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#247 アルバム論②|ANGRY FIST / Hi-STANDARD(1997)

続いて紹介するアルバムは、前回紹介したGROWING UP同様、人生で1番目か2番目か3番目に聞いたアルバム「ANGRY FIST」をご紹介。
とにかく、最高のアルバムでした。



ANGRY FISTとの出会い

GROWING UPを聞いて、速攻聴きたくなった記憶があります。
多分GROWING UPを買って1ヶ月後くらいだったと記憶してます。

とにかくGROWING UPを聞いて、完全にハイスタに魅力されていた僕は、ANGRY FISTを早く聴きたくて、聴きたくて、仕方がなかった記憶があります。
で、買って、聴いて、ヤられました。マジで本当に全曲カッコいい!捨て曲無し!
正直GROWING UPには飛ばしがちな曲がありましたが、ANGRY FISTはバランスが非常に良く、マジで洗練されたアルバムでしたね。

あと個人的に大好きなのはこの時期のハイスタのスタンス。
全員坊主にしてしまうというスタイルとか、マジで最高に好きですね。
見てくれだけでなく音で評価して欲しいというその姿勢もそうですし、何より全員坊主で演奏するのがメチャクチャカッコ良かったですね。

ネットで拾ったレアなインタビュー記事の写真


ANGRY FISTの歌詞カード紹介

抜かりなく輸入版もGETしています。
輸入版は謎に、超名曲のclose to meが未収録です!これはダメです!


この赤〜オレンジ〜黄色のカラーリングに憧れました。
あとこのRADはどういう意味なんだろう?


歌詞カードも赤〜黄〜白のグラデーションがカッコいいですね。


久々に見ましたが、こんなチャリの背景とかあったんですね…


そして見てしまうSpecial Thanks
NoFXとかGREEN DAYとかをサラッと書けるのがカッコいいですね。
この頃から使っている「SOUNDS LIKE SHIT」
20年後位にDVDのタイトルになりましたね・・・


和訳の歌詞はポスターになっています。
四隅に穴が空いているのは、これを部屋に貼っていたからですね!


これも見まくりました。翻訳を見るのが最高に好きです。


輸入版はシンプルですね。


抜けた歯にいるというシュールな構成笑


ANGRY FISTとGROWING UPの比較

個人的な印象ですが、GROWING UPは主人公が少年で青春ど真ん中だった印象がありますが、ANGRY FISTはその主人公がまさに成長して、青年〜大人になった印象があります。
GROWING UPの1人称が「僕」なら、ANGRY FISTは「私」とかでしょうか。そして、続くアルバムMAKING THE ROADでは「俺」になる感覚があるんですが・・・これは恐らく僕しか理解できない感覚でしょう笑
忘れてください笑

周りの友人などでは「ANGRY FISTが一番いいよね」という声も多いです。
僕もバランスが一番いいのはこのアルバムだと思いますが、初めて聞いたGROWING UP、リアルタイムで聞いたMAKING THE ROADと比較すると、ちょっとインパクトは弱くはありますが、それでも日本パンクロック史を代表する。モンスターアルバムなことに疑いはないですよね。


ANGRY FIST 全曲紹介

1. START TODAY

モンスターアルバムANGRY FISTの1曲目は、この1分弱で終わるナンバーで始まります。
まさに1曲目に相応しい、THE 1曲目。今日が始まるという意味の「START TODAY」
現在のZOZOの前身の社名「株式会社スタートトゥデイ」は、元SWITCH STYLEのドラマーはこの曲から拝借したのでしょう、

この曲はギタリストが弾いていて気持ちいい曲でこれまで一緒にハイスタのコピーバンドを演奏したギターの何人かが「START TODAY演ろう」と行ってきたのですが、ことごとく断った記憶があります笑

やっぱこの曲は歌詞がすげー好きです。
この歌詞の通り、色々な節目で聴きたくなる曲ですね(新年とか)

I gotta start today with a brand new feeling
新たな気持ちで今日を始めよう

もう、このフレーズに尽きるでしょう。
1分弱でシンプルに終わり、次のENDLESS TRIPに繋がります。
この繋がりもいいんだよねえ。

ライブでは・・多分聞いたことないですが、下記のMAKING THE ROAD TOURの演奏がカッコいいっすね。


2.ENDLESS TRIP

この曲は以前のBEST10でも紹介しましたが、本当にワクワクする名曲です。

イントロも楽しいし、歌詞も「Like A Being In The Strange Dream(不思議な夢の中にいるみたいだ)」から始まるワクワクした内容。
そして盛り上がるサビも、間奏も、Cメロも最高。
本当にこれほどテンションの上がる曲もそう無いでしょう。

