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キャラクターと自分を重ねて

私は今でもコミュニケーションが苦手だが、高校生時代1,2年生の間、誰とも話さなかった。学校にいるのに声を発しない日が増えてくると、孤独感がどんどん増していき、見る風景はどこかモノトーンに見えた。

このようにまるで昨日体験したかのように書いているが、実はあまり高校生時代の記憶はない。消えたなら消えたでいいのだが、作家の五木寛之さんの本で

思い出したくないから忘れたふりをしている

と書かれてあって、そっちのほうがしっくりきた。だからか、18歳になるまでの記憶はどこかうすい。

私が集めている漫画、ヲタクに恋は難しいの10巻を久しぶりに読んだ。何回目か分からないが、今回も泣けるいい話なのだ。ヲタクに恋は難しい、略してヲタ恋。ヲタ恋の中には三つのカップルがあるのだが、私は桜城光(以下:コーちゃん)と二藤尚哉(以下:尚ちゃん)のカップル推しだ。

コーちゃんはコミュニケーションが苦手だが、尚ちゃんと関わっていくことで少しづつ成長していっている。この成長具合がとてもいい。一歩二歩よりも、もっと細かく半歩半歩と刻んで進んでいる。

私は高校生時代の生活を今でも苦しかったが悔いていない。

でも

とても無器用だった高校生の自分をコーちゃんと重ねながら読み進めていき、そのコーちゃんが尚ちゃんという特別な存在と接することで成長と幸せをつかんでいく姿は、高校生時代の自分が少し報われるようでありがたい限りだ。

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