山之口貘賞受賞の詩人による待望の第三詩集。次の世代に伝えたい祈り。
「世の中がどんなに変わっても
変わらない大切なもの
次の世代に伝えたい祈り」
翼を広げた鳥のような形の展望台の屋根
75年たった今も見つかる戦没者遺骨
魂はまだこの辺りを彷徨っているのだろうか
異郷で亡くなった魂には
故郷に戻れる翼が欲しい
亡くなったアメリカ兵の魂は
この海を越え、遥かな祖国に帰れただろうか
日本兵の魂は故郷へ戻れただろうか
復興し開発される那覇市
だが、古い石垣に目を凝らすと
弾丸の痕に気が付くことがある
繁華街の裏道に回ると
戦前のものらしい門中墓がある
持ち主のわからない古い亀甲墓
(「シュガーローフ」)
山之口貘賞受賞の詩人による待望の第三詩集。