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#366 アルバム論11|MOTHER / LUNA SEA(1994)

これまでアルバム論でLUNA SEAの1st〜3rdアルバムを紹介させていただきましたが、今回は4thアルバムにして最高傑作の呼び声も高い、MOTHERを紹介させていただきます。




MOTHERとの出会い

多分中2の頃だったと思います。
この時期LUNATIC TOKYOが周りで出回っており、ある程度そこで歌ってた曲とかは知っていたんですが、やはりオリジナルを聴きたいということで、MOTHERは買わなければならないという強迫観念に駆られて購入した記憶があります。

全10曲と少なめの収録曲なんですが、それを感じさせない重厚な世界観。
まさに「母親」のタイトルに相応しい、壮大さと慈愛とこのアルバムから感じます。
後世に語り継がれるアルバムでしょう。


MOTHER全曲解説!

1. LOVELESS

以前のバンド論でも本曲は紹介しておりますが、その時も紹介した通り、まさに1曲目に相応しい曲ですね。
割とミステリアスな感じで始まり、徐々に盛り上がっていってサビまで焦らして焦らして、綺麗なサビを2回演奏して終了という曲です。
とにかくライブで1曲目に聴きたい曲ですね。

タイトルはLOVELESS「愛が無い」の意味ですが、当時流行っていた援助交際をテーマにした曲であり、まさにLOVELESS LOVEMAKINGなんて愛のないペッティング、まさにそのままですが、そんな感じで乾いた当時の情勢を憂う曲です。
そして今回初めて知ったんですけど、この「LOVELESS」は伏線となり、最後に活きてきます。


2. ROSIER

この曲も紹介するまでも無いでしょう。
恐らく日本中の方が知っている曲では無いでしょうか?

LUNA SEAを代表するシングルであり、ライブでも起爆剤として終盤で演奏され、最高に盛り上がるというとっておきの曲ですね。
Jが作った曲ですが、その攻撃的なイントロのリフと、ギミックが散りばめられたAメロ〜Bメロ、そしてサビ、そしてJの語り!Jの語りとマイクスタンドのバックドロップ、これは是非ライブで体感したいですね。

ちなみに意外と知られていないROSIERの意味はROXY(バラ色の)の比較級であり、LONGでいうところのLONGERみたいな感じなんでしょうが、女性の名前にも聞こえますね。
色々な意味があるのでは無いでしょうか?


3. FACE TO FACE

この曲は最初は「暗い曲だな・・・」と思って、そこまで琴線に触れてなかったんですが、このようなダークでヘヴィーな曲こそLUNA SEAの最骨頂であると気づいて以降、見た目が変わりました。INORANっぽい曲ですね。
インダストリアルとも呼ばれていますね。

ライブでもわりかし演奏機会は多く、1〜5曲目くらいまでは攻撃的な曲で盛り上げて、ちょっとクールダウンする際にセレクトされがちな曲ですね。
RA-SE-Nの兄貴分的な曲であり、gravityの弟分的な曲でしょう。


4. CIVILIZE

この曲も好きですね。ライブで盛り上がる曲です。
僕はこの曲の歌詞で「カリスマ」という言葉の意味を知りました(もしくは湘南純愛組だったかと)
曲の構成が面白く、イントロ→Aメロ→Bメロ→Aメロ→Bメロ→サビ→ギターソロ→サビ→B→A→B→A→アウトロと、ギターソロを起点にシンメトリーになっているんです。これは椎名林檎にもできない芸当ですよ!

「Don't Care!」とかライブで言いたい・・・そんな曲です。


5. GENESIS OF MIND 〜夢の彼方へ〜

この曲はRYUICHIが亡くなった友に捧げた鎮魂歌のような曲と聞いています。アルバムの中ではとにかくまぁ長く、アルバムを2部に分けるのであれば、この曲が第1部ラストという感じですね。
終始ローテンポのバラードであり、当時は途中で飛ばしていた記憶もありますが・・・全部通して聞くと美しい曲です。

ラスサビの「青い空〜ラララ〜」のところは好きですね。


6. AURORA

これも前回のBEST10で紹介しましたが、かなり思い入れのある曲です。
メチャクチャ美しい曲じゃないですか?
この曲を美しいと思う感性を持つ人と、一緒に仕事したいですね、

とにかく冒頭のノイズがかかったサビの語りから良かったりするんですけど、とにかくイントロが壮大ギターは主張しすぎず、ベースが渋く、ピアノが美しい
イントロのままAメロが始まりますが、まさにこの手のロックバラードはRYUICHIの真骨頂でしょう。澄んだ歌声がマッチして、最高にカッコいいです。
もっとこの曲は評価されて良いはず!
シングルで切ってもいいところまでいってたと思います。


