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#517 蹴球論48|2004年 ヨーロッパ遠征 〜Dragon Night〜

タイムスリップして2004年、僕が一番サッカーを楽しんでいた時期の手記を紹介しておりましたが、ここ数回は2023年Jリーグ(というかコンサドーレ)の総括や、レジェンド小野伸二の引退などを紹介しましたが、再度時計の針を2004年に戻し、今回はヨーロッパ遠征の手記を綴ります。

この時期のジーコジャパンの試合はメチャクチャ面白かったです。
采配に関しては依然として「・・・」ではありましたものの、とにかく相手がスーパービックネームで、とにかくエグかったので楽しかった。

以前に紹介したドイツW杯2次予選の最中、時期的には2004年4~6月と、アジア予選のシンガポール(A)とインド(H)の間の4連戦でしたが、とにかく盛り上がった。

こうした強豪と試合ができたのが、ジーコのコネクションであると考えると凄いと思ってしまう。
とくにチェコなんて、この直後のEURO2004でベスト4となったチームであり、イングランドに至っては当時一番強かった気すらします。
そんなチームと対戦できるのは本当にゴイゴイスーなんです。

今でいうとメッシとかが監督になったチームなので「メッシはん程の方の依頼だったら試合しまひょ!」みたいな感じで、当時のスーパースターからの打診であれば試合に応じるというのが中々すごい。
そういう意味だと森保一はちょっとネーム・ヴァリューに欠けてしまいます笑

とにかくこのヨーロッパ遠征のヒーローはまぎれもなく、ドラゴン久保竜彦でした。
4試合で4点!とにかく無双状態で、無敵のドラゴンダンスを踊ってくれました。辰年ということで、こちらの楽しかった日々を振り返りましょう。


ヨーロッパ遠征 戦績

第1戦|日本 2●3ハンガリー(2004/4/25)

スタメンはこんな感じでした。

GK  1 楢﨑 正剛(名古屋)
DF  3 坪井 慶介(浦和)
DF 22 田中 誠(磐田)
DF   5 茶野 隆行(千葉)
MF   8 西 紀寛(磐田)
MF 15 福西 崇志(磐田)
MF   4 遠藤 保仁(G大阪)
MF 14 三都主アレサンドロ(浦和)
MF 16 藤田 俊哉(ユトレヒト)
FW 11 久保 竜彦(横浜FM)
FW 20 玉田 圭司(柏)

折角の東欧遠征に関わらず、メンツとしては国内組を中心とした何とも言い難いメンツ。中田英・俊さん・小野・稲本・宮本・中澤・高原・柳沢とかその辺のメンバーが不在で、あんま覚えてないですが、怪我とかが理由だった気がします。
対するハンガリーは監督がドイツの一時代を築いたローター・マテウスでした。

そして後半、あれよ、あれよというタイミングで2失点するんですが、途中出場の本山雅志(鹿島)が躍動。
確かトップ下で途中出場して、そこから玉田の反撃弾をスライディングでアシストし、そしてDFとGKの間の嫌な所に転がして、最後はドラゴン久保が左足でフィニッシュ!同点に追いつきます。
久保と玉田はドラゴンボールと呼ばれ、そこそこ相性が良かったですね。

しかしその直後、中東の笛ならぬ「欧州の笛」で、茶野がエリア内でPKを取られて2-3で惜敗。
試合後に切れたジーコが荒ぶってた記憶がありますね笑


第2戦|日本 1〇0 チェコ(2004/4/28)

そして、この1戦を覚えている方は多いのではないでしょうか?
日本サッカー界がその名を世界に轟かせた?名勝負でした。

スタメンはハンガリー戦からMFを2枚チェンジ。
経験豊富なボランチが2人入ります。

MF 15 福西 崇志(磐田) → MF 18 小野 伸二(フェイエノールト)
MF   4 遠藤 保仁(G大阪) → MF   6  稲本 潤一(トットナム)

当時のチェコはかなりエグかったですね。
前年2003年のバロンドールであるパベル・ネドヴェドを筆頭に、2mある心優しき巨人・ヤン・コラー(コレル)、他にもロシツキー(前田敦子似)、バロシュツェフポポルスキースミチェルなどビッグネームが揃い、ウイイレでもチェコを使うやつは多かったです。

後のユーロ2004でもベスト4まで行きましたし、多分この時期のチェコが歴代でも一番強かったんじゃないですかね?昔とかは知らないですが…

そんな強豪チェコでしたが、今回はEURO2004に向けた調整だったと思われ、そこまでガチンコでは無かったと思うんですが、それでも世界レベルのチーム。
そんな相手にドラゴンのビューティフルゴールで先制!!

