初めての恋

ふと思えば、君のこと思っていた、高校二年生
昼下がりの授業中。

「今、何してるんだろ」

日に日に君を思う回数が増えていく。

「朝、会えるかな」
「クラスの子と話してる。あ、笑った。」
「教室の前、通らないかな」
「このジュース、好きそう」

どんどん思いは増えていく

「あー、声聞きたい」
「手つなぎたい」
「ハグしたい」

恋を知らない自分でもさすがに違和感を持った
ある日、他クラスの男子と交際中の幼馴染に聞いてみた
「友達相手に、手つなぎたいとか思ったことある?」
「え、無いでしょ」
「え」
「あるの?」
「…うん」

続いて恐る恐る聞いた

「これって、友情だよね?」
「いや、恋だよ」
「え」

受け入れられなかった
信じたくなかった
だって、
嫉妬とか、触れたいとか、女の友情ならよくあることでしょう?
だから、
これは女の友情のよくあることで
好きは好きだけど
友達として、親友として、
好きなのであって

いや、違うでしょ

この自分の考えを否定するように
自分の思いは増え続けた

君と一緒に帰宅するとき、君と目が合うとき、君に会う時、
胸が少しぎゅっとなった
緊張するようになった

よくわからなくなった

「カウンセラーの先生に聞いてみよ」

自分にはお世話になってるカウンセラーの先生がいる

「先生、最近ある女の子と話すと緊張したり、嫉妬したりするんです。これは恋なんでしょうか」
「そうですね、いいと思いますよ。私も何人も見てきましたから。
しかし、
恋としての感情か、友情としての感情か、女の子同士は似ているので勘違いしやすいですから判断をしっかりしたほうがいいかと思います。頑張ってくださいね。」
最後に、“応援しています”と言われて話が終わった
確かに、似ている。
勘違いして一歩踏み込めば関係が崩れる

恋ではないな。そうだ。
勘違いしてはいけない。
勘違いしたとたん、関係は崩れる。

しかし、思いは強くなるばかりだった。
自分でも分かった。
これは友情じゃない。恋なんだ。
これだけ考えるのはほかの友達ではありえない。

これは

恋だ。



生まれて初めて恋を自覚した。

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