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#194 蹴球論20|1998年 フランスW杯 〜新将軍の誕生〜

ジョホールバルの歓喜を経て、日本が初めてW杯に出場した1998フランスW杯は僕の中で深く印象に残っています。


日本代表を振り返って

日本代表はなんと言っても開幕前のメンバー選考において、カズが外れるという岡ちゃんの大愚行の影響もあり、イマイチ盛り上がらないまま大会が始まった記憶があります。今思ってもカズは連れていくべきでしたね。
試合に出る出ないは置いておいても、ああいう魂をもった選手は連れていくべきでした。

そして、カズ不在で始まった初のW杯。
初戦アルゼンチン戦は一瞬の隙をバティに決められ、続くクロアチア戦も一瞬の隙をシュケル(後の大会得点王)に決められて、この時点でアルゼンチンとクロアチアが2勝して決勝トーナメント進出、日本とジャマイカは2敗で予選敗退決定。明暗が分かれるグループになってしまいました泣

そして、消化試合の最終節でジャマイカのウイットモアに2点決められ、3戦全敗というほろ苦いW杯デビューとなったのですが、最初からW杯で勝てるチームなんていないですし、ここ数年(ロシア&カタール)で2回連続グループリーグを突破できたのも、この時の苦い経験が糧となっていることは間違い無いでしょう。
その第一歩としてのゴンのゴールはやっぱり美しかった。日本のW杯第1号のゴールがゴンのゴールだったことを誇りに思います。


全体を通して、やっぱりヒデは別格でした。
そんな中でもみんながベストを尽くしてくれたと思っております。

そんな感じで続いたW杯でしたが、優勝のフランスは妥当でした。
やはりとにかく強かったですね。

そんな感じのフランスW杯を振り返ります。



印象に残った選手BEST10

10位 マイケル・オーウェン|イングランド

フランスW杯でセンセーショナルだったルーキーは、なんといっても若干18歳のイングランド代表FW・マイケル・オーウェンでした。
俺が15歳だったので、そんな歳の変わらない選手がW杯で点を取るというのはなかなか衝撃でしたね。
そしてこの試合後イングランドはベッカムがまだ若く、シメオネの喧嘩を買ってしまい退場し、アルゼンチンにPKで敗れるのでした。


9位 ホセ・ルイス・チラベルト|パラグアイ

GKなのに点を取りまくる、チラベルトもなかなかセンセーショナルでした。
得点ばかりが目立ちますがGKとしても優秀で、そしてキャプテンシーが素晴らしかった。
この大会、ベスト16で負けた時に、泣いていたDFの選手に対して「もう泣くな、我々は戦争に負けたわけではない」と慰める漢の中の漢。
そして現役引退後、パラグアイの大統領選に出馬したとかしてないとか笑


8位 ロベルト・バッジオ|イタリア

前回大会ではMVP級の活躍をしてたバッジョですが、世代交代の波でアレッサンドロ・デルピエロにユベントスの10番、そしてアズーリ(イタリア代表の俗称)の10番を譲ることになったんですが・・・それでも自身の誕生日である18番をつけて、調子の上がらないデルピエロの代わりに出場して予選で2ゴール。
流石のスーパースターですね。


7位 ドラガン・ストイコビッチ|ユーゴスラビア

そしてこの時期、現役のJリーガーがガンガンW杯で活躍してたのは嬉しかったですね。サンパイオなんて開幕戦でゴール決めてましたし、ドゥンガやレオナルド、あとはエムボマとかもですね。
そしてなんと言ってもピクシーです。ユーゴスラビアとして出場した最後のW杯でしたが、ピクシーの躍動は鮮明に覚えてますね。
名古屋でプレイするのと同じくらい、W杯でも自由自在にボールを操る、まさにファンタジスタでしたね。


6位 サンデー・オリセー|ナイジェリア

このゴールが一番印象に残ってますね。
スペインも2010年世代ほどではないですがこの頃も強くて、若き日のラウルが出だした無敵艦隊と呼ばれて優勝候補にも数えられていたんですが、そんなスペインの夢を打ち砕くオリセーのミドル!メッチャエグいです!
前回大会といい、ナイジェリアがこの時期アフリカで一番強かったですね。


5位 中田 英寿|日本

そしてなんと言っても我らがニッポン、中田英寿でしょう。
ジョホールバルあたりから完全に日本の中心となっており、W杯でもやっぱり群を抜いてましたね。そりゃオファーくるって話ですよ。
クロアチア戦のゴンへのラストパスとか印象に残ってますが、それ以外でも落ち着いたプレイをしており、この時期のヒデはマジで期待したものでした。
日本は全敗で終わっちゃったけど、ヒデのプレイは本当にワクワクしました。


4位 エドガー・ダーヴィッツ|オランダ

98年のオランダはメチャクチャ魅力的なチームでしたが、その中でもダーヴィッツはメチャクチャ衝撃でした。
ゴーグルはまだこの時期はつけてなかったですが、ドレッド無尽蔵のスタミナ、そして悪魔の左足と、めっちゃカッコ良かったですね。
ウイイレのマスターリーグで絶対取ってました笑


3位 デニス・ベルカンプ|オランダ

そしてフランスW杯で最も美しいと呼ばれているゴールはこれでしょう。
鬼トラップ、ワンタッチでの切り返し、アウトのボレー・・・とにかく芸術です。まさにアーティストでした。


2位 ロナウド|ブラジル

そしてロナウドも衝撃でした。
メッシとCロナウドが点を取りまくる少し前の時代、とにかく点を取る絶対的なエースと言えばロナウドでした。
早いし、テクニックあるし、落ち着いてるし、とにかく全てがパーフェクト。パーフェクト故に敵でいたときは脅威でしかない、悪魔のようなストライカーでした。
そして本当にBACK DROP BOMBのTAKAにクリソツです笑



1位 ジネディーヌ・ジダン|フランス

フランスW杯はジダンのためにあった大会と言っても過言ではありませんでした。
自国開催でエースで10番。圧倒的なボールタッチと創造性、そして点を取るスタイル。そして決勝で2ゴールで優勝というのも神がかっていましたね。
その次(2002)は負傷で失意のまま終わり、次の次(2006)はMVPとは言え決勝の悲しい頭突きであと一歩で栄光を逃したため、やはりジズーが最もW杯で輝いていたのはフランスでしたね。


ふりかえって

個人的にはオランダを応援してましたが、ブラジルとの激戦に敗れ、完全にやる気を無くして3位決定戦でもあっさりクロアチアに負けてましたが笑
ベルカンプとデブール兄弟、更にはクライファートやダーヴィッツ、コクー、ファンデルサール、スタム、そしてシードルフまでいたこの時期のオランダが一番強かったと思ってます。

そして何と言ってもフランスですね。
そしてフランスは翌々年にEURO2000も制覇し、黄金時代を迎えるのですが・・・次のW杯制覇はその20年後の2018年ロシア大会まで引っ張ることとなりました。

とにかく、そんな感じでフランスW杯は非常に楽しかったですね。


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