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2023.9.26(火)晴れ UBER嘘日記

UBER10件配達。UBER週間15件クエスト達成。menu1件配達。

 UBERをしていると、道端で何かに耐えるように立っている年配の方に時々出くわす。男性が多いように思う。俺も今は元気に自転車を漕いでいるが、じきそっち側に行くので、そういう先輩方を見ると胸がきゅーっとなる。挨拶は人をつなげる。今日はこの人に挨拶してみた。立ち話になった。先輩は神輿の担ぎ手がいないのを憂いていたらしい。先輩の視線の先には滝野川神社があった。

 秋祭りの時期だ。俺は先週、ふくろ祭りで神輿を担いだ。UBER中の挨拶でつながった商店街の顔役から声がかかってのことだ。俺は滝野川の先輩に言った。「俺、担ぎましょうか。UBERの若いのにもちょっと声かけてみます」 先輩は喜んだ。

「One love, one heart. Let’s get together and feel alright.」~ひとつの愛、ひとつの心。みんなで一つになれば、いい気分になれるさ~

 俺たちはそんな警句がプリントされたTシャツを着て配達している。同志の数はすでに30人を数えた。当初は劇団の在庫放出の意味合いで配っていたこのTシャツ、在庫は全部捌けた。在庫処分が成ってよかったね、でいいところ新たに発注をかけて、同じTシャツを配っている。原資はUBERのお友達紹介料。神輿もTシャツを着て担ぎます。

つづく

この連載小説のまとめ


この文章で上がった収益は、全てボス村松の演劇活動と植毛に充てられます。砂漠に水を。セイブ ザ ボース。