この曲はANGRY FISTの時点で相当好きでしたが、MAKING THE ROAD TOUR FINALで演奏した印象も強いですね。
難波の「ツアーは終わるけど、俺たちの旅は終わらないぞっていう・・・」という件、セレクトしたセンスなど全てがカッコいい。

XのENDLESS RAIN、ミスチルの終わりなき旅、ブルーハーツの終わらない歌など、「ENDLESS(終わらない)」系の名曲は多いですが、この曲も本当に素晴らしいですね。
いつまで経っても色褪せない名曲です。

前にも書いたけど、本当にこの歌詞が大好きですね。

Yeah, gonna make it work
And find the power inside us
Yeah, gonna make it work
Nobody can control us
We'll be changed by this endless trip

さあ やるしかないんだ
自分達の中にあるパワーを捜し出すんだ
さあ やるしかないんだ
誰も俺達をコントロールできるヤツなんかいない
俺達は変わるだろう この終わらない旅で


3.FIGHTING FISTS, ANGRY SOUL

そしてこの曲です。
アルバムのタイトルにもなった「戦う拳、怒れる魂」・・・とにかくカッコいいです。
ライブで超絶盛り上がる曲ですね。

とにかくシンプル極まりないですが、冒頭の「Go!Boys!」「Go!Now!」「Go!Fight!Noooooow!」の時点で拳は高く上がり、まさに曲の通り、拳を高く掲げてこの曲も盛り上がってしまいます。
Aメロはシンプルですが、Aメロとサビのブリッジの部分とかは本当に多くのキッズ達が練習したでしょう。
そしてサビも最高に盛り上がります。この曲は演奏するのも、ライブで聴くのも本当に楽しいですね。

そして一番この曲が愛されたのはギターソロでは無いでしょうか。
ギタリストは大抵この曲のソロを練習します(俺も多分今でも弾けます)

そして最後、ドラムだけになるところとかも最高に好きですし、最後の「Go!Fight!Now!」まで、最初から最後まで全力で盛り上がれることができる曲です。

AIR JAM2011の演奏とかがすごい良かったですね。
復興を「拳」にかけて演奏し、更にはその拳はAIR JAM2012にも繋がりました。本当に最高にテンションが上がる大好きな曲です。


4.SHY BOY

この曲も本当に好きでした。
このアルバムではこの曲かCLOSE TO MEが一番BPM早いと思いますが、この曲のイントロは本当に憧れました。
Aメロもメロディアスで大好きでしたし、シンプルなサビも◎。
そしてちょっとテンポダウンしたとことかすげー好きでした。

My Way Is Action Not Words
俺のやり方は"不言実行"

この動画が収録されているVHS「ATTACK FROM THE FAR EAST2」は人生で一番見たVHSだと思いますが、この曲は見まくりました。
難波のボーカルもカッコいいし、ケンのTHRASHERのTシャツに至っては買ってしまいましたし、そして何よりツネのドラムが鬼。

砺波に前作GROWING UPでは4曲目が「SINCE YOU BEEN GONE」と、ちょっと箸休め的なカバー(筆者の所感です)が入ってるのに対し、本作は4曲目でアルバムで一番上がると言っても過言ではない曲が収録されており、とにかく「攻めの姿勢」を貫いています。

再始動以降、GOOD JOB RYAN TOURで1回やっていたのは確認しましたが、なかなかのレア曲になってしまっている模様。
ライブで聴きたいですね・・・


5.MY HEART FEELS SO FREE

そしてメンバーからも愛されたこの曲。
ライブではかなりコンスタントに演奏され、MAKING THE ROADのツアーでも、THE GIFTのツアーでも多用されており、このアルバムの中では一番演奏頻度多いんじゃ無いですかね?
次作「MAKING THE ROAD」の5曲目、DEAR MY FRIENDと比較しても、ハイスタはアルバムで隠れた(隠れてないけど)とっておきの曲を5曲目に持ってくる傾向が垣間見えます。

