渋谷すばるさんと喋ったスペースのこと。

◆経緯説明

12月12日の深夜から未明にかけて

素晴らしい、あの磔磔でのライブの後に、渋谷すばるさんとスペースで喋る機会があった。

夜中の1時半頃、スレッズに、気持ちよく酔った渋谷さんが、眠れないからと、「誰か喋るやつやって」と書いた。
喋るやつってスペースのことかな?と思い、「スペース?」とリプしたら、「任せた」と返信がきた。

「来てくれます?」と聞いたら、「うん」と返ってきたので、私は慌ててスペースを立ち上げ、一人では心元なかったため、すぐにリクエストを出してくださった3人の方を急ぎスピーカーとして招待して待機した。

するとすぐに渋谷さんも現れて、スピーカーとして登壇してくれた。
彼はしこたま酔っていてヘロヘロでご機嫌で、
それは間違いなく、その日のライブが最高だったことの証でもあった。

私は仕事でスペースを開催したことが何度かあり、多少段取りに慣れていたこともあって、

「聴きやすいスペースの鉄則」として、

  • 人数が多すぎないこと(3-4人がベスト)

  • ゲスト(この場合、言わずもがな、みんなの大好きな渋谷さん)の話を中心に回し、ホスト側の個人的な話を極力持ち込まないこと

  • なるべく聴衆みんなにとって興味のあるであろう話題を振ること

  • ゲストが話しやすいように適宜 相槌やツッコミを挟むこと

以上の4点を意識していた。

とはいえ、同時に、我が人生最愛の推しである。
その人に、話し相手として指名してもらった上で、気安く名前を呼ばれたり、突っ込んだり突っ込まれたりして、聴きたかったことを本当の言葉で、たくさん直接聴くことができた。
生きていて、こんな光栄なことがあるか。
嬉しかった。そりゃもう、素直に。嬉しくないわけあるか!ばか!

…彼は本当に正直だった。
酔っていたけれど、嘘は一つもなかったし、全て真面目だった。
いや、たまにすごくふざけてもいた。
たくさんケラケラ笑っていた。

そのスペースは、深夜の1時半から、朝の6時近くまでに及んだ。
実に4時間22分もの間に、 どんなことを話してくれたのか、とても素敵なことや知りえなかったこと、気になっていたことがたくさんあったので、
どうしたって私の主観にはなってしまうけれど、
以下、記憶の限り書き起こします。

なぜなら、私は自分が知りたかったのと同時に、
ファンの皆さんに一緒に聞いて欲しくて伺ったことばかりだったし、
彼は全てのファンに対して、嘘のない姿勢で真っ直ぐに答えてくれたから。

全て私の責任のもとに、他のスピーカーの皆さんと一緒に私が聞いた、渋谷さんのお話を少し。
(※当然ながら細かい話、めちゃくちゃ端折っています)

◆スペース内容まとめ

●今日のライブについて
いいライブをやった後は眠れない
磔磔のオーナーの息子さんと、打ち上げで一緒に飲んだ
次のスケジュールについても話をした(っぽいけど、あんま喋ったらあかんな…と言っていた)
おでんと「おかずいっぱい」(※おばんざいのこと)食べて美味しかった。
砂みたいなやつ(※おから)もあった、俺は砂場やと思って食べなかった。
だから今日は弁当とお箸の場所も教えてもらったけど、お腹いっぱいだから食べない。

来てくれた人も来られなかった人もありがとう、めっちゃ楽しかった

実は今年は本当にしんどい年だった。

夏、タワレコのアコースティックライブのリハをしている時、ちょうど辛いことがあった時期だったけど、その中で楽しそうにリハをやっている姿を見たスタッフが「そんなに楽しいならもっとやったほうがいい」と、その場で磔磔に連絡して箱を抑えてくれた

今年は本当にしんどかったけど、この年を乗り越えられたのはよかった、と呟くように言っていた。

何がしんどかったのかは、訊かなかった。

⚫︎アコースティックライブについて
もちろん地方も回りたい。ショーとしてのホールの公演と、今回みたいな小さな箱でのコアな見せ方、両方の表現をやっていきたい。

⚫︎史朗さんがお財布をなくされたことで、急遽磔磔初日に行なった募金の件について
渋谷さんたちも当日のMCで初めて聞いた話だということで、スタッフがすぐに機転を利かせて急遽ギターケースを募金箱にしてくれた。
「それも含めて、あの日限りのライブやった」。
けれど、思っていた以上に集まってしまい、史朗さんは受け取れないと言った。
それに対して、茂木ちゃんが、「みんなの史朗さんへの気持ちで、誰も悪くないから、きちんと受け止めるのがいいと思う」という、すごくフラットで正しいことを言ってくれた。

