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#512 漫画論47|島耕作シリーズ

今日は満を持して、長くなりそうなテーマをセレクトしました。
日本で一番有名なサラリーマン「島耕作」シリーズをまとめて紹介したいと思います。


島耕作とは?

連載開始の際は、超大手家電メーカーの初芝電産(モデルは松下電器)の広告宣伝部の課長でした。

1巻の島課長は、部下を抱いたり風俗で知り合った大学生が面接応募に来た時に「不採用」ジャッジをしたり、業者に二重請求してしまい経理社員に誤魔化してもらったついでに愛人にしたり、会社の賞を取る為スワッピングしたりetc…とにかくクズでした笑
「エロクズ」と言っても過言では無いでしょう。

で、アメリカ支社に転勤し、そこでも現地で知り合ったアイリーンと言う女性に手を出して子供を作り(後述)、帰国後はアメリカで知り合ったクラブのママ・典子に手を出し、その愛人でありパパである当時の初芝の副社長(大泉さん)にバレて京都に左遷され、京都でも愛人を作り、その愛人のお陰で仕事で成功し…
と、まだまだ続くんですけど、本当に良い所がないんです笑

まぁこの時から仕事ができない訳ではないんですが、まだまだ女性や周りの人に助けられることが多く、とにかくヤリチンでしかない感じですね。

しかし、この京都から帰ってきた辺りで、大町久美子という新しい部下ができて、結果的にこの部下にも手を出すんですが、そこからは割と純愛路線に走ります(すっぽん屋の女将とか、フィリピンでスペインかどっかのお嬢を抱いたりはするんですが…)

とにかく課長時代はSEXして仕事してSEXして…の繰り返しでのし上がっていくんですが、部長、取締役、常務、専務と、だんだん現実世界とリンクした感じで仕事中心となり、最後は松下電器と三洋電機の合併までも漫画上で先に予測するという感じで、社長就任して、会長を経て、相談役を経て、現在は社外取締役ですかね。
更には学生、就活、新入社員、主任、係長と過去にも遡ったりもしていたりのスター・ウォーズ的展開を行っております。


島耕作との出会い

今から遡ること17年前、2007年の正月でした。
2006年4月より社会人生活が始まり、間違えて戸塚ヨットスクールのような営業会社に行ってしまった僕は摩耗し、年末年始に実家に帰ったんです。

で、実家って意外とやる事無くて暇じゃないですか?
で、大抵家の漫画を読むんですけど、社会人になってこれまで敬遠していた親父の本棚の課長 島耕作を読んでみたんですが、「あ、こんな面白かったんだ!」とメチャクチャハマり、東京に戻って文庫を全部買い、飽き足りずに部長も全部買い、当時は常務がリアルタイムでやっていた位なのでそこで追いつきましたね。

更に作中でも、中沢部長が裸踊りした新年会や、八ツ橋さんが死んだ新年会など、新年の描写も多かったので、正月感が結構あり、新年に読みたくなる漫画ですね。

サラリーマンのおとぎ話というもの分からなくない、大人の教科書的な感じで非常にハマりましたね。
「俺も出世して、いろんな女とSEXするぞ!」と誓ったものでした笑


島耕作で好きなキャラクター

次点 Nyacco

Nyaccoは「部長 島耕作」に登場するキャラクターです。
この時期耕作は、初芝の子会社のサンライトレコードというレコード会社に出向しており、ここで演歌歌手をブレイクさせ、その手腕が買われたまま、ハーフで歌唱力抜群で、どう考えても当時の宇多田ヒカルでしかないNyaccoというアーティストをデビューさせるんです、が!
なんと、以前に耕作がアメリカに出張していた際に、できちゃったという前述の子供だったんです!実の娘なんです!
そしてそれを告げず、Nyaccoが死ぬ直前に伝えるという鬼畜っぷり笑


10位 吉原会長

初芝電産の創設者ですね。
ちょっとした松下幸之助的ポジションで語られることが多いです。
耕作との絡みはほぼ無いんですが、課長時代に初めて話す機会があるんですが、その次の日に死にます
ですが、数十年後にこの吉原会長の実子の大町久美子と耕作は結婚するので、耕作の義父になるということですね。


9位 宇佐美専務

宇佐美専務は課長時代の耕作の派閥の長でした。
元々は「鬼」と呼ばれていた叩き上げの営業マンなんですが、副社長のポスト争いで大泉さん(後述)に敗れ、そこからは左遷され失脚し、あっさり死にます。
この漫画は結構主要人物があっさり死ぬんですが…その1人ですね。
最後に長年会ってなかった妾の子供に会えて良い人生だったのではないでしょうか。