この曲はイントロがすごくいいですね。
和音のベースはハイポジションでなかなかストラップの低い僕には難易度大ですが、ギターとの連携やシンプルな構成。最初から最後まで楽しく、最後のジャンプまで最高に盛り上がります。

その中でこの曲がイカしているのはコーラスですね。
ケンのコーラスが最高に聴いていて気持ちいい。
バンドにとってもですが、ファンにとっても非常に大事な曲ですね。


6.STOP THE TIME

この曲はとにかくメロウです。このアルバムで最もメロウで泣ける曲ですね。中学3年生でサッカーを引退した頃を思い出して・・・本当に切なくなります。

もうこの曲はギターのリフ(ソロ)に尽きるでしょう。
イントロと2回目のイントロのパターンA、そしてギターソロとアウトロのパターンB。ちょっと違いますが大きく2パターンですが、2つともマジで最高に染みます。
あまりにも素晴らしすぎて、ベーシストである僕もギターを覚えてしましました。多分今でも弾ける気が。
歌詞も素晴らしく、泣けるラブソングですね。

ライブではFAT WRECK CHORD 25thで聞いたけど、すげー良かったですね。


7.HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN

ここでようやくカヴァーが入ります。
CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)のカヴァー、HAVE YOU EVER SEEN THE RAN(邦題:雨を見たかい)。名曲ですね。
疾走感あふれる良カヴァーです(イントロのベースが◎)

この曲の思い出は、高校時代の僕の聖地だったライブハウス 兼 スタジオ。
忘れましたが夜にスタジオで練習して帰ろうとしていると、急に「すいません、ベース貸してもらえませんか?」とライブに来ていた観客から打診があり、話を聞くと「ライブの演奏中のバンドのベースの弦が切れてしまった」「もう1バンド出演するけどそのバンドは5弦ベースだから弾けない」とか、そんな理由で打診があり、快く快諾してベースを貸してあげたんですが、その中断明けで「すいません、お待たせしました、やります!」と言って始まったのがこのコピー。
群衆としてライブを見てましたが、拳を振り上げてモッシュピットで踊り、仲良くなりましたね(友達の友達であることも発覚したりしました)

この曲を聴くと、その頃のエピソードを思い出しますね。
全く関係ないですけど笑


8.MY SWEET DOG

ハイスタはアルバムにちょっとおふざけ的な曲を入れる傾向があり、GROWING UPで言うとSELFISH GIRLとかGROOVY CREWとかで、MAKING THE ROADで言うとGREEN ACRESやPENTAXがそれに該当するのですが、今作でその「おふざけ枠」はこれでしょう。
犬の曲ですからね笑

この曲はベースが簡単かつ目立つので、割とベーシストの登竜門的な曲でしたね。GROWING UPでいうNEW LIFE的な感じで、ベース初心者はこの曲から覚えたと思います。

ハイスタが歌詞で「Hi-STANDARD」と言う、おそらく唯一の曲ですね。


9.SPREAD YOUR SAIL

この曲はギタリストなら誰でも好きになる、攻撃的なナンバーですね。
もうイントロに尽きると思ってますが、とにかくクソかっこいいです。
ken yokoyamaのギタリストとしての全てがこの曲に詰まってますね。

過去のツアーでライブでも1曲目でやったり、それなりのキラーチューンとして扱われています。
ライブで聴いたことは無いですが・・・配信限定のTHE GIFT EXTRA SHOWの音源の本曲は非常に◎。コーラスもたまりません。


10.PATHETIC MAN'S SONG

このアルバムで一番ハイスタらしくない曲でしょうか。
普通に良い曲ですし、ギターのイントロやAメロ、そしてサビなどがメロディアスで非常に優れた曲なんですが、正攻法すぎて若干アルバムでは浮いている感じというかなんというか・・・

僕の地元のヤンキーは「この曲いいよな・・・」と語っていたりしたので、市民権はしっかり得た曲ですよね。
ライブでの演奏は聴いたことがないです。


11.GOTTA PULL MYSELF TOGETHER

NOLANSのカヴァーです。
当時のインタビュー(INDIES MAGAZINE)によると、あえてダンシングシスターではなくこの曲「恋のハッピーデート」をセレクトしたそう。

