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「文」のつくお名前の方は知っておきたいこと

「文」の成り立ちとは

『説文』(設文解字)には、ただ、「交文に象(かたど)る」(交互の線を表しいる)とあるのみで、それ以上の説明はありません。

そこで様々な方が色々な解釈をしています。

・人の立つ形の胸部に×や心字形やV字形を加えた”文身”(ほりもの)の象(すがた)で、受霊のしるしとした宗教的な意味の字である(白川静『漢字』岩波書店)

・「衣紋」(実は衣文)という言葉が示すように、人が幾重にも着物を着て襟元が綺麗にあった形である(加藤常賢『漢字の起源』)

・華石斧『文字系』では、人が刀筆を持って脛(すね)を交えている象(すがた)であり、のちに刀筆を省き心を加えて達意の義を示し、更にのち心を省いて作るとしています。

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華石斧『文字系』より



なので原意は” 文字(もんじ)” 。のちにこの「文(ぶん)」字から派生した「彣(ぶん)」(文彩・飾)の義を取って物の アヤとしました。そこから文章(本字は彣彰)や文化伝統の意味に転じていきました。「斯文(しぶん)われに在(あ)り」とか「郁郁乎(いくいくこ)として文(ぶん)なるかな」などの文は、彣(ぶん)の義から派生しています。また、「天文(てんもん」「地文(ちもん)」「人文(じんもん)」などでは、それぞれの領域において物の相(すがた)の雑じる(模様になる)のを文(もん)と言うので、 アヤ の義から出ています。※今は天文以外は「ちぶん」「じんぶん」ということが多いです。

この文(ぶん)は、和義では フミ と読みます。” 本・書物、記録、手紙”などの意味の用いています。これは”文章”の意味から派生したものであると考えられます。

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これらも古形です。

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