が印象的なmikupop。Bメロからサビへと入る部分が特に好きです。この20秒間にやさしさと美しさが詰まっていて、思わず泣きそうになっちゃう。ふるがねさんは「おもしろいいきもの」や「がっこうのせいだ」のイメージが強かったので、こんなエモーショナルな曲も作れるんだ……という驚きがありました。
そして忘れてはならないのは、歌詞表現の美しさ。暗闇の中燦然と輝く光彩が目に浮かんでくるようです。ひとつ惜しく感じるのが、1分半という短い再生時間。でもその儚さも含めて好きなのかもしれない。

4. 空想 / KAIRUI

今年4月のボカコレで鮮烈なデビューを果たしたKAIRUIさん。後に投稿された「」や「幽霊」も良いですが、やっぱりデビュー作のこの曲が圧倒的に好きです。というかこれが好きすぎて他の曲をあまり聴けてない。2021年は空想。

じゃあ具体的にどこが好きなのか。ひとことで言うと、「展開の多彩さ」と「箱庭感」です。聴きいるエレクトロニカから始まって、2番からはドラムンベース風になり、間奏で一旦落ち着いてから、ラスサビで一気に盛り上がるという構成の本曲。2分半という短めの再生時間の中で、かなり目まぐるしく曲調が変化しています。しかしこの曲には、展開の大きい曲にありがちな「散らかってる」感じが無いのです。先程は「箱庭感」という言葉を使いましたが、まるで美しく調和のとれた箱庭のような、或いは光の当て方によって見え方の変わる宝石のような、絶えず変化しながらも調和のとれた美しさを携えていることこそが、この曲の最大の魅力だと思っています。

とまあ色々書いたけど、自分がこの曲の魅力を完全に理解しているとは思ってません。それを理解するためにも、人生をかけて沢山聴いていきたい所存です。

5. □°  / 宇田もずく

音、気持ち良い〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇田もずくさんは結構昔から応援してるボカロPなのですが、近年「音」方面の進化が凄まじいですね。自分はどちらかというと初期のいい意味で「軽い」サウンドの方が好きなのですが、この曲の完成度には圧倒されました。気持ち良いところを的確に押してくれる最高のトロニカです。

6. レベッカ / TentaQle

ここ数ヶ月間、じわじわと鏡音リンのことを好きになっている感覚があったのですが、その要因の中でかなり大きいのがTentaQleさんの楽曲だと思っています。この人の曲のリンちゃんって、すごく不思議なんですよね。自分のすぐ後ろにぽつんと立ってそうなリアリティがある一方で、いくら手を伸ばしてみても触れられないような隔たりも感じる。ひたすらに存在が曖昧で、妖しい雰囲気を漂わせながら、全てを包むような暖かさも持っている。でもそんな不確かさこそが、ボーカロイドの魅力なのかもしれません。

7. e6 / 土山時雨

2017年に投稿された曲の再投稿ですが、初聴きは今年だったので10選に入れちゃいました。投稿に気付いた時には、「エルモア」の最後に出てきた奴をやっと聴ける!と喜んでいたのですが、実際に曲を聴いてそれを超える衝撃を受けました。

どこか不安定なメロディー、張り上げるようなミクの歌声、重たいギターサウンド、前向きだけど空元気っぽさもある歌詞…………全部が混ざり合って特異な雰囲気を生み出しています。今年一番「刺された!」感のある曲でした。

8. 記憶の海で / 鹿あるく

今年はUTAUの子たちを好きになった一年でもありました。特にこの曲のボーカルに使われている浮遊レイはかなり好きで、C(しー)さんの「フロート」なんかもお気に入りの曲です。生活感のある歌を機械っぽい声で歌うギャップがいいですよね。

もちろん曲自体も大好きです。サビで一気に空間が広がる雰囲気が素敵。最近の曲には珍しく間奏の時間をたっぷり取っているのも、楽曲の「休日の午後」感にマッチしててとても好き。普段積極的に聞かないジャンルの音楽(ボサノバ?)なのですが、下半期はずっと聴き続けてました。

9. アヤカシライダー / 平田義久

かっこよすぎ。あんまりこういうタイプの曲を10選に入れることは少ないのですが、あまりにもかっこよすぎるので入れました。力強くがなるゲキヤクの歌声、高い日本語センスから繰り出される気持ちの良い押韻、緩急自在な曲展開……好きなところを挙げだしたらキリがありません。


10. TAKE 2 / かいゑ

洗練されたお洒落さとユーモアが光る、かいゑさんのジャズナンバー。こういう曲を見つけた時に、ボカロ聴いててよかった……と思います。楽曲自体を純粋に楽しめたのはもちろんですが、ボカロ(曲)と最も離れた概念とも言える「即興性」というものを表現しているところも好きポイントです。



以上10曲が、2021年のボカロ10選です。今年は過去一でボカロを聴いた一年だった一方で、新曲を無軌道に聴きまわる機会はほとんど無かったように思います。それでも素晴らしい曲の数々に出会えたのは、Twitterなどで良曲を共有してくれるリスナーの皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。

そして何よりも、毎日沢山の楽曲を投稿してくれているボカロPの皆さん。私はその内のごく僅かな部分しか聴けませんでしたが、あなたたちのおかげで今年も楽しい一年を過ごすことができました。来年はもっとたくさんボカロ聴いてもっとたくさんツイートします。

それではみなさん、良いお年を〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?