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35年間高校で教鞭をとり、最後の三年間は公立高校の校長をしておりました。退職後は、地元…

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35年間高校で教鞭をとり、最後の三年間は公立高校の校長をしておりました。退職後は、地元の国立大学や私立大学で教師を目指す学生に指導しています。日々周囲の人たちから刺激と学びを得ています。そのような触れ合いを通して感じたことなどをつぶやいております。

最近の記事

ポジティブに

慣れない環境で悪戦苦闘しているとどうしてもネガティブに考えてしまうものです。分かっていても,これまで似たような経験をしていても,ついついネガティブに陥りがちです。 このコロナ禍の影響もあるのでしょうね。 食事をしていても黙食,宴会は極力自粛,大声を出さない どれもできうる最大限の感染症対策です。 大学の授業も大人数は,オンラインで。 これまで授業は,子どもたちを動かし,心を揺さぶり,化学反応を起こさせることを仕組んできた身には辛いですね。 それでも,オンラインでもできう

    • 新たな旅立ち

      4月1日 第二の人生がスタートしました。 これまで、朝、5時には起きていたのが、7時起床と朝寝坊しました。 職場に行き、鍵を開けることがなくなりました。 何となく寂しい気持ちがあります。 鍵を開け、子どもたちが入ってくるのを待つ。 今日はどのような表情で来るのだろうかというわくわく感。 どんな言葉がけをし、それにどのような反応が返ってくるかの期待感。 このようにのんびりして良いのかと初日から反省。 第二の職場である大学へ徒歩で出勤。 辞令交付を待ちながら、時間がゆったりと流れ

      • まだまだ成長中

         3年生は、共通テストが終了し、次の国公立大学出願に向けて準備に入っています。目標とする点数に届いた子もいれば、何点か足りていなくて、どうしようかと悩む子もいると思います。  足りなかった子、ちょっと待って。二次試験の教科で挽回できるか考えていますか?まだ二次試験まで、一か月ありますよ。確かに、途中に私立大学の試験があるかもしれませんが、夏休みくらいの期間があります。まだまだ成長するはずです。  さらに、自分が学びたい学問、就きたい仕事、考えるべきことはそこではないでしょうか

        • 衣替え

           学校にとって地味な行事ではありますが、10月1日は、衣替えです。夏服から冬服に移行します。季節の変わり目ですので、多くの学校では、前後に若干の余裕をもたせていると思います。  本校では、子どもたちにとって、夏服でいられる9月、それも最終週や最終日は、3年生にとって一大イベントです。そこらじゅうで、友だちや気の合う仲間で、記念写真を撮ります。  3年生にとっては、最後の夏服。思い出がしみ込んでいる制服。笑顔が全てを物語っています。この学年は、修学旅行に行くことが叶いません

        ポジティブに

          プロフェッショナル~感動~

           昨日(9月28日)、NHKの「プロフェッショナル」で空港に勤務されているグランドスタッフが扱われておりました。タイトルは「一瞬に、心を込めて〜空港グランドスタッフ・中山弓子〜」です。中山さんの仕事は、勤務している学校の子どもたちにとっても、人気の職種の一つです。  最初は、希望している子どもたちが見ているといいなくらいの、軽い気持ちで見ていました。  しかし、見ているうちに、本当にプロの仕事の仕方であると感動しました。さらに、最初から順風満帆でなかったこと、同期グループ

          プロフェッショナル~感動~

          夏休みもあとわずか?

           夏休み前に立てた計画、特に、勉強の計画は順調に進んでいますか。計画どおりに進んでいる人は、暑い中、本当に精進したなと思います。  自分自身を振り返って考えると、夏休み残り5日くらいから、大いに焦りましたね。まずは宿題が終わっていないという事実を直視。毎日の天気も記録せず、大慌てで新聞を探すが、古紙回収(今はないか)でトイレットペーパーにかわってしまい、友だちに確認。友達も、やってなくて大慌て。アニメの「さざえさん」におけるカツオくん状態でした。  受験生(受検)の皆さん

          夏休みもあとわずか?

          さだまさしさんの「償い」

           ここのところ、謝罪に関する報道を目にしたり、耳にしたりします。自分がしでかしてしまったことに対する謝罪のはずなのに、素直に聞くことができない内容ばかりのような気がします。  せっかく獲得された金メダルをかじってしまう人。女子ボクシングで感動を与えてくれた人を揶揄するような人。  この人たちが、名もなき、市井に生きていて、何か面白くないことがあり、我慢できずにというのであれば、自分の部屋で、個人で述べているのであれば、仕方がないかなと思えなくもない。しかし、この人たちは、

          さだまさしさんの「償い」

          夏休みは不思議

           2020東京オリンピックにおいて、少女が金メダルを受賞しました。そのときの実況を担当したアナウンサーが「真夏の冒険」と絶叫しいぇいたのが、妙に心に残りました。  かつて、少年たちを題材とした映画「スタンドバイミー」を見たことがありますか。この少年たちも、小さな冒険の旅に出ます。そういえば、私も高校時代、仲間と野宿キャンプを行おうと計画したことを思い出します。そのときは、何らかの都合で断念しました。後年、仕事で、砂浜で一昼夜を明かすことがありましたが、潮風がまとわりつき、べ

