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なぜイタリアの地震で亡くなった少女に予防接種を促す手紙が届いたのか?

前の記事はこちらです。

私の友人であるFabioさんが、「私の娘は震災で亡くなったのだが、彼女宛てにHPVワクチンの接種を促す手紙が届いた。この恥を可能な限り拡散してほしい」という趣旨の投稿をFacebookにしました。

人の心がないような無神経な対応を役所(ASL ROMA 2)の方がしたのはなぜなのでしょうか?

前の記事をnoteに投稿したところ、コメントをいただきました。「日本では、予防接種の管轄と死亡届の管轄は連携しており、このようなことは絶対に起こり得ない」と。これはイタリアと日本の間に、何らかの制度の差があるのでは?と思った私は、Facebookに質問しました。

Facebookで私が投稿した記事はこちらです。

こんばんは。

イタリアの予防接種について詳しい方にお伺いしたいことがあるのですが(長文です)。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?コメントをいただき、はっとしたのですが、日本の場合は予防接種の管轄と死亡届(?)の管轄が同じらしく、このようなことは絶対に起こり得ないと聞きました。

その後、ASL ROMA 2の管轄に住んでいるという方からコメントをいただきました。

ローマASL2 の管轄地域に住んでいます。
カオスな町ローマにはよくあることですが、ASLのみならず、行政の事務処理能力はかなりお粗末で、地元人ですら信頼を置いていません。町中に溜まるゴミ、穴だらけの道路、ボイラーが故障したまま数ヶ月も放置される市営住宅、など枚挙に暇のない例を見ていただければわかると思います。
市は役所内でオンラインでのデータ共有を図っているようではありますが、肝心の端末やデータベースへのアクセスがしょっ中遮断されたり繋がらなかったりします。私が保健所にワクチンをうちに行った時もそうでした。そもそもデータ入力が正確にされているかどうかすら疑ってかからねばなりません。
私も詳しく調べたわけではありませんが、おっしゃる通り、両件は管轄の窓口が違うのだと思います。イタリアのお役所仕事では、異なる管轄を跨ぐ処理は困難を極めます。悪気がある訳ではないですが、係りの人たちは基本、自分の領域の仕事しかしませんから、総合的に齟齬が出ても驚きません。
結果、この件のような痛ましい事象が生じるのだと思います。
ローマは市長が変わって以来、行政の仕事の遅延や麻痺状態がずっと続き、市政への批判が非常に高い状況です。御両親はお子さんを震災でなくされ、筆舌に尽くし難い思いをされているのに、更に市からこのようなあっけらかんとしたあまりに無神経な仕打ちをされて、本当にお気の毒だと思います。

とのことです。

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