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#651 映画論22|スタンド・バイ・ミー

本日はこの名作を振り返ってみましょう。


スタンド・バイ・ミーとは?

1986年に公開されたスティーブン・キングの短編小説「死体」をロブ・ライナー監督が映画化したノスタルジックな青春映画です。

舞台はオレゴン州の小さな田舎町キャッスルロック。
12歳のゴーディには、クリス、テディ、バーンという、それぞれ家庭環境に問題を抱える仲間3人がいて、ある日バーンが、行方不明中の少年が30km先の森で死体になっているという情報を持ちかけ、4人は死体探しの旅に出けます。
小さな町での生活しか知らない彼らにとって、体験する出来事すべてが冒険であり、その冒険の中で仲間との絆を感じ、友情が芽生えていく、まさに青春としか言いようがないストーリーです。


スタンド・バイ・ミーの魅力

1. シンプルで分かりやすい構成

「家庭で問題を抱えている不良目のキッズ達が、チヤホヤされるために死体を探しにいく」というこのプロットが素晴らしいですね。
兄の死のトラウマを持つ語り手のゴードン、素行が悪くはみ出し者扱いされているクリス、父親に虐待されてるメガネのテディ、太っちょのバーン。
この4人の仲間のバランスも素晴らしいですね。
やはりこの手の少年ドラマの仲間に、デブは必要なんです笑

線路を歩いたり、ヒルに吸われたりするみたいな展開もいいですね。
この映画でヒルの恐怖を知った人も多いでしょう笑


2. 少年時代のノスタルジー

そして何と言ってもこれですね。
オープニングでゴードンが、不良のクリスの死のニュースを知り、12歳の昔にタイムスリップするという構成が非常に秀逸です。
僕はタイタニックにおけるこの構成(最後にジャックが死ぬのが分かってしまう展開)は嫌いなのですが、今作スタンドバイミーに関してはこのやり方は本筋の物語とは関係ないので特に問題は無いですね。

誰もがこの作品を見て、少年時代を思い出すでしょう。
こんな少年時代を自分も送りたかったと述懐するのではないでしょうか。


3.主題歌の力

とにかく主題歌でしょう。この曲は強すぎますよね。

この曲はラブソングだと思うのですが、友達に贈る曲にも聞こえなくはないですし、いずれにせよこのタイトルの映画の主題歌として完璧ですね。

この曲がどれだけ愛されているかは、湘南純愛組のナツのシーンでも使われてますし、名作ドラマ「世紀末の詩」でも主題歌と使われておりますし、とにかく力を持った曲です。

あと、wikiか何かにこんな記述がありました。

ベン・E・キングのタイトル曲をはじめ全編に流れるオールディーズ・ナンバーが、ノスタルジーだけでなく切なさをも誘う。

僕は流石に表題曲しか覚えていないのですが、当時映画を見ていた人達に刺さるような往年の名曲を使いまくっていたというのも良いですね。


まとめ

とにかくそんな感じで最初から最後まで青春という感じです。
日本でもつい先日、ドラえもんで「STAND BY ME」と使われていたり、時代を超えて愛される名画ですね。

そして、最後に大人になり、小説家になったゴードンがこう振り返るのも切なくて良いんです。

I never had any friends later on like the ones I had when I was twelve.
(あの12歳の時のような友だちはもうできない)

とにかく見たら切なくなるのであまり見たくないかもしれない、そんな映画ですね笑


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