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殿堂入りのアロマオイル工場

鹿児島県指宿市にある『開聞香料園』をご存知でしょうか?
アロマオイルに携わる、アロマセラピスト、調香師の方は知ってて当然ですが、広くはスパサロンオーナーやナチュラルコスメの世界で活躍しようと思う方は、必ず見学しておいた方が良い『日本最古のハーブ園』と蒸留設備を備えたところ。

3代に渡り戦前から続いているエッセンシャルオイルのメーカーです。

2代目の宮崎泰さんは、東京大学大学院をご卒業された後、国からの依頼により遺跡等の発掘調査隊としてペルーに2年間赴任されたご経験を持ち、その後家業の香料園を引き継がれました。
ハーブの話をするとその知識量は達人級で、引き込まれるように、まるで講義を開いて下さってるように、ものすごく丁寧に解説をしてくださいます。

もちろん、上記の本は本当によく書かれており、私たちプロにとっての必読書かと。

開聞香料園では、戦前からクスノキ科の「芳樟(ホウショウ)」の精油を採油されていました。
園の周囲に植林されたホウショウの木は実に10,000本を優に越え、最盛期はさらに地元の農家の方に植林をお願いされていたようです。

また、その芳樟のエッセンシャルオイルを最盛期には年間5トンもヨーロッパに輸出されていたとの事です。

そしてなんと、その当時、副産物となっていたその「ホウショウ芳香蒸留水」を園内の噴水に使って、香りの噴水を演出されていたとの事❗️

園内を香水の噴水だなんて、なんてロマンチックなんてお話なんでしょう……!

ホウショウはじめ全てのエッセンシャルオイルは、この年季の入った蒸留機で作られます。
この初代機は今からおよそ80年近く前に作られ、今でも現役で活躍している水蒸気蒸留装置です。

約400キロ入るこの釜にホウショウの枝葉を入れて蒸留します。
ホウショウには、リナロールが多く含まれいる関係で深いリラックス効果を得られることができるエッセンシャルオイルです。
その量はラベンダーをも上回ると言われており、鹿児島大学との共同研究では、ホウショウの香りを嗅いだ後、血圧が下がったと言うデータもあるようです。

園内では、今から約60年ほど前の最盛期に輸入していたアロマオイルの缶が展示されていて、特別にその中の香りを嗅がせてもらうことに!


殆どの空のアロマオイルボトルからは酸化臭にかすかにアロマの香りが残っている程度でしたが、驚くことに、『ゼラニウム』だけはビックリする様な「熟成された香水」に変貌してました!
甘くて、深くて、妖艶な香りは、この世のものとは思えないほど素晴らしい香りで、まさに40年の月日が作り上げた天然の香水。
アロマオイルの世界は改めて奥が深いことを知ることに。
そしてそして、このボトルのラベル!
こんなオシャレなラベルにアロマオイルが入っていたんですね。
さすがヨーロッパです。

その他、少し見ない間に大きく成長した鹿児島産ティーツリーはもう安定的に蒸留水や精油を取ることができそうです。

ボタニカルファクトリーでは、開聞香料園様から芳樟、ティーツリーのエッセンシャルオイルと芳香蒸留水を化粧品原料として仕入れさせて頂いており、化粧水やクリーム、美容液、シャンプーなどに活用しています。

何より幸せなのは、地元にこの様に本格的な天然の香料メーカーが存在すること。

そして、宮崎泰さん、息子の宮﨑利樹さんの様に、豊富な知識とご経験をお持ちの方がいつもいらっしゃる事は、化粧品作りをする者にとってはこの上ない安心感があります。

開聞香料園さんは、毎週火曜日が定休日。
色んな方に知っていただきたい鹿児島の誇れる場所です。
ぜひ、足を運んでみてください。
開聞香料園サイト
https://koryoen.com/

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