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World of Demons 百鬼魔道【Apple Arcade三昧#002】

【Apple Arcade三昧】は、アップル端末で遊べる月額600円のサブスクリプションのゲームアプリ遊び放題サービス、『Apple Arcade』の配信ソフトを勝手に紹介・勝手にレビューする不定期連載。

いやぁ、結構ハマった。この企画【Apple Arcade三昧】自体
、じつは2022年の年始ごろからゆるゆると始めようかと、加入した後に漁っていたのだが、このゲームも当然、日本製の目玉作ということでチェックはしていた。
ただ、遊べば遊ぶほど面白くなっていくことには気づかず、他のゲームに目移りしてしまっていたのだ…なさけない!

ということで今回は『World of Demons 百鬼魔道』の、初見では気づけなさそうな面白さを中心にレビューを展開していこう。


■目を惹く独特な和風グラフィック

まず目に入ってくるのが、墨絵や浮世絵が動き出しているような、『大神』シリーズを彷彿とさせる和風グラフィック。何よりの特徴と言ってもよいこの画風は、日本発のApple Arcade作品としてとても大きな意味を感じた。
どう見ても海外作品が大量にあるApple Arcadeの中で、あの『大神』も手がけた日本の制作会社「プラチナゲームズ」が送り出した和風ゲーム、というのは作品を選ぶ中でもインパクトがあり、著者も入会したらダウンロードしたい、という大きな期待もあった。
そしてその期待にしっかりと応えた秀作に仕上がっているので、ぜひこのグラフィックは体感してほしい。

和風3Dグラフィックでのアクションって作るのが難しそう…

■どんなゲーム?

遊び方としては、基本的に鬼丸という主人公を操作。仲間が後から増えていくので、クエストごとにパートナーを選んだり、装備編成をして出陣する、というイメージ。
クエストに出かけると、大きな一本道を進んでいく形になるが、その途中にツボや宝箱のようなアイテムや、後述する使い捨てスキルである「御供妖怪」が手に入る。
戦闘はシンボルエンカウント方式で、触れたらその場でバトル開始。結界のようなものが張られて、その中で自由に動きながら敵を倒してゆく。そして、必要な数の敵(シンボル)をすべて倒せば道が拓ける。という繰り返しになる。
一本道の最後にはボスクラスの敵との戦闘になる。とくに大型の敵になると、モンハンさながらの立ち回りが必要になるとかならないとか。

主人公の少し左にあるのが敵のシンボル。ぶつかると戦闘開始なので、その前に周りに落ちている回復アイテムなどを取っておくと良い。一方、主人公の右奥にあるのが進むべき道。敵を倒さないと進めない。

ストーリーでいうと、妖怪や鬼がたっぷり出てくる純和風な世界観。侍の主人公鬼丸が、復活してしまった酒呑童子(しゅてんどうじ)の討伐に赴くが、なんとその酒呑童子を復活させてしまった張本人が主人公であった。という、一言でエンディングまで話してしまったかのようだが、これがオープニングである。
道中でなぜか気が狂ってしまっている妖怪を次々に倒して正気に戻しながら、鬼丸自身もこの謎を知っているのか知らないのか、プレイヤーもよく分からないまま物語が進んでいく。なんとも興味深い。

そして極め付けが、敵となる妖怪たちとの会話である。
新しい敵と出会うと、戦闘前(気が狂った状態)と戦闘後(正気を取り戻した状態)に会話があるのだが、その内容が飽きのこないものになっている。
グラフィックは和風だというのに非常にコミカルなやりとりが繰り広げられ、ついついスキップせずにじっくり読みたくなるものになっている。妖怪にはひと言程度の音声がついているが、その声でぜひオールボイス付きの対応をしてほしかった。

雪女相手に突然の無礼な発言。会話劇なので1画面で面白さは伝わらないかもしれないが、真面目なシーンとふざけたシーンが見事に使い分けられている。

■タイミングが勝敗を分ける!

と、なんとなく進み方は分かったところで、次は戦闘の方法だ。
近年のゲームではよくあるものではあるが、斬りまくる爽快感と、攻撃をかわす爽快感が同居している戦術アクションである。
通常は攻撃ボタンでバッサバッサと斬りまくり、敵が攻撃を仕掛けてくるちょうど良いタイミングで回避して起きる【ジャスト回避】で反撃する。
この【ジャスト回避】は、成功するとアクションが非常に気持ちが良く、鬼丸の場合は大きくジャンプで後ろに回り込み斬りつける。運がよければ相手を気絶状態にもできる。
この【ジャスト回避】がやりたくて間合いを詰めていくが、タイミングがつかめなかったり、複数の敵を相手にすると読みきれないこともある。
その駆け引きを楽しんで攻め込んでいくのだ。

連続攻撃を浴びせながら、敵の攻撃のタイミングを伺い、カウンターで反撃する。鬼丸の「遅いな」「こっちだ」などとマウントをとる発言も爽快さの一部。

■装備の妖怪とストックの妖怪でコンボ!

「御供妖怪」とは、いわば魔法やスキルみたいなもので、ボタンをタップして使うことで、その妖怪を呼び出して技を繰り出せるというもの。
「御供妖怪」には2種類あって、クエスト出陣時に装備できる「御供妖怪」は、使った後に時間が経てば再び使えるようになるが、
マップ上で拾った「御供妖怪」 はストックしていけるが使用は一度きり。
装備できる「御供妖怪」は強化可能で、スキルや必殺技を強化するというのは、本作ではコレにあたる。

「御供妖怪」の上手い使い方としては、通常は強くて使い慣れた装備の「御供妖怪」を使いながら、ところどころでストックの「御供妖怪」を組み合わせるといったやり方になるだろう。
無駄にしたくないストックではあるが、そこらじゅうで手に入るので、強敵だと思ったらガンガン使っていくことをオススメする。

ツボから出た紫の玉が「御供妖怪」。クエスト中に拾うものはすべて一回限りの妖術だ。

また、「御供妖怪」と自分の攻撃を組み合わせれば、通常よりも多くのコンボを作り出すことが可能だ。たとえば、河童の「御供妖怪」は地面から噴き出た水で敵を打ち上げ、無防備状態に。そこに攻撃ボタンをタップしていくだけでコンボの完成だ。

すでに連撃を加えた後に、河童の「御供妖怪」を使用。敵を空中に打ち上げて、コンボをつくる。ちなみに使っているのは装備できるほうのスキルで、ストックできる「御供妖怪」は、攻撃ボタンの上にある5つの枠に貯めていく。

■単調に見えて奥深い

全体を通して見ると、「道中のアイテムを拾いながら、ザコ敵らを倒しつつ進んでいき、最後に待ち構えるボスを倒すとクエストクリア」という単調なものにみえるが、レベルアップが必要なのはもちろん、ストーリーが進むにつれてカウンターが非常に大事になってくる、弱点属性の御供や武器で攻撃する必要が出てくるなど、適度にやりごたえを感じさせてくれる。

ストーリーも、さまざまな妖怪に話を聞いていくと、どうやらそう簡単な話でもないらしい。先に期待してすぐ進めようとしてしまうが、敵が強くて進めない…。まずはレベル上げや資金集めをしなければ、というのが筆者の状態だ。

たくさんのゲームがあるApple Arcadeなので、このゲームだけにハマるわけにはいかないんだ!とも思いながら無事に数週間コレで遊び続けてしまうほど面白い。
みなさんにも是非入会してから体験してほしい作品だ。

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