7. IN FUTURE

そんな感じでゆっくり目の曲を2つ続けて、ここで超ハイスピードパンクナンバーですよ!IN FUTURE!
とにかく早く、粗く、最高にテンション上がる曲です!Jが作った曲ですが、さすがJ!真骨頂です。

歌詞は全部「漢字とカタカナ」という独特の世界観で、辞世の句を思われるリリックで、思わずモールス信号じゃないかとミスリードして読んでしまい「ヒヤマ ハ ムラノイキノコリ」と見て、誰だヒヤマって・・・と思ったものでしたが、それは金田一少年の事件簿の墓場島殺人事件ですね。
話がそれました笑

とにかくBPM早めで、SUGIZOのリフといい、真矢のリズムキープといい、エフェクトのかかったRYUICHIのボーカルといい、CDでも十分かっこいいんですけど、ライブではこのLUNATIC TOKYOのIN FUTUREが最高。
Jの「RUDE BOY!」は鳥肌もんです。


8. FAKE

このアルバムで唯一ライブで演奏されてない曲らしいです笑
なんでか分からないですね・・・

もう主役が多すぎるこのアルバムでは陰が薄いですが、まだ荒削りのIMAGEとかEDENとかにいたらかなり目立てた気がしないでもないですね笑
僕は結構ベースが主張していたり、リズムが独特なので好きだったりするんですけどね。


9. TRUE BLUE

そしてこれでしょう。
初のオリコン1位に輝いた曲で、ノンタイアップを貫き、実力で頂点に輝いたという思い出の曲ですね。
とにかく構成はクソシンプル。ベースは最高に簡単で、割と初心者向けの曲ですね。恐らくJも割とすぐ作れたのではないかと勝手に思います。

シンプルでメロディアスでライブで盛り上がるんですが、シンプル故に徐々に物足りなくなったりして、ギミックが多い曲を好んでしまう僕の嗜好はありますが、それでも最高に盛り上がる曲です。
カラオケで誰かが歌っていたら、「・・・true blue・・・」と語りたくなってしまう人は多いでしょう笑


10. MOTHER

そして本作MOTHERの最後を締めくくるのは、表題曲であり、LUNA SEA史上最高と言っても良いロックバラードのMOTHERです。

もうこの曲以外にラストに相応しい曲はないですし、その雄大な世界観、メロディ、優しさ。全てがラストに、このアルバムを冠したMOTHERというタイトルに相応しい慈愛によりリスナーにカタルシスを与え、余韻を残してこのアルバムを締めくくれる最高の曲ですね。

僕はこの曲の歌詞が好きで、よくLUNA SEA好きの友人の机に「古代リレーフは語る」と勝手に書いたりしてました笑

そしてMOTHERのMVのコメントを見ていて、「言われてみればそうだな」と気づいたんですが、このアルバムはLOVELESS(愛がない)で始まり、最後のMOTHERで「愛が欲しい、愛してほしい」と叫んで締めくくる展開であり、アルバムを通して「愛を知る」「愛に気づく」という粋な隠れた演出があると知り、25年くらい経って改めて魅力を感じましたね。



おまけ1. RAIN

アルバムは上記のMOTHERで終わるんですけど、おまけに2曲!
この曲RAINはROSIERのc/wなんですけど、メチャクチャいいです!
LUNA SEAのc/wの中で下手したら一番好きかも知れない名曲ですね。

上記のFACE TO FACEの仲間的な曲で、序盤はゆったりとしたベースがカッコいい(LUNA SEAのベースは全部かっこいい)曲なんですが、2番目のサビの途中で変調する部分、
「今まで全て忘れてしまうだろう」のところが鳥肌が立つくらいカッコいいです。是非、この曲も聴いて欲しいですね。

LUNA SEAはこの時期、c/wにも力を入れるのが非常に僕の好きなポイントです。黒夢とか、ももクロとかにも通じるものがありますね。


おまけ2. FALLOUT

これはTRUE BLUEのc/wなんですが、この曲はRAINほど思い入れはないです笑
ただ、この曲も独特な世界観を持っていて、とにかくイントロで引っ張り、変拍子のリズムをキープし、そして全然ポップでもなく抑揚のないメロディ。実験作と呼べるでしょう。
そして、SUGIZOのギターソロは最高に美しい。


まとめ

そんな感じでモンスターアルバムMOTHERを振り返りました。

「MOTHER、Mを取ったらOTHER、他人です」
昔そんなCMありましたね。ちょっと頭に浮かんだんで書いてみました。

そんな感じでLUNA SEAの1stから4thまで振り返りました。
5thのSTYLEと6thのSHINEはどうしようか考え中ですが、いずれにせよ一旦LUNA SEAからは離れたいと思います。
次はXかな。

やはりアルバムについて語るのも楽しいですね!

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