『トッケビ』で短歌

去年の晩秋『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』を見て大好きになり、できることなら素晴らしいシーンの数々を絵にしたくて、実際少し描いてもみたのだけれど、画力が全然足りなくて断念しました。それでも、あふれる想いを何か形にしたくて、短歌にしてみました。短歌は、私の好きな表現のジャンルです。今日は主に前半から中盤ぐらいまで。

あなたからぶっきらぼうに告げられた花言葉その意味を眺める
ウンタクとキム・シンの出会いのシーン。初めてのトッケビ召喚。そばの花束と海が、こんなにロマンチックな組み合わせだったとは。ため息が出るほど、みずみずしいシーン。

嘘にするためにつく嘘まっすぐな君のまなざし雨音が刺す
キム・シンがウンタクに、まったく感情のこもっていない声で「愛している」と告げ、悲しみの雨をふらせるシーン。キム・シンを見つめるウンタクの、強い眼差しが胸に刺さります。トッケビが悲しいと雨が降るという設定が、こんなに切なく生かされるなんて。

追憶に色を与えて君が舞う真昼の日差し 初恋だった
カナダの広場で恋の詩を読みながら、キム・シンが静かに自分の恋心を自覚する、私の一番好きなシーン。詩の言葉も、2人の表情も、景色も、光の具合も、何もかもが美しくて、何度見返してもとろけます。

不意打ちの口づけに目を見開けば天へ向かって舞い昇る雪
キム・シンの剣に触れることができなかったウンタクが、その理由を探して、突然キム・シンに口づけをするシーン。その瞬間のキム・シンの表情と、それまで降っていた雪が、時間の迷子になったみたいに、上に向かってふわーっと舞い上がっていく風景が、ロマンチックで大好きです。

神様は迷うことすら許さない君を愛して生きる口実
雪の森(スキー場)で、キム・シンがウンタクに、「君を愛する口実がほしい」と、静かに切実に語るシーン。とにかく切ない。その後に続く、スキー場の2人のシーンは全部美しくて、うっとりします。