8位 福田常務

そしてこの関西弁は耕作の連載当初の直属の上司です。
宇佐美専務の右腕として、とにかく上に媚び諂い、下には厳しいという典型的な中間管理職。尚且つ女性関係もだらしなく、しっかり部下の女と不倫して、部下の今野(後述)と結婚させ、結婚後もちゃっかしSEXするという鬼。
当時はこういう仕事も不倫もバリバリやるモーレツ社員は多かったのでしょう。
前述の宇佐美氏の失脚と共にフェードアウトしますが不死鳥のように復活し、そして中沢さんが社長になって再度フェードアウトします笑
現在も存命かは不明と言う笑


7位 樫村

樫村は島耕作とは同じ早稲田大学出身で、そして同期として初芝電産に入社し、同期で一番の出世頭であり、とにかく仕事ができる男です。
耕作はそんな樫村にずっとダメ出しされており、ずっと目障りだったんですが…実は耕作を気に掛けるのは、ずっと好きだったからなんですね。
ずっと好きだったんだぜという感じです。

そんな樫村ですが、フィリピン子会社に赴任中、テロリストの凶弾で命を落としてしまうのですが…最後は愛する島に抱かれて絶命します。
なかなかヘヴィーなテーマでしたね。



6位 今野主任

今野主任はこの漫画を代表するヒールでしたね。
最初は島耕作の部下として「仕事はできる」と紹介されたんですが、徐々にボロが出始めて、挙句セクハラしたりとなかなかの小悪党なんですが、最終的には耕作の部下たちにボコボコにされ、部長編では地方の販売センターの社長になりますが速攻耕作に追い抜かれ…何編か忘れましたが、鬱になって自殺するというバッドエンドを迎えます。
仕事はそこそこ成功者だったと思うんですが、嫁は上司と不倫して挙句デートクラブにハマり…色々と可哀そうなリーマンでしたね。


5位 馬島 典子

課長島耕作時代のトラブルメーカーですね。
とにかくSEXモンスターで、作中で耕作の次にSEXしていたのはこの人でしょう。
最後は大泉さん(後述)のオンナになるんですが、取締役編で孫鋭というCEOにも気に入られ、とにかく金持ち中年に愛されるいい存在ですね。


4位 アイリーン

アイリーンは僕がこの作品で最も魅力を感じた女性キャラクターですね。
白人恐怖症で黒人や黄色人種しか愛せない感じで、ロバートと言う黒人のいたストレーターと、耕作というイエローモンキーを2股にかける感じのビッチちゃんでした。
で、耕作の子を身ごもるんですが、子供が生まれる直前で耕作はフェードアウトし、「そういえば俺の子なのかな?」的なクソ軽いノリで、生まれた後に電話で確認するという外道っぷりでした笑


3位 大町 久美子

大町久美子は、初芝電産創業者の吉原会長の妾の子であり、最終的に耕作の彼女ポジションになり、部長編で一度別れたりするんですが、その後もコンスタントに肉体関係が続き、社長編ではついに結婚することになりました。

島耕作はかなりこのチャンネーに助けられています。
マジな話、大町久美子がいなければ社長になれていない気がしますね。そういう意味では究極のあげまんなのかも知れません。

そして大町久美子で一番有名なのは下記の耕作とのくだりですね笑
「了解」とシレっとこの狂ったコメントに対して返せる辺りが、耕作のモテる所以なのでしょう笑


2位 大泉会長

そして裕介ちゃんこと大泉会長です。
四代目の社長として初芝電産を牽引し、その後会長~相談役にポストを変えても、耕作を大分バックアップしてくれます。

そして前述の通り典子に大分ハマり、エロジジイとして作品を盛り上げてくれるのですが、倒れてからご隠居。
そこからも献身的な典子に支えられるものの、最後は看取られて逝去。なかなか悲しいエンディングでした。


1位 中沢社長

そして1位はこの人しかいないでしょう。
恐らく、島耕作シリーズの読者から、最もリスペクトされているのがこの中沢さんではないでしょうか。
とにかく若いながら真っすぐで、非常に芯の通ったしっかりとした上司です。
更には耕作ができないような寝技(裸踊り)とかもこなし、とにかくサラリーマンとしてというか人間としての器がでかく、最終的には取締役末席からごぼう抜きで社長就任。この辺は読んでて普通に嬉しかったですね。
こんな上司に憧れたものでした。


おまけ 島耕作

色々語りましたが、とにかくダメな男です。
浮気しまくるのがアウトなんですけど、一番酷いと思ったのは娘が「奈美の為にお母さんと離婚しないで」と言った後に「俺の人生に口出しするな!」と一蹴!鬼か!
とにかく運と女に助けられた感じですが、実際の大企業の社長もそうかもしれないですね笑


まとめ

そんな感じですが、やはり「課長」が一番面白かったので、その辺からセレクトが中心となってしまいますね。

会長の途中辺りから読んでないので、また時間を見つけてチャレンジしたいですね!
IT’S NON OF MY BUSINESS!

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