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02.If I were you ---「もう一人のわたし」より

~ 地球に住むわたし、Bがいる。
そしてAがいる。もう一つの宇宙で生きる双子きょうだいだ。
姿形が同じでなくても、性格がそれぞれ違っていても、心はいつも一つ。
おおむかしのある日、ずっと一緒だったエネルギーの塊が二人に分かれた。
その瞬間から、対話録が始まった。そして、今も続いている。~

A:「If I were you... ... ねえ、この英語の使い方、おかしくない?」
「私があなたであるなら、がなんで過去形、しかも複数形になっているの?」
B:「それは『私があなたであったなら』じゃない?」
「ほら、今は既に私になっているから、この時点でまたあなたになるはずがないからだろう?」
A:「ふむ、だから過去形か?でも何でIf I was youじゃなくて、複数形のwereになっているの?」(ちょっと調べて来よう)「ああ、そうか、そもそも過去形じゃないんだ。仮定法という特殊な使い方だよ。」
B:「そうなんだ。まあ、言語のルールはどうでもいいから、そもそも何でわたしは君ではなかったんだどう?」「だって、3次元で生きるのは簡単なことじゃないよ、知ってるかい?」
A:「そりゃ当たり前じゃん、食べなきゃ生けないし、寝ないと活きられない、それに落ち込むし...」「でもこっちの生活もぜんぜん楽じゃないんだよ、知らないかい?」
B:「ええ、きみがいる宇宙にもそんなにルールがあるの?」
A:「いろいろあるよ、果たす使命もいっぱいあって、疲れる。」
B:「でも行ってみたいな、きみのところに。夢に見ることもない世界を旅したい。」
A:「じゃ成り替えようかな?私が君となって、きみが私になったら?」
B:「それは面白そうだね!でも家族に知られることのないように、ふふ」
A:「心配するな、私たち双子だから、気付かれない。」
B:「はーい、じゃ、これらの仕事、よろしく頼む。」(山ほどある仕事をドサッと渡した)
「これからきみの世界を旅するよ。きみも3次元の地球でいっぱい遊んでね。ごきげんよう!」
A:「おいおい!これは一体...」(しまった、今度はこっちが “If I were you” か)