動画に撮って史朗さんに渡す様子をアップしたりすることも考えたけれど、変に切り取られてもおかしなことになるし、それはやめた。
いくらかは言わないけれど、きちんと史朗さんに気持ちとして受け取ってもらうことにした。

「磔磔」を押さえたエピソードといい、これらのやり取りだけで、スタッフを含めたチーム全員が、如何に誠実な向き合い方を模索しているかがよくわかる話だった。

●スマホの充電はしない。京都に来てから一回もしてない。赤くなっててやばい。
「女の人ってよく充電するよね…」

●寝る時はスマホは「おやすみモード」。
「おやすみモード」の言い方がやたら可愛くて、なに可愛く言ってるんですかと言ったらめちゃくちゃ恥ずかしがってた

●目覚ましは基本かけない。
独立してから、特に早く起きる仕事はないし。

●︎「充電器探そうと思ったらクサッ!カバンの中、大根の漬物が臭い……」

●︎どこの会場に行っても、お客さんのマナーがいいと褒めてもらえる。
それが嬉しい。この道で間違ってないなと思う。ファン同士が仲良くつながっていってくれてるのも嬉しい。

●「寒い……布団にくるまってる……」

●最近私服の傾向が変わりましたか?
ライブは最近スタイリストの方に頼んでいるとのこと。「B-PASS」撮影の際にスタイリストさんとの出会いがあり、その方にお願いしている。
「B-PASS」は、本当は当初表紙の予定じゃなかった。けれど、撮られた写真の出来を見て(?)編集長が表紙にしようと言ってくれた。
「やっぱり撮られ慣れてるわ(ドヤァ)」
私服は最近また古着屋派っぽい。京都の古着屋でもパーカーを買った。チャンピオンのやつ。
TikTokでも古着屋紹介?なんかの動画を観ている

●Twitter(X)、インスタ、tiktok、スレッズの使い分けは? 今日の呼びかけはなぜスレッズだった?
「んー、今日はライブハウスで、限られた空間でやったのがすごい良かったから、コアなところに呼びかけたかったんじゃないかなあ」

●みんなが渋谷さんをなんとか寝かそうとする中…
「みんな寝たいの?朝から仕事とか言わんといて…責められてる気になってまう」

● ︎並んでいるリスナーの方々のアイコンのアクションを見て、名前とか呼んであげたらどうですか、と言うと、
「それやると、誰が呼ばれてないとかになっちゃうから…」と、
みんなありがとう、と。

●客席は見えてるのか?問題
磔磔規模は全員見える。ホールも見える。
みんな目が合ってると言ってるけど、「全員見てるから。そりゃ本当に目が合ってますよ」

●ドームやホール、ライブハウスなどによって、見える世界は違うのか?
「みんなが、大きい会場と小さい会場、色々見て、気持ちとして何か伝わるものは違う?」 「違わないとしたら、それと一緒。伝えたい気持ちは広くても狭くても変わらないから」

⚫︎二歳の頃と今、客席との向き合い方が全然違って見える。二歳の頃は、独立して一人になった覚悟の様子を、こちらが目撃している感じがした。今は双方向のコミュニケーションだと感じる。
「自分はこんな不器用だけど、一方で俯瞰で見ている部分もある。『二歳』の頃も、もっとこうしたほうがいいってこともわかっていたし、あの時、客席がサーっと引いていくのもわかった。けど、あの時はあの姿勢が必要だった。嘘はつけなかった。心に従っていた。でも、そこから這い上がるしかなかったし、それでついてきてくれる人がいるんなら大切にする、そういう生き方しかできなかった」

●新曲は出るのか?
簡単なデモレベルでは日常的にたくさん作ってはいる。
みんなが待っていることはわかってる。けどいろんなタイミングがある。
全部わかってる。

●ライブ最高だった。『池』、最高。ごめんなさい。リリース当時文句言って本当にすみませんでした。
「そうやろ!散々クソみたいに言ってきたけど楽しいやろ。結果楽しかったって言えたらいい、楽しいやんて言い合える時が来ると思って作った。そのタイミングはそれぞれでいい。
みんなが色んなこと言ってるのは全部知ってる。スタッフに、ちゃんと全部報告してくれって頼んでる。じゃないとみんなの気持ちに繊細に寄り添えないから」
「何か言ってる人も、その表面の言葉だけじゃなくて、その後ろに色んな感情があることもちゃんとわかってる」

