檜垣立哉・平井靖史ほか『ベルクソン哲学の現在』読んだ

日本の主要なベルクソン研究者の対談を集めたもの。

対談なので気楽に読めるのだが、気楽に読みすぎてあまり頭に残らなかった。まあいいか。

4つの主著『時間と自由』、『物質と記憶』、『創造的進化』、『道徳と宗教の二源泉』を順に解説していく流れなのだが、前半2つはともかく、後半の2つはちょっとついていけなかった。

後期のベルクソンはオカルト的というか俺ジナルな感じで、こういうことだからドゥルーズが取り上げるまで忘れられてたのだなと納得した。
これは檜垣立哉氏の著作を読んだときにも感じたことで、後期の作品を扱うときはなにか著者も腰が引けているように思われたのである。


『物質と記憶』を扱う第2章は面白かった。平井靖史氏の『世界は時間でできている』の解説といった感じ。時間が流れるとはいかなる事態か、時間の重層性、記憶と意識の接地問題などなど。

しかしそんなことより平井氏は宮野真生子さんの同僚であり、藤田尚志氏との合同ゼミにも参加し、宮野さんの博論の主査は檜垣氏がつとめたという事実に興味をもった。それらの出来事が日本のベルクソン研究を違う次元にお仕上げたらしい。

だから近いうちに、昨年出たばかりの遺稿集も読んでみようと思ったのであった。


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