小川直樹先生の『イギリス英語発音教本』について書いてみる

たまにはイギリス英語発音の話でも。

今年の第1四半期入ってこの一冊をやりこんだ。

みんな大好き小川直樹先生の一冊である。

イギリス英語発音というか、Recieved Pronunciation(RP)を基礎の基礎から解説したものである。

イントネーションの解説にも1章が割かれているが、イントネーションばっかり練習したいという方には『もっとイギリス英語でしゃべりたい!』をおすすめする。


イギリス英語発音教本は個々の音素から解説している。多くの日本人が慣れ親しんでいるアメリカ英語との違いは母音に最も現れる。例えばオウである。noとかsoとかなんだけど、イギリス英語だとオウというよりもエウって感じである。後はオーとかアーとか、オアとかイアとかエアとか。

母音を徹底練習した後は、子音である。子音はアメリカ英語とそんなに違わないが、それでも違うところはあるのでそこもふんだんに課題が用意されている。

子音に関しては英米で共通の部分こそ日本人にとっては問題だと思われる。例えばヅとズを現代日本語では発音上は区別しない。だからroseとroadsが同じに聞こえてしまう。たいていは文脈からわかるんだけど、こないだCPEの過去問やってて完全に聞き間違えた、、、
というわけで本書では紛らわしい有声子音の練習課題も山程ある。

私は本書を購入して4年以上放置していたのだが、その理由は内容が地味に感じられたからである。だが今年に入ってから一念発起してやってみたら全くそんなことはなかった。収録されている音声を担当するのはこれぞRPというネイティブだし、日本語の解説は音声学的にマニアックになりすぎない範囲で丁寧に解説してある。

マニアックすぎないが、必要なことは全部解説してある。そういうバランスの取れたイギリス英語発音の解説書は、少なくとも日本語ではほぼない。英語ならあるが、日本人が学ぶならまず日本語の解説書が良いと思われる。

さらに本書が楽しい理由のひとつにイギリスでは普通に使われるが日本人があまり知らない単語がたくさん収載されていることである。またスペリングと発音が乖離することの多いイギリスの地名もたくさんあって嬉しい。そうした楽しみのために小川直樹先生は『キクタンBritish』という本も出されている。これも購入してパラパラめくってみたが、おもしろ単語がたくさんだ。


発音の練習は鏡を見ながら、適宜録音して、ちゃんとできてるか確認しながら進めるのが基本である。

しかしそうした地味な作業を一人でするのは難しいという向きもあろう。それに自分の録音を聞いてもちゃんとできてるか判断が困難なときもある。そういう人はコーチングを受けてみるのもいいのではないかと思うのであった。


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