●スローバラードの歌い方が、イケシブ以降明らかに変わった。清志郎さんのオリジナルバージョンは聞き直したりしたのか?
「マイクから離れてた?和田アキコみたいやった?笑」
「イケシブの時は久しぶりに聞き直したかも。清志郎さんと付き合いのあった色んな人からエピソードを聞いて、この歌詞を歌う時清志郎さんは本当に嬉しそうに笑ってたよとか、 そういうのを聞くと、真似するわけじゃないけど、自分の中にイメージが蓄積する。
それが自然に歌い方の変化につながっているのかもしれない」

●︎最近言っている「第3章」とは一体何を意味しているのか?具体的に決まっていることはあるのか?
「『ロード』って何章まであった?13!?嘘やんそんなある!?
(具体的に決まっていることも)あるよ、あるから言ってる。
「楽しみにしていていいか?」と訊くと、「もちろん。悪いことは一個もない。想像もできないことをやろうとしている」
「楽しみというよりは、自分みたいな人間がこういうふうに生きること、これを(使命として)やっていかなきゃいけないだろうな、ということを考えて、その道を歩むことで、誰かにとって助けになるようなことになったらいいなという想いでやろうしている」
(ニュアンス…ここ、とても難しかったけれど、私はこう理解しました。具体的な「誰か」ではなさそう…?)
とにかく、恐らく世間に対してだったり、自分の人生だったりに関して、本当に色々と考えていて、その想いをどう姿勢として見せていくか、そういうターンに入ってきている、という印象。
「たとえば、『かっこいい』という生き方(アイドル?)を背負って生きている人もすごい。みんなそれぞれ、自分の生き方を選んで生きている。みんなすごい。誰も間違っていない。自分が特別なわけではない」

●︎史朗さんがこのスペースを聞いてる、という話になり。史朗さんとの出会いは?
「駅前で…俺がカバンから物をこぼしたら「あっ」て史朗さんが拾ってくれ…そっからもうディープキスですよね。それが初めての出会い。ディープキスしながら職業訊いたら「ギタリスト」って言ったから、そこからの付き合い。ヒゲ同士がこう、こすれ合って……

●︎(史朗さんとの前振りを経て)じゃあ、茂木ちゃんとの出会いは?
(時期的にネオランドあたりか?)リハのタイミングで、ドラムの方のスケジュールが合わず、代打として来てくれたのが茂木ちゃん。
茂木ちゃんのドラムを聞いた時とにかく衝撃を受けて、本番もあの人にしてほしいと頼んた。以降、ひたすら本気で茂木ちゃんのベタ褒め。
史朗さんとのBLネタの天丼には全くならなかったのはさすがに笑った。

●︎去年末、ボヘミアンズのライブに行っていた。どこで見ていたのか?
PA席の後ろに特別に場所をとってもらった。
自分が行くことで変に迷惑をかけたくなくてこっそり行った。ボヘミアンズもかっこいい。vo.の平田さんかっこいい。いいライブだった。
ファンのみんなが、サポートメンバーの所属するバンドに行ってくれるのとか本当に嬉しい。
一番最近自分でチケットとって行ったのはオーチャードホールで見た外タレ(結局誰だったか言ってたっけ?)
生で観てみたいのは玉置浩二。青田典子もある意味見てみたい。

●︎途中で AirPodsを装着し、ホテルの部屋を出てビールを買いに行く渋谷さん。
話しながら夜中の廊下を歩き、自販機の音がしたから「ビールですか?」と聞いたら、「ちゃうねん、待ってんねん」と繰り返す。
とうやら先客が自販機で買っているのを待ちながら後ろで話しているヤバい人になっていた模様。なんかもうすごい。そのあと、スーパードライ2~3本買ってた。

●babu会のプレゼントと手紙の話。前回はOKだったけど次回は禁止。
「色々考えた。前回はとりあえずやってみようということで有難く全部受け取ったし、気持ちは無駄にしたくないし、手紙も全部読んでるけど……俺は物をもらうためにやっているわけではないし。手紙だけ、というのも考えたけど、線引きが難しくて」
「すば基地の時の寄せ書きノートも、もっと前にタワレコでハーモニカ展示した時のノートも全部もらって全部見てるよ」
「一人ひとりの気持ちが全部あって、でもこっちは一人しかいないから。全員の気持ちが違うのをひとまとめにしたくはないから、すごく難しい」
「どうやったら全員ちゃんと大事にできるかを考えると、たまに苦しくなる」
(※めちゃくちゃ大事な話だったのに、この後ひどい下ネタに突入した)

