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何故わざわざ重たくて高い一眼カメラを買うのか

20代半ば、人生で初めてまともにもらったボーナスで一眼レフカメラを買った。NikonのD5300。さらっと露出や画角の仕組みを勉強して、あまり深掘りせずに5年間テキトーに写真をとってきた。

出かけるたびに重いカメラを持ち出し、挙句の果てに本体の何倍も高いレンズを何本も買い足した。今時iPhoneで綺麗な写真は撮れるのに何故お金と体力を無駄にするのか。一眼カメラの良さを、中途半端な知識で語りたいと思う。カメラに詳しい人は不快な思いをする可能性があるので、ここで戻るボタンを押してほしい

(シャッターを押す前の段階で)カメラが写す範囲(画角)を変化させることをズームと呼ぶのは皆さんご存知だと思う。ズームには光学ズームとデジタルズームの2種類がある。

「デジタルズーム」は解像度を上げずにただ画面を引き伸ばしているだけなので、ズームすればするほど画質は荒くなる。

「光学ズーム」はレンズ自体を可動させることで画角を変化させる方式で、画質を下げずに遠くのものを大きく写したり、広い範囲を写したりできる。これができるレンズをズームレンズ、できないレンズを単焦点レンズという。

最近のiPhoneでも"光学ズーム対応"のものが販売されている。だがこれはiPhoneに単焦点レンズを複数つけて切り換えることで光学ズームのように見せてるだけで、ズームレンズがiPhoneについてるわけではない。例えばiPhone12ProMaxには14mm(広角),26mm(標準),64mm(望遠)の3つの単焦点レンズが付いているが、これ以外の画角、中望遠やもっと望遠な写真などを撮りたいときにはデジタルズームで調整する必要がある。

この点一眼カメラの場合は、交換レンズさえ持っていれば、あらゆる画角の写真を、デジタルズームを使わずに撮ることができる。広角レンズをつければ滝の近くまで寄って迫力ある写真をとれるし、望遠レンズなら遠くの鳥を大きく写せる。マクロレンズをつければ他のレンズではピントの合わない近さまで寄って虫や花を大きく撮れる。


二つ目の違いは背景ボケ。カメラには光を感じ取るセンサーという部品があって、センサーが大きければ大きいほど背景がボケる。iPhoneに入ってるセンサーより一眼カメラ(APS-C)のセンサーの方が数十倍も大きい。だからiPhoneより一眼カメラ(APS-C)ので撮った写真の方が全然ボケるし、さらに言うとフルサイズ一眼はもっとボケる。

iPhoneでもポートレートモードを使えばボケを演出できる。でもこれはiPhoneが遠近感を自動で判別して作ったもので、レンズに入る純粋な光によってできるボケとは違い、不自然なものになりがち。あくまで「演出」。(だと僕は思う)

人は肉眼で何かを見る時、注視しているもの以外が無意識にボケることで、邪魔な情報を遮断しているのではないか。だから、被写体にピントが合って背景がボケている写真は美しく見える。普段何かを注視してる情景と一致するからだと思う。


iPhoneより何十倍も重いカメラを持ち歩くのは何十倍も大きいセンサーを持ち歩くためであり、カメラより重いレンズを何本も持ち歩くのはiPhoneでは撮れない幅広い画角の写真をとるためだ。だからいい写真を撮りたかったらいいカメラは必須だと思う。

こんな言い訳を考えながら、ボーナス一括払いでフルサイズミラーレス(NikonZ5)をポチった。

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