「ごめんね。」 第3話

「えっ、愛美ちゃんだよね?」

「はい。」

私はその人なんて見覚えもなければ
どう考えても初対面だ。
なのにやけに馴れ馴れしい。

「なっちゃんから噂で聞いているよ?
すぐに会社を辞めちゃったんだよね?」

そう言われた時、正直気分が悪かった。

「すみません。夏菜の友達ですか?」

そう聞くと、

「そうだけど、ほら、愛美ちゃんの前働いていた会社の経理担当してるんだ
だから愛美ちゃんの元上司だね」

いやいや、何故そんな人がここに居るんだろう。
それに夏菜とは何故知り合いなのかな。
元々知り合いだったとか?

見た目は私よりもかなり大人っぽいし
歳上だと思う
少しおじさん臭い風貌だけど、まぁ悪くない。

寝ていて記憶が曖昧だった私は聞いた旨を話してみた

そしたら教えてくれた。のは良いけど
その話が本当ならかなり最悪だった。



私は昨日1杯目のビールを飲んだ後
親友と一緒にトイレに行ってメイクしながら
少し話した。

「愛美、どう? どっちがタイプ?」

「タイプなんてまだわからないけど
外国人の人は興味ある少しだけ」

「なら啓治さん狙っちゃおかなぁw」

「ってか、どっちかわからないけど
どうやって知り合ったの?」

夏菜は確かにこう言った。

「元々マッチングアプリで啓治さんと出会って
会った事もなかったんだけど合コンって形なら会いやすいと思って
計画してたんだよね」

私の親友は私を利用したのか。
正直そう思ったけど長い付き合いだから
まぁいっか。と気にする事はなかった。


席に戻ると啓治さんが顔を真っ赤にして
酔っ払っていた。
かなりお酒は弱いみたい。


これまでの恋愛トークや最近の出来事。
他愛もない話をしながら私達は飲み続けた
かなり楽しかった。

ケインがかなりくっついてきていたので
少し気持ち悪く感じた。
でもどうせこの場限りだろうと思い
連絡先も交換した。

2軒目に行こうと言われたが
夏菜の家で一緒に飲む事になった。
どうやら親友の家に向かう道中からの記憶がない。


ここまで説明をしてくれたのだが
ここまでの話でその人は登場していない

何故ここまでの話を彼は知っているのだろう。

そんな疑問が頭をよぎったが
そんな事より早く実家に帰らないと・・・



パパに連絡しようとしたら夏菜に携帯を取り上げられた。



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