●「ん」ツアーセトリが2曲変わった理由。
「日替わりにしようかと思ったんやけど、『生きる』はもう、一回やったらここは『生きる』やろうと。『ぼーにんげん』と『これ』は、どっちもアリやから」

⚫︎「ん」ツアーの客入れSEにどういう意図があったのか?
登場直前のオアシスやレディオヘッドは、 ライブの一曲目が『塊』だったから、そこに繋がるイメージで、ちょっとじめっとしたUKロックがいいと思った。
『まだ見ぬ地図』に関しては、どういうつもりで選んだとかは語らないけど、お客さんが来て、楽しんで欲しいという気持ちで選んでいるということだけ教えてくれた。
「その後に真心の『STONE』を選んだのが渋谷さんらしかったですね」と言ったら、「んふふぅ」と笑ってくれて、それが嬉しかった。
「『まだ見ぬ地図』があって、それでみんなが色々感じてくれることはわかってたから。でもそれだけで終わらせないぞと」

●もうそろそろ終わらないとAirpodsの電池がやばいです。
「電池がやばいとかで電話終わるのいやや…嫌われてんのかなと思ってまう」
「ほんまはこういう時に電話する友達がおったらええのかもしれんけど、俺本当に友達がおらんからな~LINEの友達の数、数十人とか…?
教えてくれって言われても普通に『嫌です』って答えちゃうから」
「つーか友達ってそもそも何?どういう相手?」
「親友っていうのが一番むかつくわ、友達に優劣つけてるやん!」

◆気になっていたこと

…とまあ、こんなことを、脱線したりふざけたり、急に真面目になったりしつつ、本当に延々とダラダラ話しながら。
何度も、「ぼちぼち寝ないんですか?」と訊いては、「いやや!」と可愛く断られながら。

私はずーっと、いろんな方から「自分も話したい」と登壇リクエストをいただいているのを、無視している状態になっていた。

一人の方を招待したらキリがなくなってしまうこと、
人数が増えすぎたスペースほど収拾のつかないものはないことを、経験として知っていた。

当然、300人のリスナーの皆さんの気持ちも同時に考えないといけない。

どなただって切実に渋谷さんとお話ししたいのは痛いほどわかるのだけれど、 最初にリクエストをいただいた方々を勢いで許可したまではいいものの、以降、
「この人を招待して、この人は招待しない」なんて采配ができる権利が、どうやったってただの1ファンである自分にあるはずはなかった。

だから、次々と届くリクエストや、DMやリプを、スペース上でお話ししながら、たまに「ごめんなさい」と裏で返したりしながらも、スルーし続けるというのは、なかなか心苦しい作業ではあった。

そんなことを考えながら、 「そもそもなんで自分でスペースを立ち上げないんですか?」と渋谷さんに聞くと、 自分でやると、結局何をやっても責められるから、来てくれた人も嫌な気持ちにさせるかもしれない、と。
それを負うのがしんどい、ただ楽しく話したいだけだから、と彼は言った。

それを受けて私は、
「誰か他にもスピーカーとしてちょっと喋れば?」と時々簡単なことのように言う渋谷さんに対して、つい本音として、
「渋谷さんが自分でやると疎外感を感じる人が出てくる、という理由で尻込みをしてしまうのと同じように、たくさんの方がリクエストをくれている状態で、私も一人だけを選ぶことができない」と伝えてしまった。

そしたら、彼はハッとしたみたいに、「そっかぁ」と、私にその「役割」を背負わせていることに、すぐに気づいた。
それから、
「すみません、皆さん。ぼと子、わるくない」
「俺がやってって、任せるわって言ったからやってくれたんや」
「ありがとうな、申し訳ないわ」

と、ひらがな喋りで かばってくれた。

酔っ払いながら、それでも、本質を彼は即座に理解する。
渋谷さんはいつだって、泣きたくなるほどに優しく繊細だ。

「みんな寝たいの?朝から仕事とか言わんといて…責められてる気になってまう」
「それやると、誰が呼ばれてないとかになっちゃうから…」
「何か言ってる人も、その表面の言葉だけじゃなくて、その後ろに色んな感情があることもちゃんとわかってる」
「一人ひとりの気持ちが全部あって、でもこっちは一人しかいないから。全員の気持ちが違うのをひとまとめにしたくはないから、すごく難しい」
「どうやったら全員ちゃんと大事にできるかを考えると、たまに苦しくなる」
「電池がやばいとかで電話終わるのいやや…嫌われてんのかなと思ってまう」

