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【従業員持株会】メリットデメリットを解説【実際に投資してわかった事】

資産形成に真面目に取り組む皆様!
本記事にアクセスいただき誠にありがとうございます!

■ はじめに

会社勤めされている方の中には、『従業員持株会』という投資選択肢を、お持ちの方もいらっしゃると思います。

この『従業員持株会』は良い投資先なのでしょうか?

結論を言ってしまうと万人にオススメ出来る投資先ではありません。かと言って全面的に悪い投資先というわけでもありません

結論としては、とても曖昧な答えとなってしまいますが『従業員持株会』への投資は、メリット・デメリットをしっかりと把握して、自身の場合は良い投資先なのか、悪い投資先なのか判断できれば幸せになれると考えています。

私の場合はまずまず良い投資先になり得たので、実際に投資をしてまずまずの利益を得ることができました。(この記事を執筆時も毎月一定額積立投資をしています。)

後述する記事が『従業員持株会』へ投資を検討されている方の、ヒントになれば幸いです。

■ 従業員持株会とは

『従業員持株会』とは、従業員のお給料やボーナスから自身で定めた積立金額を天引きして勤め先企業の自社株式をで購入できる制度のことです。

『従業員持株会』などと呼ばれますが、個別株をドルコスト平均法で購入しているだけで、本質は普通の株式投資との違いはそこまでありません。

当然、株価が上昇すれば差額分の利益が出ますし、株価が下降すれば差額分損失が出ます。また、勤め先の企業が配当金を出しているのであれば、配当金を受け取ることができます。

■ メリット

① 奨励金が出る (重要)

『従業員持株会』の最大のメリット、といいますか99%の人がこの「奨励金が出る」から投資を検討されるのではないでしょうか?

『従業員持株会』の制度で毎月購入する拠出金額に対して、勤め先の企業が数%奨励金を支給してくれます。

『従業員持株会』制度を導入している企業のほとんどが、この奨励金を出しているようですが、すべての企業ではないので注意が必要です。

私の勤め先では奨励金が拠出額の10%支給されます。10,000円の拠出で11,000円分の株式を購入できるため、株価が横ばいだったとしても奨励金分の10%、1,000円分が利益となります。

勤め先によって奨励金の支給額は異なるので、まずは自身の勤め先の奨励金がどれくらいになるのかが、投資判断の大きな材料となります。


② 申し込みしてしまえば、自動で積み立てられる

一度拠出額を決めて手続きしてしまえば、忘れていても毎月お給料から天引きして積み立ててくれるので、煩わしいことはあまりありません。

知らず知らずのうちに株式が購入されるので、自己管理が苦手な方でもハードルは高くないといえます。

※ 毎月の拠出額を変更したい場合などは、都度手続きが必要になります。


③ 少額から株式が購入できる

今でこそ1株から購入できる証券会社は増えたものの、それでも通常日本企業の株式を購入するのであれば、大体が100株(1単元)単位での購入が一般的です。

1株1,000円の株を購入しようとすれば、100,000円の購入資金が必要となります。

しかし、この『従業員持株会』制度では、1株から購入ができるため10,000円の拠出額と10%の奨励金であれば、11株(11,000円分)購入ができます。


■ デメリット

① 勤め先への依存度が高くなる

『従業員持株会』で勤め先の株式を購入するということは、収入と資産の両方を勤め先に依存する結果となります。

会社の業績が様々な要因で落ち込んだ場合、株価は下落しますので購入した株式の資産価値は減ってしまいます。そして会社の業績が落ち込むということはお給料が昇給しない、ボーナスが少なくなる、リストラが始まる、最悪の場合倒産という事態が想定されます。収入と資産の両方を一度に失う可能性があるのです。

リスク分散の観点から『従業員持株会』制度は、勤め先にリスクを多く取ってしまうためデメリットといえます。


② すぐに売却して現金化できない

株を売買するには通常の証券口座を利用した場合の売買に比べ時間が掛かります。私は通常の証券口座でも売買していますので、初めて『従業員持株会』の株式を売却する際、非常にもどかしく感じました。

まずは持株を普通の証券口座に移管する手続きが必要になります。大抵の場合、持株会が指定する証券口座への移管となりますので、その証券口座を開設しなければいけません。

例え私のように、事前に口座開設が済んでいたとしても、移管手続きから2、3日で終わるわけではないので注意が必要です。

また、メリットで少額から購入できると記述しましたがデメリットでもあります。売却する際は100株(1単元)単位となりますので、積立株式合計が100株に満たない場合は売却ができません。

いざ急用でお金が必要になった、ほかの投資商品スイッチしようと思っても時間が掛かってしまいます。臨機応変な運用が難しい点は大きなデメリットといえるでしょう。

※ 100株(1単元)に満たない場合でも解約手続きを行えば、買い取ってもらえる場合もあります。


③ 株主優待がもらえない

日本企業の中には、一定の株式を保有している株主に、株主還元の一つとして株主優待を設けている企業があります。

お食事券やカタログギフト、自社商品の詰め合わせなど株主に対してさまざまな優待があります。私もKDDIやオリックスを株主優待目的で保有しています。

『従業員持株会』では100株(1単元)以上所有している場合は、自分名義の証券口座へ移管しなければ、株主優待をもらうことができないので注意が必要です。


■ 『従業員持株会』への投資基準

ここまでメリット、デメリットを記述してきました。『従業員持株会』制度は勤め先から奨励金が出るため、一見お得に感じられますが、通常の株式投資とは違って売却に手間がかかったり、株主優待が得られなかったりといったデメリットもあります。

また『従業員持株会』は先述した通り、本質は普通に個別株に投資するのと大差ありません。まずは大前提として、投資する本人自身が個別株を投資するに値するかどうか判断できる能力がなければ、投資するのは控えたほうが良いと考えます。

自身で、勤め先の状況を判断し今後株価が上がっていくと判断できて、はじめて数多くある投資選択肢の一つになります。どんな金融商品でも、最終的には自己責任です。

世の中には奨励金数%以上の利益をもたらしてくれる金融商品もありますので、それらと比べて運用のイメージをつけてから購入しましょう。


■ 結論

・ 個別株を購入する場合と同様、投資するに値するか自身で判断する。

・ 自身のポートフォリオの状況と相談し、持株会に投資した場合にリスクの偏りはないか判断する。

・ 奨励金と株価上昇の差額益、配当金を計算してほかの金融商品と比較検討する。

以上、この3つができて最終的に投資するべきと判断した人は投資しても良いと思います。


■ おわりに

以上、『従業員持株会』についてでしたがいかがでしたでしょうか?

このような記事を執筆しておいてなんですが、投資は自己責任です。

私自身も『従業員持株会』へ投資しているのですが、手放しに良い投資先と思っていませんので、少額だけの投資にとどまっています。自身の勤め先ですが今の世の中何があるかわかりませんし、全面的に信用はしておりません。

皆さんも、もし投資をする場合はくれぐれも慎重に判断してください。この記事はその判断材料の一つとして考えていただき、参考となれば幸いです。

それでは皆様の資産形成ライフが良いものとなりますようにお祈りして、以上とさせていただきます。


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