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起きるの時間

今朝も,「起きるの時間だよ」と声をかけるまで数分間,あなたの寝顔を見て,髪をなでて,一緒にいられる幸せを噛みしめていました。

(今のあなたは,起きる時間を「起きるの時間」,おかあさんといっしょを「おかあさんといっしょに」とよびます。一文字つけるのが好きみたい。)

「起きるの時間だよ」と声をかけると,目をつむったままぐるりんと体勢を変えてわたしを探し,しばらく「ぴと」するあなた。

そんな毎朝の,ささやかな瞬間の積み重ねが,わたしが生きる意味になっています。


いつまで一緒に眠れるのかな

いつまで「ぴと」してくれるのかな

「かたかた目玉焼きととろとろ目玉焼きどっちにする?」
「かたかためだまやき」(たまに「あとコーンスープ」)っていう毎朝のやりとりは,いつまで続くのかな。


気づいたときには,既に形を変えているものだから。
これから何歳になっても,日々の習慣が変わっても,ずっとあなたを世界で一番に愛し続けるけど,今のあなたが愛おしくて,屈託のない笑顔や全力で「ママ,ママ」と呼ぶ声を忘れたくなくて,今が人生で一番幸せなのかもしれないって,急に涙が出てくることがあります。

でも,あなたが生まれたときから「今が一番幸せかもしれない…」「一番かわいいときかもしれない…」って,その尊さとはかなさに幾度も涙してきた感動屋のお母さんなので,きっと来年も再来年も「かわいすぎる…今こそ幸せの絶頂…」って泣いてるかもしれないね。


どんどん形を変えていくわたしたち

人間としても,家族としても。

その瞬間瞬間を生きているんだって,その全て,いつが一番なんて優劣なく,かけがえないあなたの命におけるひとつの点を感じた証拠なんだって,忘れずにいたい。

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