異常なほどに人の気持ちを考えすぎて、自分のせいで誰かが傷つくことをずっと恐れている。
今も自分のせいで誰かが無理をしているんじゃないかと、常に怯えている。

それは、彼がこれまで色んな気持ちを、一人で真正面から受け止めて傷ついてきた証拠でもあった。

それと同時に、ファンと ラフに、対等に向き合いたいとも思っていて、それは決して誰かを特別扱いするということではなく、
ただ「演者/ファン」という関係性に固定せずに、どんな相手であろうと、一人の人間として対峙してくれているだけなのだ。

あれだけ、誰のことも置いてけぼりにしたくないと気にしている人が、そんな意識で動くはずがない。

その後、また少し喋って、
「この喋ったやつはどっかに残すの?」
「これはこの瞬間だけのものにしたほうがいいと思うわ」
「嫌なこと言われたくないから…何もおかしなこと言ってないと思うけど」

とおっしゃったので、アーカイブは残さないことを約束した。

たくさんいいことを言ってくれたので、私はちょっと残念だなと思ったけれど、渋谷さんが望むならそれがいいと思った。

最後に彼はこんなことを言って、そのスペースは終わった。

「ライブ来てくれた人もそうじゃない人もいっぱいいたと思うけど、
今年最後のライブが終わったので、来年も楽しみにしてください。
いっぱい楽しませていくので、これからもよろしくお願いします。
ありがとう、皆さん大好きです。
これからもよろしくね、おやすみなさい」

それはとても優しくて、可愛くて、愛しい声色だった。

そして、またスペースをたまにやろう、その時はまた ぼと子に頼むから、とまで言ってくれたのだ。
よかった。深刻な不眠症に悩み続けているという渋谷さんが、穏やかな気持ちでこのスペースを終えてくれること。
「任された」からには、まずそれが一番、
渋谷さんのファンである私が絶対に果たしたい願いだった。

◆その後のこと

スペースを切った時、朝はもう動き出していた。
なんとか大役を終えられたことに一息をつく同時に、
私は今回のことで、どうか不快に思う方がいないといいなと心から願った。

TLを覗くと、やはりみんな気持ちはそれぞれのようだった。
自分では自分の振る舞いに対して客観的な判断ができないから、すこぶる不安だった中で、 楽しかった、ありがとうと仰ってくださる方がたくさんいて嬉しかった。

けれどやっぱり、 スクロールしていく中でたまに飛び込んでくるネガティブなワードのほうが、どうしたって気になってしまった。
その「ネガティブ」の方向性は、どうやら皆さん少しずつ違うようで、「起きたら終わっていて寂しかった」とか、「特定のファンと近寄りすぎるのはよくない」とか、お一人ずつにお伺いしたわけではないけれど、その理由は多岐にわたっているようだった。

これは何度も書いていることだけれど、
私が「ぼと子」というこのバカみたいな名前でSNSで積極的に発信を始めた理由は、渋谷さんに対してのネガティブな印象や誤解を少しでも払拭したい、
そのために自分が見た彼の素敵なところをできる限り広く伝えたい、

だだひたすら、その一心だった。

結果としてたくさんの方と知り合うことができて、
それは欠け替えのない財産になったと有難く感じているけれど、
正直に言えば、私がSNSをやっているのは、友達を作るためでも、自分の感情を吐き出すためでもなかった。

とにかく、私の愛する渋谷さんを取り囲む世界は優しくあってほしいし、
そのためならなんでもするし、
誰にも悲しい思いはしてほしくなかった。

あまつさえ、自分のせいで渋谷さんに迷惑がかかることだけは、絶対に避けたかった。

私はどう考えても、そういう目線を気にしすぎた。
だからこそ、スペースを閉じてから少しして、Twitterとスレッズに、反省めいたことを書いた。

喜びを大っぴらに表現するのは、他のファンの方々へのマナー違反だと思った。浮かれたバカがなんか言ってる、と思われて、苛立ちを煽ることだけは、なんとしても避けなくてはならなかった。