自分は元々原曲がある情報を知らずにこの曲から入りましたが、冒頭のベースのイントロやいい感じに早いAメロ、聞かせるBメロ、そしてゴキゲンなサビなど大好きになりました。

一番好きなのは「Yeah, Baby I Want You」のところですね。
この歌詞は本当に最高です。
ハイスタのカヴァーの中ではかなり好きな方の曲ですね。


12.CLOSE TO ME

SHY BOYと並んでBPM高めの曲ですが、この曲は本当に大好きですね。このアルバムで1〜2番目に好きです。
中学校時代は本当に毎日のようにATTACK FROM THE FAR EAST2の、AIR JAM97のこの映像を見てて、母親に「あんたもこんな髪型にしたら?」と言われたくらい見てましたね笑(多分難波を指していた)

この曲はイントロからアウトロまで全て素晴らしいんですが、
僕が個人的に一番好きなのは歌詞の重複表現のところです。

Oh...I gotta keep on,keep on moving
俺は動き続けなければならない

I don't know the reason I can't say sweet,sweet words
理由なんて知らない 甘い言葉も言えないけど

この「keep on keep on」と「sweet sweet」がすごい好きです。
意味は特になく、なんとなく歌詞の収まりが良かったからこうしたとかそんな理由だと思いますが、ここがすごく染みましたね。

そしてライブでは意外と乗りにくかったりするので、ひたすら聴いていたい。
そう思わせてくれる、最高のアンセムですね。



13.SUNSHINE BABY

この曲も楽しく、盛り上がれて、大好きな曲です。

ライブで何回か演奏したことがありますが「イェイ、イェイ」とオーディエンスが盛り上がる、非常に演奏しごたえがある曲です。
メロディも素晴らしいですね。

個人的には下記の歌詞が一番好きです。

Good times with the bad times,
Baby we can get through this life


いい時も悪い時も きっと俺達は乗り越えていけるさ

あとこの曲にまつわる思い出としては、高3の頃、他校の女子生徒とコンパしたんです。
そこにいた1人の娘が「ハイスタが好き」というかなり俺を上らせるワードを言い放ち、何の曲が一番好きか聞いたところ「SUNSHINE BABY」と即答していましたのを思い出します笑


14.THE SOUND OF SECRET MINDS

そしてこのモンスターアルバムを締めくくる曲がTHE SOUND OF SECRET MINDS。
このアルバムの収録曲で唯一ちゃんとしたPVを作っているので、メンバーの思い入れも垣間見ることができます。

冒頭でも触れましたが、まさにこの曲がこのアルバムを象徴している「大人なハイスタ」な感じがしますね。

Learn and work and love someone
Oh, getting older and tired


学び働きそして誰かを愛する
年を取り疲れていく

社会の荒波に揉まれて「怒り」「戰い」を大事にしようという趣旨のアルバムの中で、新しい明日を、帆を広げて航海し、終わらない旅に出ようというのは全てビジネス的な感じもしますし、その上で恋愛も大事にしていこうねというのを、この曲の冒頭の歌詞感じます。

そしてこの曲は、そんな疲れた時こそ、自分を偽らず「隠した自分の音を聞け!」という趣旨。すごくまとまってる感じがして好きですね。

僕の地元のサッカー部の後輩のヤンキーは「この曲が一番好き」と言ってましたので、いつも奴を思い出しますが・・・
そんないろいろな人の心の支えとして残っている、ハイスタを代表する名曲ですね。


15.PINK PANTHER'S THEME(SECRET TRACK)

そしておまけのピンクパンサー!
このベースラインを練習した人は多いのではないでしょうか?

一番愛されてるシークレットトラックですね!


ANGRY FISTを振り返る

GROWING UP編に続いて、またもや長文を書いてしまいました。

とにかく、本当に完成度は高く、レベルの高さを感じるアルバムですが、メンバーはあまり気に入ってないみたいなんですよね(当時のインタビュー)
それでも僕のように、多くのキッズ達がこの時期、この曲を当時最先端だったMDに収録し、毎日聞いて人生を変えたのではないでしょうか。

そんな感じでGROWING UP、ANGRY FISTと紹介しましたが、最後はもちろんMAKING THE ROAD。
この3枚が人生で最も聞いたアルバムの1〜3位なので、次も熱量高く書きます笑

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