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PANGEA ORGANICSが原点でした


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もうこのバーソープを日本で購入することができなくなってるみたい・・・

私の石けん製造の原点は、このPANGEA ORGANICSから始まったと言えます。

約15年前。

当時輸入化粧品を中心にヨーロッパの化粧品工場を巡っていた頃、このブランドの石けんを手にしました。

アメリカ製。

素朴でありながらもなんともシンプルで洗練されたデザインとパッケージ。そして、しっかり固まったコールドプロセスの石けんは、昔使われてた卵が入ってたねずみ色のボコボコのパッケージにそのまま裸で入っており、外側に窓があって中の石けんの香りを確認することが出来ました。

最も印象深かったことが、そのねずみ色した再生紙を利用したパッケージ。

そのパッケージにはなんと、ハーブの種が紙に埋め込まれてて、使い終わったら水で戻して土に埋めて、と書いてある!その土から芽が出てハーブが生まれてくる!そんなパッケージでした。

もう、その素晴らしいコンセプトにクラクラした衝撃を今でも覚えています。

今思えばあの出会いが私達のコスメづくりの原点だっかたも。

つまり、「循環型のモノづくり

今でこそ時代がサスティナブルな考え方を推奨していますが、私が石鹸作りに取り組んだ15年以上前から「循環型で持続可能なモノづくり」はすでに始まってたんです。

その後、久しぶりにパンゲアのサイトを見ると日本から撤退されたのか、出て来ません。新しく代理店が日本で準備されているのかわかりませんが、アメリカの友人に現地で購入してもらうため先月問い合わせてみたら、なんとこのBAR SOAPが販売中止になっていてダブルの衝撃でした。

現存する商品画像が上の1枚だけ。本国のNEW??PANGEAは、哲学やコンセプトはそのままのようですが、何か昔出会った時のような真っ直ぐで正直なモノづくりの感じが薄れていて、最近良く目にするいわゆるオーガニックコスメブランドとあまり変わらないイメージの普通のブランドになっています。

もちろん、内容が変わったかどうかはチェックしていませんし、今の商品が悪いといっているわけでは全然なくて、そのコンセプトも引き継がれているようなので素晴らしいと思いますが、明らかに当時の路線から変化が出ているのは確か。

コールドプロセス石鹸は、正直、利益が上がりにくい構造になっています。普通のスキンケア商品と比較して手間と時間と原料コストが大幅にかかるため原価率そのものが高くなります。
それは、標準重量が50gだろうが100gだろうが材料代が少し違うぐらいで、重量が半分になったからと言って原価が半分になるわけではありません。そのため、もしかしたら新?ブランドオーナーたちと話し合って、利益率の低い石けんをやめてもっとスキンケア寄りのブランドに変えよう、となったのかもしれません。

でも私は、このPANGEA ORGANICSのコールドプロセス石けんが大好きでした。

ベース油脂の殆どに確か「ヒマワリ油」を用いてて、当時「象の住み家がなくなる、森林伐採」で問題になっていた「パームオイル」の使用はなかったと記憶しています。(もしくは、*RSPOパームを使用していたかも・・・)*Raund Table Sustainable Parm Oil

乾燥もしっかりとされてたのを見るとおそらく仕込んでから2-3ヶ月しっかり乾燥させてたのでしょう。

長方形の石けんにブランドの刻印がなされ、ちゃんと面取り(角を落として丸みをつける作業)もされてて、いかにも手塩にかけた逸品、という印象でした。

とにかく、化粧箱にハーブの種が仕込まれててそれを土に返すと芽が出るって、あまりにも素敵じゃないですか?

実は、私たちボタニカノンも石鹸作りからスタートしたブランドで、今現在石けんのリニューアル中なんです。

先日、和紙に同様のコンセプトで種子を漉き込んだパッケージを考案して試作を試みようとしましたが、どうやら種がパラパラ落ちて厳しそう。

いろんな事を考えながら石鹸作りして利益率アップのために手前をかける部分と省ける部分を突き詰めてますが、やはり限界があります。

そのため石鹸に関しては「作り続けること」を第一目標に変えて、PANGEAさんのBAR SOAPように記憶に残る商品にしていきたいと思ってます。

石けんは時間とコストをかけて経済効率性を無視すればいいものが出来るのは間違いありません。(化粧品もそうですが)
だから本当は手作り石鹸が最強だと思っています。

PANGEA ORGANICSさん、ぜひまた新たに日本でその素晴らしいBAR SOAPの再販売をお願いします!


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