個人的な嬉しさは、一番後回しにして、後からいくらだって、一人で噛み締めようと思った。

けれど、お昼前になって、渋谷さんは、何かを見た。
それは私と関係のない誰かが書いた何かだったかもしれないけれど、

私が反省していたり、「難しかった」と書いたり、
「疲れた」と書いたことも、多分見たんだと思う。
それに対する、幾人かの方々のリプも見たのかもしれない。

「楽しかった」とか「嬉しかった」とか、私は一切書いてなかった。
書けなかった。

多分それに、彼は傷ついた。

「しんどいしんどいお疲れと書かれたら悪いことをしてしまったと後悔する、2度とやらない」と彼は一瞬だけスレッズに書き、すぐに削除した。

私は、渋谷さんのファンの気持ちばかりを優先しすぎて、
渋谷さんの気持ちを後回しにしてしまった。

あれだけ自分のせいで誰かが傷つくことを気にしてしまう方だということを、痛いほどに知っているのに。
直前に、スペースでもたくさんそんな言葉を聞いたのに。

でも、渋谷さんのファンの方々が笑っていてくれないと、どっちにしろ渋谷さんはきっと笑えないのだ。
だから、私はどうしたって、ファン全員の気持ちを考えてしまう。
どうしたって、卵が先か、みたいな話なのだ。

何が正解だったのかは、今もわからない。
けれど、間違えたことだけはわかる。

でも、絶対に諦めたくはない。
私は渋谷さんが世界で一番好きだし、
渋谷さんのファンの皆さんも渋谷さんのことが大好きで、
その気持ちには一点の曇りもない。

自分が傷つくことなんて、本当に心からどうでもいい。
ただ、伝われ、という執念だけで、一睡もせぬままこの文章を書いている。
渋谷さんに。
私と同じ、彼のファンの皆さんに。

伝われ。

伝わらないんだったら、伝わるまで伝え続けることを誓う。
私はもうずっと、この一年以上ひたすら、
自分のできる範囲内で、渋谷さんを幸せにするためだけに生きている。

渋谷さんは今、いろんなことをトライ&エラーしていっている。
私たちはそれをリアルタイムで目撃している。
誰も傷つかないアウトプットなんてないんだと思う。
これを書きながら、きっと傷つけてしまうであろう誰かのことを、私はずっとずっと考え続けている。

でも、やるんだよ。
諦めずに、伝えようとするんだよ。
渋谷さんを愛する皆さんに、渋谷さんに、伝わりますように。

私は渋谷すばるが世界一大好きだし、
渋谷さんを愛するファンの皆さんのことも、
同時に等しく全員尊重したいし、信頼しています。

私が至らないばかりに、たくさんの方に迷惑をかけてしまったし、
心を痛めさせてしまった。
最高だったあの磔磔の夜の余韻を、汚してしまった。
世界一大好きな人の気持ちを傷つけてしまった。
そのことはずっとちゃんと今後も逃げずに背負っていくので。
渋谷さんが傷ついたまま一人で抱え続けませんように。
ファンの方が誰も引け目を感じませんように。

なんでもするので、どうか、皆さん力を貸してください。
助けて欲しいです。

渋谷さんが何か、私たちを喜ばせようとしてやってくれることで、傷つく人よりも、喜ぶ人のほうが圧倒的に多いことを、きちんと彼に知ってもらいたい。

気にしすぎて言えなかったけど、私はスペースで喋ることができて、
本当にうれしかったし、楽しかった
ずっと聞きたかったいろんなことを直接尋ねることができて、
渋谷さんの真面目で繊細な人柄に「全く裏切られないな」と何度も心の中で感激して、たくさん笑って、最高に楽しかったです。
本当にありがとう。
一生忘れません。

もしこの文章を読んでくださって、渋谷さんの昨夜のスペースを聞かれた方がいらっしゃったら、そしてもし、あれを楽しいと思って聞かれていた方がいらっしゃったら、そうじゃなくても、聞かれていなくても、
渋谷さんが一人で傷ついていらっしゃることに心を痛めている方がいらっしゃったら、
私には言葉はいらないので、どうか渋谷さんに、やめないでって言ってほしいです。
一緒に楽しもうとしてくれることを諦めないでほしいと。

全員が同じ気持ちで楽しむことはどうしたって不可能なのかもしれないけれど、
いつだって真剣に私たち一人ひとりの気持ちを考えすぎるほど考えてくれる彼のことを、

みんな大好きで信頼し、感謝しているってことだけは、
まっすぐに伝わるといいなと、本当に、心の底から、強く願っています。

私は渋谷すばるが、泣けるほど大好きだ。

読んでくださって、本当にありがとうございました。




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