          夏休みは不思議

          小テストと定期考査

          ある子と、校長室で対話をしているときのことです。素朴な疑問をぶつけられました。小テストはどうして実施されるのですか。定期考査の点数が思うように伸びません。このあたりのこと、授業中に指導されている先生方がお話しされていると思いますが、言葉がきちんと伝わっていないなと思います。この話題が、一人や二人ならば、そのように感じないのですが、ここのところ対話している子どもたちのほとんどが口にしてくれます。定期考査直後ということで、多いのかもしれませんが、学ぶ意味について今一度話すこと大事

          小テストと定期考査

          定期考査について考える

          この春、高校へ入学した子どもたちは、学校によって呼び名は異なるでしょうが、定期考査なるものを受けたと思います。採点され、結果が手元に戻ってきたころであり、その結果について一喜一憂していると思います。 そもそも定期考査はなぜあるのでしょうか? ある学校では、定期考査を廃止し、単元が終了した時点で、その単元で獲得したスキルを図る単元テストを導入した学校もあります。定期考査では、その時点で獲得したスキルを図ることはできます。しかし、人によって理解度の速度が異なるので、通過点での

          定期考査について考える

          オレンジ色の猫?

          モンゴメリーの「赤毛のアン」シリーズの一つ『アンの夢の家』(Anne's House of Dreams)という小説があります。その一節に Captain Jim placed a chair for Anne, having first removed from there a huge, orange-coloured cat and a newspaper. この猫はどのような色をした猫なのでしょうか。英語をそのまま日本語に訳すと、「オレンジ色をした猫」となりますよ

          オレンジ色の猫?

          正しく考えるとは

          この連休、いかように過ごしていましたか。 COVID-19の感染状況を考え、自宅で巣ごもりしました。これまで読むつもりで購入しておいた、書籍を片っ端から読みました。5冊、読み終えました。 そのような中で、気になることが出てきました。 正しく考えるとは、どのように考えることなのかと。そもそも正しいとはどのようなことなのか。逆に間違っているとはどのようなことなのか。ある集団にとって正しいことも、別の集団にとっては間違っているのではないか。読書をしながら、そのような単純なこと

          正しく考えるとは

          コモディティ化?

          コモディティという言葉聞いたことがありますか? 具体的に言葉で説明すると汎用品化(はんよう:いろいろの方面に広く用いること)とでも言うのでしょうか。ある分野で売られている商品をイメージしてください。その商品の品質が同じように高まると、それを購入する人はどの商品も同じように見えてしまいます。すると、その商品は購入者にとって代わり映えのしない商品となります。結果として低価格の戦いを強いられることになります。 一見すると、価格が安くなるから消費者にとっては、有利かなと思いますよ

          コモディティ化?

          苦労して獲得したものは一生もの!

          新学期を迎え、勉強に頑張ろうという気持ちを誰も抱いていることと思います。教科書も、新しくなり、ノートも作り、ここから気合を入れてと思っていることと思います。 この気持ちは大事なことです。 ここで思い出してほしいことがあります。それは、子どもの頃、自転車に乗り始めた頃です。多くの人は、最初から乗ることができずに、ふらふらとペダルを漕いでみたり、大人に後ろを支えてもらったり、補助車を付けてもらったりと、苦労して身体にバランスを取る感覚をしみこませたと思います。 擦り傷やかす

          苦労して獲得したものは一生もの!

          踏み出す勇気ーファーストペンギン

          五月病という言葉は、今も生きているのでしょうか。 新入生や新入社員が希望をもって、入学・入社をしてきたのに、その環境になじめず、こんなはずではなかったと疎外感や孤立感をもち、ストレスを感じ、それが生活そのものに大きな影響を与えることです。言葉で表すと、このような簡単な図式であるようにに見えますが、そこに至る経緯は、人それぞれであるし、複雑な要因が微妙に絡まり合っていると思います。 教師を続けていると、4月は、新入生だけでなく、クラス替えなどもあり、新たな人間関係を構築する

          踏み出す勇気ーファーストペンギン

          学ばないとどうなるの

           なぜ学ぶのかと考えるとき、坂口安吾の「ラムネ氏のこと」を思い出します。かつて、ドラマ「金八先生」が文化のことを語る場面で、坂口安吾を引き合いに出して「文化とはふぐちりである」と語る場面があった。 原典は、坂口安吾の「ラムネ氏のこと」、その場面を引用すると「我々は事もなくフグ料理に酔ひ痴れてゐるが、あれが料理として通用するに至るまでの暗黒時代を想像すれば、そこにも一篇の大ドラマがある。幾十百の斯道の殉教者が血に血をついだ作品なのである。その人の名は筑紫の浦の太郎兵衛であるか

          学ばないとどうなるの