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春画ブーム再び?〜「銀座の小さな春画展」感想〜

先日「銀座の小さな春画展」を見に行った。

自分と春画の出会いは、大ファンである時代劇「必殺シリーズ」のメインキャラクターである藤田まこと演じる中村主水が春画のコレクターだった事からだ。

主水は劇中でコレクションとして楽しむ傍ら、上司にこっそりと差し上げたり、自宅の間借り人の同じ趣味の女性と交換したりしていた。

劇中のそんな様子を見ていて、実際に見てみたいと兼ねてから思っていたのだが、永青文庫で「春画展」が開かれて、そこで念願叶って春画を初めて鑑賞した。(8年前というのが驚き!)

正直劇中の扱いからして、所謂エロ本のようなものなのかというイメージをしていたが、
実際鑑賞してみると、これがなんとも見事な!
艶かしい表情やたおやかな人物の曲線にうっとりしてしまい、局部の表現などもかなり直接的な表現(正直初見ではグロテスクだなと感じてかなりインパクトがあった。)ながらポルノ的なものとはまた違う魅力的なものだなとすっこり虜になってしまった。
シチューシェンや構成もいやはやよく思いつくなあというものも多くて(笑)、思わず笑ってしまうというかなんというか、今も昔もそういう部分は変わらないだなあと可笑しい。(実際笑い絵という要素あるらしい。)

春画の受容史も興味深く、性的なものがそこまでタブー視されていなく大勢の人が楽しんでいたというのは現代の我々の目からすると驚きだし、自分たちの性に関する認識も色々再考するきっかけにもなった。

というわけで展覧会も盛り上がって、これから日本でも春画見る機会が増えると思っていたのだが、それから音沙汰もあまり無く、ここ暫くはまとめて見たいと思っても、中々叶わず悶々とした日々を過ごしていた。(自分が展覧会等が開かれているのを知らなかっただけかもしれないが。)

ところが今年に入って急に春画関連の映画が2本も公開されると聞いて驚いた!しかも文言に「昨今ブーム」の春画とあって、どうやら自分の知らぬ間にまた流行り出していたらしい。

その記念に開催されたのが「銀座の小さな春画展」である。

春画自体見るのがかなり久々であったのでかなり楽しみにしていたのだが、こじんまりとしたギャラリーでじっくり鑑賞できるのは中々貴重な体験だった。

自分は春信や磯田湖竜斎が好きなので、湖竜斎の春画を見れたのは嬉しかった。
正直春画を自慰目的使われてたと言われても、俄かに信じらない部分があるのだが、春信や湖竜斎の描くものだったら何というかそそられるので、ちょっと納得するなと…まあこれはどうでも良い話ではあるが(笑)

笑ったというか面白かったのは"階段で事を及ぶという"春画。いったん何をどうしたらそうなるだよとツッコミどころが満載で、もしかしたら一番印象に残ったかもしれない。

他にも北斎や歌麿の作品はやはり見事だし、錦絵の作品などの色彩の素晴らしさを感じられて、構成の多様さにしてもやはり美術品としても色々見所があって面白いなぁと改めて感じた。

個人的には扇絵の小判春画の艶やかさというか美しさが気に入って欲しくなってしまった。
こういうのいくらぐらいするんだろう?

春画は海外ではかなり評価されているらしいが、8年経った今も日本では一般では評価されては言い難いし、国内で中々見れない状況は春画の魅力を多くの人に伝える意味でもあまりよろしくないと思う。今回の春画展や映画でまた話題なって、国内でももっと気軽に見れるようになるといいなぁと心から願っている。

自分は前期に行ったが、後期も入れ替わりが結構あるそうなのでまた伺おうと思う。
春画に少しでも興味ある人は是非とも見に行ったほうがいいです。かなりオススメです。
(特典の解説動画も春画を鑑賞する上でかなり勉強になってとてもありがたかったです。)

余談だが、銀座の蔦屋書店でずっと欲しかった8年前に買えなかった春画展の図録を遂に入手することができた!
ただお値段が7980円となかなか高額で、こんなにしたっけ?正直売り切れてたのか高すぎて買えなかったのか覚えてないので何とも言えないのだが、ちょっと気になったので。
まあ内容はやはり申し分なく、かなり満足しているのでいいちゃいいんだけど。








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