それを守り切って1-0の大金星!
ジーコジャパンで数少ない、エキサイトした試合の1つでした。

この時期、TATSUHIKO KUBOの名前は世界中に轟きましたね。
少なくとも日本(僕らの周り)では相当盛り上がっていましたが…


第3戦|日本 3〇2 アイスランド(2004/5/30)

そして、1か月後の遠征では若干メンバー変更があり、スタメンはこんな感じでした。

GK  1 楢﨑 正剛(名古屋)
DF   3 坪井 慶介(浦和)
DF   5 宮本 恒靖(G大阪)
DF 22 中澤 佑二(横浜FM)
MF   6  稲本 潤一(トットナム)
MF 10 中村 俊輔(レッジーナ)
MF 14 三都主アレサンドロ(浦和)
MF 18 小野 伸二(フェイエノールト)
MF 21 加地 亮(FC東京)
FW   9 久保 竜彦(横浜FM)
FW 20 玉田 圭司(柏)

黄金の中盤をベースに3-5-2で、恐らく中田英がいないこのフォーメーションが皮肉にも最適になってしまった感じもありましたが…
この時点で恐らく最強の布陣で挑みました。

で、相手のアイスランドには、当時チェルシー所属だったと思いますが、グジョンセンというワールドクラスが1人いました。いいFWでしたね。

そして今だと考えられない話ですが、この試合は録画放送だったんです笑
流石に報道規制こそ敷かれてメディアは報じていませんでしたが、ちょっと調べたらわかる時代。僕はアホだったんで調べてしまい、3-2で勝ったというスコアを分かっていて試合を見るというレアな事をやっていましたね笑

そしてこの試合もドラゴンが最高に熱かったんです。
この試合は小野がキレキレだったんですけど、1点目も前線にパスを送ると、パスを受けたドラゴンがあり得ないステップで2人交わし、GKの動きを見て冷静に浮かせてゴールに流し込むという荒業。
代表のドラゴンのゴールで一番美しかったゴールでしたね。

そして2点目も凄かった。
小野の日韓W杯ベルギー戦を彷彿させる正確なロングパスを利き足とは逆の右足でループで決めて、とにかくドラゴンフィーバー。
そして三ちゃんがPKを決めて3-2となり、もうこの試合は動かないんだなと思った記憶がありますね笑


第4戦|日本 1△1 イングランド(2004/6/1)

そして何といってもイングランドでしょう。
この時期のイングランドは世界でベスト5に入る位強かったし、何より華がありました。

キャプテンのデヴィッド・ベッカムは言うまでもないでしょう。クソカッコよくて右足の精度高すぎて、そして繰り返しですが…本当にカッコよかった笑
DFもキャンベル、テリー、ガリー・ネビル、アシュリー・コールと不動のラインナップ(ファーディナンドは怪我)で、中盤は前述のベッカムに加えて、スティーブン・ジェラードと、フランク・ランパードポール・スコールズというスーパーワールドクラス。
そしてFWが日本でもお馴染みのワンダーボーイ、マイケル・オーウェンと、この大会で大ブレイクしたウェイン・ルーニー当時19歳!
とにかくウイイレでもみんなイングランド使ってましたね。England Belongs To Meと言う感じでした。

そして、それこそEURO2004直前という事で、イングランドも結構ガチでした。
キックオフの瞬間とかメッチャ上がりましたね!
「うわ、ウイイレみたい!!」とみんな言っていた気がします笑

そして、先制点はイングランドでした。
ジェラードのミドルシュートをGKが弾いた所、オーウェンが光の速さで飛び込んでゴール。さすがエース。That's エースと言う感じでした。

しかし、日本も負けてはいません。
後半開始早々、俊さんのスルーパスに三ちゃんが上手く抜け出し、マイナスのクロスに2.5列目から飛び込んだ小野伸二!試合は同点に!

その後もそこそこいい感じで進み、1-1のドローに終わりました。
ドラゴンのゴールこそありませんでしたが、この試合も面白かったですね。
(ちなみにイングランドは後のEURO2004でベスト4でした)


まとめ

そんな感じで激動の欧州遠征を振り返りましたが、この時期のジーコジャパンは采配とかは置いといて、個々の能力が高くて面白かったですね。

皮肉にもこの辺でドラゴンは酷使されてしまったが故に、この後の悲劇に繋がってしまったのですが・・・

とにかく、ジーコジャパンで一番夢を見れたのはこの辺の時期だったと思いますが、一旦日本代表から離れて、紹介したチェコやイングランドが戦ったEURO2004を次回は紹介しましょう。

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